歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

津田 梅子

今回は、歴史発想源 〜優婉の開花・女子教育篇〜 /津田梅子の章を読みました。

 

 

津田梅子の波瀾万丈の人生もさることながら、その人脈の凄さに驚きでしたので、サスペンス風に図示してみたいと思います。

 

 

7歳で渡米

 

津田梅子は幕末に産まれ、父、津田仙(福沢諭吉と一緒に英語通訳士としてアメリカに渡った経験あり)の勧めで明治4年11月に岩倉具視を大使にした欧米使節団に同行してアメリカに留学しました。

日本人初の女子留学生は、吉益りょう(14歳)、上田てい(14歳)、山川さき(11歳)、永井しげ(8歳)、津田うめ(7歳)の5人であり(それぞれ幼名)、津田梅子は最年少でした。異国に向かう船内で引きこもる少女たちを励ましたのが、後の初代内閣総理大臣伊藤博文だったそうです。

年長の2名は精神的に参ってしまい途中帰国しましたが、山川捨松、永井繁子、津田梅子はそれぞれアメリカ人家庭にホームステイすることになります。梅子は最初は英語が分からず学校にもついて行けなかったものの、猛烈に勉強し徐々に成績が上がり始めます。学芸会での詩の朗読では長編詩「白脚の鹿」を暗誦して地元新聞にも掲載されたそうです。

アーチャー・インスティテュートで優秀な成績を残し、11年にも及ぶ国費留学を終え、山川捨松とともに明治15年に帰国しました。

 

 

無職→英語教師へ

 

帰国した時、18歳の津田梅子は日本語がまったく話せなくなっていました。さらに、一緒に渡米した仲間は皆結婚してしまいます。国費で留学し、がむしゃらに勉強したのにその力を全く活かせず無職で悶々としていた梅子は鹿鳴館のパーティー伊藤博文と再会します。

その縁で伊藤博文の家に住み込み、桃夭女塾で英語を教える傍ら、伊藤博文の家で家庭教師や通訳をすることになりました。明治政府が国立の女学校を設立することを発表したのは、津田梅子が伊藤博文に女子教育の必要性を説いたことも大きく影響したようです。明治18年に「華族女学校」が創立され、準備委員として一緒にアメリカに渡った親友の大山捨松(幼名:山川さき)とも再会します。

 

華族女学校で英語教師として働いていた梅子ですが、花嫁修業のお稽古事の延長のような学生たちの向学心の低さ(学ぼうという意識なんてほとんどない!)に愕然とします。それは、後に招聘された大山捨松のホームステイ先の末娘、アリス・ベーコンも同じでした。

「梅子、日本の女子教育を本気で変えたいと思うなら、あなたはアメリカに留学すべきよ」というアリスの言葉に一念発起した梅子は、アメリカ時代の知人たちににも手伝ってもらい、セブン・シスターズ」の一つに数えられる名門校のブリンマー大学から奨学金の交付と授業料の減免の確約を得ます。さらに、華族女学校の校長に交渉して、英語教授の役職はそのままに、2年間の有給休暇を得て再び渡米します

 

 

再びアメリ

 

ブリンマー大学では、学部長の勧めで主専攻を「英語学」と「歴史学」、副専攻を「生物学」に決め、再び猛烈に勉強しました。後にノーベル生理学・医学賞を受賞したモーガン博士の助手としても研究を行い、日本人女性初となる科学論文を発表します。また、留学中はアリス・ベーコン著「日本の女性(明治日本の女たち)」の出版にも協力したそうです。

 

 

ブリンマー大学ではアナ・ハーツホンとの出会いもありました。アナは、父 梅田仙が渡米した際持ち帰り翻訳した医学書の著者ヘンリー・ハーツホンの娘であり、新渡戸稲造の「武士道」の執筆を助けた人物でもあります。

 

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トーマス学部長、モーガン博士に「あなたは世界的な科学者になるべきだ」とかなり強く引き留められますが、当初の予定を1年延長し、3年間の留学を終え津田梅子は帰国しました。

 

 

万国夫人クラブでのスピーチ

 

華族女学校に戻り、英語教師をしていると、伊藤博文大隈重信を介して「万国夫人クラブ連合大会」の女性代表の一人に選ばれます。明治31年にデンバーで行われた津田梅子のスピーチは来場者たちの心を打ち、最も優れた演説として地元の新聞にも絶賛されたそうです。

大会後、かつてホームステイをしていたランマン家に立ち寄ると、夫人よりあなたに会いたがっている人がいるとヘレン・ケラーを紹介されます。ヘレンと梅子は色々な話をし、「ミス・ツダの成功と幸せを、心からお祈りしています。ヘレン・ケラーという手紙をもらい、大事にしていたそうです。

 

また、イギリスに招待された梅子は、かつて自宅に寄宿していた安井てつにオックスフォード大学で出会います。そして、聴講生としてオックスフォード大学に留学する間に紹介されて面会したのは、あの、フローレンス・ナイチンゲール(晩年)です。梅子は「イギリス女王陛下に会うよりも嬉しい」と大いに喜び、彼女と女性教育の未来について話したそうです。日本人でナイチンゲールに実際に会うことができたのは津田梅子と安井てつの他には2人しかいないそうですよ。

 

 

女子英学塾

 

欧米の教育事情をしっかりと見てきた津田梅子は、今こそ自分が立ち上がるべきだ!と決心し、これまで教授として勤めてきた華族女学校と女子高等師範学校に辞表を提出します。

 

その後も色々と苦難の連続だったのですが、女子英学塾を立ち上げ、後に津田塾大学となりました。この辺は、津田塾大学のHPを見ると写真付きで分かりやすくまとめてありますので、続きが気になる方はそちらをご覧ください。

 

私はもう、お腹いっぱいです…。

 

 

まとめ
 
いやもう、スタートダッシュがはやすぎだし、優秀すぎて目が点になってしまいました。出会う人が皆お札になったり、教科書にでてくるような大物ばかりなのも驚きの連続です。さすが、新五千円札になる人物ですね。
津田塾大学は今でも学芸学部(5学科)、総合政策学部(1学科)、大学院(修士および博士課程)を有する女子大学として続いており、津田梅子の思いが今にも続いているんだなと感慨深いです。
日本人として誇れる女性だと思いました。

伝説のコーチ ビル・キャンベル

今回は、世界の起業家が学んでいるMBA経営理論の必読書50冊を1冊にまとめてみた」(2021年)を読みました。

 

 

面白そうな本が沢山紹介してあって読んでみたいと検索したのですが、残念ながらあまりkindle本にはなっておらず、unlimitedになっている本は既に読んでいる感じでした。しかし、1兆ドルコーチ_シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え(2019年)だけは課金しても読みたいと思い、早速読んでみましたので、どのような人物だったのかをまとめたいと思います。

 

 

ビル・キャンベル

 

アメリカンフットボールのコーチから転身して、アップルの幹部やインテュイットのCEOとして辣腕を振るった人物です。そして、本書の著者であるグーグルのCEOとプロダクト責任者を個人としてチームメンバーとして、主に陰から支えたコーチでもあり、スティーブ・ジョブズの相談相手であり、コーチ、メンター、友人でした。

ビルのコーチを受けた人の名前は2ページに渡っており、元CEOや学長など錚々たるメンバーです。

 

彼はスティーブ・ジョブズがつぶれかけのアップルを立て直し、時価総額数千億ドルの会社にするのを助け、ラリー・ペイジセルゲイ・ブリン、エリックがスタートアップだったグーグル(現アルファベット)を時価総額数千億ドルの企業にするのを助けたことから、「1兆ドルコーチ」という訳です。

 

しかも、彼はグーグルでの仕事に対する報酬の申し出をことごとく断り、やっと株式を受け取っても、すべて慈善団体に寄付したのだそうです。いつも裏方に徹し、本を書きたいという作家やエージェントの申し出を断り続け、自分のために働いてくれた人や、自分が何らかのかたちで助けた人のうち、すぐれたリーダーになった人は何人いるだろうと考える、それが自分の価値を測るものさしだったという人でした。

 

 

マネジャーの役割

 

ビルは何人ものグーグル幹部のコーチになり、過去記事でも紹介した、「プロジェクトアリストテレスのきっかけにもなりました。

 

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グーグルの最高のチームは心理的安全性が高く(マネジャーの後ろ盾のもとで、安心してリスクを取れると感じていた)、明確な目標を持ち、仕事に意義を感じ、お互いを信頼し、チームの使命が社会によい影響を与えると信じていました。

 

彼は1on1で仕事以外のプライベートな話題から、何に取り組んでいるんだ? うまくいっているのか? 何か力になれることはあるか? に続いて、必ず同僚との関係に話題を移したそうです。そして次はチーム、そしてイノベーションについて話しました。

どんな会社の成功を支えるのも、人だ。マネジャーのいちばん大事な仕事は、部下が仕事で実力を発揮し、成長し、発展できるように手を貸すことだ。

 

歯科衛生士の実習でも、人(実習指導者)次第で実習は全く違うものになります。どんな会社でも組織でも「人」を大事にしないところは成長も発展もできないと思います。松下幸之助稲盛和夫も社員や取引相手(人)を大事にしましたよね。部下を「人」として全人的に支え、応援し励ますのがマネジャーの役割なのだと思いました。

 

 

コンセンサスなんかクソくらえ!

 

ビル・キャンベルは、けっこう口が悪く、悪態をつく人だったようです。

彼のフィードバックはいつも率直で素直でした。「ハグ+悪態」が彼のスタイルであり、ブラッド・スミスがインテュイットに新しい幹部として入社した時、「そうか、君が私に大金を使わせたクソ野郎か。それだけの働きをしてくれるんだろうな!」(入社で揉めて弁護士費用がかかった)と後ろから羽交締めにしたそうです。

また、マネジャーはチーム全員の意見を吸い上げ、 すべての見解を検討するための意思決定プロセスを実行できるよう助力しますが、必要な場合には自ら議論に決着をつけ、決定を下なさければならなりません。「コンセンサスなんかクソ喰らえ!」だそうです。

 

どんなに口が悪くても、誰もがビルのハグと口汚いののしりを楽しみにしていたそうです。みんなから慕われ、コーチを望まれるのは、信頼関係があるからに他なりません。

 

 

信頼

 

信頼している相手には安心して自分の弱さを見せることができます。ビルは、コーチをする時、自分のコーチを受け入れる気はあるのか?と必ず聞いて、コーチングを受け入れられる「コーチャブル」な人だけをコーチングしたそうです。

 

コーチングには相互の信頼が必要です。「約束を守る」「誠意」「率直さ」「思慮深さ」はコーチに重要な資質であると述べられています。ビルはごくあたりまえのようにして、信頼関係と安心感、守られているという感覚を築く才能を持っていたそうです。

 

 

シリコンバレーを大きくしたのはビルの愛だった

 

彼は人間の部分と仕事の部分を分けず、どんな人もまるごとの人間として、仕事とプライベート、家族、感情など、すべての部分が合わさった存在として扱ったそうです。つまり、全人的にその人を愛したということに他なりません。

彼はオフィスに行くと、一人ひとりに名前で呼びかけ、ハグして回りました。家族についても、「お子さんは元気か?」といった表面的な話ではなく、「サッカーの試合はどうだったか?」「大学はどこを考えているのか?」など聞いて、具体的なアドバイスまで親身になってしていたそうです。まさに、自分の家族だと思って接していることがわかりますね。

 

彼のコーチを受けた人たちは、チームメイトは人間であり、彼らの職業人の部分と人間の部分のあいだの壁を破り、愛をもってまるごとの存在を受け止めるとき、チーム全体が強くなることを学んだのだということでした。

 

 

まとめ

 

このブログを始めた頃、Googleの「1on1」の話を読んで、これは!と思ったのですが、その原点がビル・キャンベルという人で、愛に溢れた伝説のコーチだったということが分かりました。

また、エグゼクティブコーチングの原点と言える人だということも分かりました。

 

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彼の書いた本はなく、話も聞けないというのはとても残念ですが、(悪態は除いて笑)このような人になりたいなぁ、素敵な人生だなぁと思いました。私もこんな世界線シリコンバレーに行きたいという意味ではない)で生きたいです。

嬉しい・楽しい・幸せ

ここ最近は、小林正観さんの本を読み漁っていました。

 

 

 

 

小林 正観(こばやし せいかん)

 

Wikipediaには、

日本の著作家。心学研究家。コンセプター(基本概念提案者)。デザイナー(SKPブランドオーナー)。歌手。

とあり、本を読んでも、役職や職業に囚われない、つかみどころのない人だなという印象です。学生時代から人間の潜在能力やESP現象、超常現象に興味を持ち、練習するうちにスプーン曲げやカード透視ができるようになったそうです。年に約300回の講演依頼があり、糖尿病になって透析をしながらも全国を回る生活を続けていましたが、2011年10月に逝去されています。お釈迦様の話や般若心経のことがよく出てきますが、別に仏教徒という訳ではないそうです。

私が、この考え方は良いなと思ったところをまとめたいと思います。

 

 

「努力する、頑張る、必死になる」をしない

 

本書では「努力する、頑張る、必死になる」は潜在能力を使う時に邪魔になると説明します。自分が好きで好きでやっていることを「努力」とは言いません。「努力」は語源的にいうと奴隷労働、イヤイヤ何かをするということです。「頑張る」は「我を張る」。 「必死」は「このままいけば必ず死にます」という意味であり、美徳でもなく、奨励されることではないと説きます。

これらの三つを捨てて、「嬉しい・楽しい・幸せ」な状態になり、それを持続することが大事だそうです。「う・た・し」の気分を持続することが、すべての対人関係、すべての現象に対応していくための必要条件であり、超能力を高める秘訣にもなります。

 

 

他人を思い通りにしたい症候群

 

小林正観さんは、旅先でいつも他の客の人生相談に乗っていたそうですが、「他人を思い通りにしたい」という悩みには黙ってバツ印を作って、相手にはしなかったそうです。

 

例えば、「うちの息子が不登校で」とか、「職場の上司が嫌なことを言ってくる」、「恋人が〜してくれない」などです。

「悩み・苦しみって、自分の思いどおりにすることだっけ……? そういうことを悩み・苦しみっていうんだっけ……?」

そんな疑問を抱えているうち、ある時、二千五百年前にお釈迦さまも同じことを考えていたんだと気づいたそうです。

 

 

お釈迦様の教え

 

お釈迦さまが説いた「苦」の本質は、「自分が思いどおりにしたいのに、それが叶わないこと」だと小林正観さんは言います。そして、思い通りにならないことを受け入れることが楽になることであり、自分の思いどおりにしようと思うから、悩み苦しむのですよと言っているのが般若心経になります。

色即是空 空即是色

私たちが色(肉体・物体)だと思っているものは全部「空(存在はするが、特別な性格づけがされているわけではない)」の部分が最も伝えたいことであり、「すべてが空なり。自分の論評・評価、思いが、結局、全部自分の苦悩や煩悩につながっている。」ということをお釈迦さまは後世に伝えたかったのだということでした。つまり、「悩み・苦しみは、受け容れた瞬間から消滅する」ということですね。

 

 

一日千回の「ありがとう」

 

思い通りにならないことを受け入れていつも「嬉しい・楽しい・幸せ」な状態になることで、かなり幸せな人生(悟り)に近づきますが、一気にジャンプアップする方法があります。

 

それは、一日千回「ありがとう」を言うことです。周囲の人やもの、太陽、空気、自分の体の臓器一つひとつなど、ありとあらゆるものに対して「ありがとう」を言います。すると、1ヶ月で3万回、2ヶ月で6万回、3ヶ月で9万回になりますよね。

2万5千回を超えると、なぜか涙が溢れてきて、5万回を超えると心の底からありがとうと言えるようになり、10万回を超えると不思議なことが起こり始めるそうです。がんや病気が治った例がいくつも紹介されていました。

 

1日にたった5個感謝しているくらいで「感謝マスター」になった気分になっていた自分(過去記事参照)がめちゃくちゃ恥ずかしいです。一日千回目を指し、初心にかえって「ありがとう」を一から始めたいと思います。

 

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まとめ

 

この小林正観という方、前世でお釈迦さまの弟子だったのではないかという話が出てくるのですが、多分、そうだろうなと思いました。人生で起こることは生まれる前から決まっていて、生老病死、生まれること、老いること、病むこと、死ぬことも、そのまま受け容れるというのがお釈迦さまの教えですが、その通り生きられた方だなと思います。

私もそんな悟りの境地まで達せられるか分かりませんが、今は「ありがとう」をもっと極めていきたいと思いました。

知りたいことは筋肉に聞け!

以前、「ゆび輪っかテスト」について書きましたが、パワーか、フォースか 改訂版(2018年)を読んで、こちらが原典・元ネタだと分かりましたので、正式なテスト方法を整理しながらまとめておきたいと思います。

 

 

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本書はスピリチュアルに近い内容ではありますが、根底の気づきはキネシオロジー」と呼ばれる身体運動に関する科学的研究によります。Wikipediaで調べてみても日本語版ではあまり書かれおらず、英語版を翻訳してみたところ、健康増進・健康教育、リハビリテーション障がい者スポーツ、アスレチックトレー二ングなどに用いられているということが分かりました。

過去記事古武術に学ぶ」のような体の使い方を研究する学問なのかなと思いました。

 

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何を知ることができるのか

 

テストの方法は以下に説明するとして、この筋力反射テストで分かるのは、質問した内容に関する「YES/NO」または「ポジティブ/ネガティブ」の答えです。現在・過去であれば未知であっても測定可能なので、例えば「私の彼氏は正直です」に対して反応が「NO」だった場合は、彼氏は自分にウソをついているということが分かります。

 

何も書かれていない封筒に人口甘味料を入れ、中身を知らない被験者がみぞおちの辺りに持ってこのテスト行うと弱いネガティブな反応、ビタミンCではポジティブな反応が一貫して出るのだそうです。人物や団体、経典や書籍の意識レベル(本書を読めば詳しい解説があります)も計測できるということでした。

 

 

方法1.腕を押し下げる方法

 

被験者は目を閉じて直立し、右手を胴体につけ、左手を床と平行に伸ばします。実験者は被験者と向かい合わせに立ち、左手を被験者の右肩に置きます。そして、右手2本の指で「抵抗してください」と言ってから、被験者の左手首を素早く軽く押し下げます

質問の前には必ず許可を得てください「私が考えている質問をして良いです」(必ず肯定文)と聞いてから上記の方法で手首を押し下げ、抵抗があれば「YES」です。次に聞きたい質問を肯定文で尋ねてOKということになります。抵抗できず、手首が押し下げられた場合は、「NO」なので、質問を変えるか、実験を終了しましょう。

 

質問が肯定文になっているのかは、以下の例で確認してください。

❌ これは、私の体に良い食べ物ですか?

⭕️ これは、私の体に良い食べ物です。

⭕️ この食べ物は、私を病気にします。

 

 

方法2.O-リングテスト

 

O-リングテストは1人で行うことができます。

同じ手の親指と中指でOの形を作ってしっかりと保持し、もう片方の手の人差し指で引き離そうと素早く引っ張ります。引き離すことができない場合は「YES」、引き離せた場合は「NO」になります。



引き離し方は今回初めて知りました。1人でできるのが良いですね。過去記事「ゆび輪っかテスト」では親指と薬指となっていましたが、筋肉の反応を見るテストなので、どちらの指でも大丈夫なんじゃないかなと思います。

事前に許可を得ること、必ず肯定文で尋ねることは方法1と同様です。

 

 

方法3.重たいものを持ち上げる

 

3つ目は測定したいもののイメージを心に描いたり、質問(肯定文)を心に思い浮かべて、腰の高さのテーブルから重い物を持ち上げる方法です。楽に持ち上げることができれは「YES,ポジティブ」、持ち上げにくい場合は「NO,ネガティブ」です。

重たさの目安としては、大型の辞書やレンガ2個分くらいと書かれていますので、5㎏くらいのものであれば何でも良いと思います。はっきり「YES/NO」が分からない「弱い反応」もあるようなので、何度も実験して、練習する必要があります。

 

これが最も簡単な方法だと書かれていましたが、腰痛持ちの方はやめた方が良いでしょうね。また、いちいち5㎏のものを探さないと実験できないので、O-リングテストの方が手軽なのかなと思いました。指の筋肉は腰の筋肉に比べて小さいので、判断が難しくなるのかも知れません。

 

 

正しく測定できない時

 

  • 人口の10%はなぜだか分からないが、使用できない
  • 夫婦で測定することはできない(方法1は必ず第三者の協力が必要)
  • 被験者、測定者の意識レベルとテスト目的の意図が200以上であること(…意識レベルについては本書を参照ください)
  • メガネ、帽子、アクセサリー、腕時計は外してから行う
  • ネガティブに囚われている時は、「胸腺たたき」を行ってから行う
  • 未来のことは測定できない(現在・過去であれば未知であっても測定可能)
  • 時間の経過により測定値は変化することがある

 

 

まとめ

 

この手法をマスターできたら、人生イージーモードですね。自在に使えれば、詐欺を見分けたり、自分の体に合う食品を見分けたり、読むべき本を選べたり、選ぶべき政党が分かったり、人生の方向性を選べたり、満足できる人生になっていくのではないかと思いました。チャネリングも同じようなものなのかもしれません。私も自分の筋肉を信じて、色々と聞いてみようと思いました。

それと、息子には、筋力テストの時はママのことを思い浮かべながらやってごらん、力が出るからと言いたいです(笑)

 

エグゼクティブコーチング

これまで、企業の経営者というのは「人格」が大事だというのを学んできて、そんな人物ばかりではないという内部のゴタゴタ劇も見てきました。そんな中、未来を共創する経営チームを作る(2020年)を読んで、やっぱり会社というのは社長も大事だけど、経営チームの一人ひとりが一丸となってチームとして機能すること、そして、そのためのコーチングが有用なんだなと分かったので、ご紹介します。

 

 

 

経営チームのメンバー

 

やはり、本書においても良好な経営チームのを作るのはとても難しいと結構なページを割いて書かれています。経営チームになるメンバーというのは、0.25%の選ばれた人たちであり、全員が本田圭佑のようなものです。それぞれに自分の確固とした考え方や信念があるというのは想像できます。そして、特に日本企業は社長→会長となり経営に口出しできる立場にとどまるので、新社長はやりにくくて仕方ないという訳です。社長と会長のお家騒動は日本あるあるなんですね。

良い経営チームを作るのは難しいのだけれど、チームが同じ方向を目指して進み始めると、1人では成せないようなすごい力を発揮することも明らかです。では、どうしたら良い経営チームを作ることができるのか、まとめてみたいと思います。

 

 

チームの目標

 

まずは、組織の存在意義と自分の存在意義を接続することが大事だそうです。チームの目標を明確にし、この組織が何を目指すのかを共通理解した上で、各メンバーが理想のチームとはどのようなものか、どう進化させることができるのかを考えていかなければ、良いチームにはなりません

個人のエゴやチームのエゴ、つまり自分のチームだけ良ければいい、社員は経営チームの言うことを聞けばいいといった考え方は排除し、会社の一機能として自分は、チームは何をすべきかを常に考えるというマインドが必要になります。

メンバー同士の対立はむしろチームの進化には必要で、エゴをむき出しにした対立から創造のための対立に進化していくことが求められます。

 

 

縦のコミュニケーション

 

縦のコミュニケーションとは、社員と役員のコミュニケーションのことです。良い経営チームには、軍隊式の社長→役員の命令ではなく、社長⇔役員の双方向でのコミュニケーションが求められます。会社の未来についてお互いに話し合うことが、経営チームをチームにするための土台になるのだそうです。

 

本書ではCEOが役員と「1on1ミーティング」をすることで縦のコミュニケーションを図ったケースが紹介されていました。過去記事「チームの心理的安全性」でもGoogleで行われている「1on1ミーティング」が紹介されていましたが、歯科医院内でも絶対必要だよな~とずっ~と思っています。

 

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横のコミュニケーション

 

縦のコミュニケーションができるようになったら、横のコミュニケーションを構築します。自分の役割は自部門を発展させることだと思っている役員は、役員間でのコミュニケーションの必要性を感じられないと言うかも知れません。そんな場合は事業部間の役員間で一緒にできるプロジェクトを作ると良いということでした。

 

お互いにどんな人生経験や価値観を持った人間なのかを知れば、さらにチームとして進んでいけるため、お互いを知る機会を設けるのも効果的かも知れません。

 

特に日本の行政は縦割りで、横の連携がない組織だなと思います。また、役員間で年齢差がある場合、日本では年功序列の精神が強すぎて、何でも言い合える関係になることはかなり難しいのではないでしょうか。前頭葉が弱くなってくると、更に難しいよねと思いました。

 

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フィードバックを受ける

 

これらの超・難題をクリアするため、CEOや各役員向けのエグゼクティブコーチンというものがあるそうです。一人ひとりに付いて定期的にコーチングを受けることで、役員が会社全体のことを考えて意思決定できるよう後押しします。外部の視点からフィードバックを受けることは、会社の一機能として自分は、チームは何をすべきかを考えているか、会議での発言はメンバーにどのような影響を与えたかなどを客観的に考えることに繋がります。

 

人生経験もプライドも高く高~く積み上げた人たちにコーチングをするのは大変そうですが、多くの社員を抱え、社会的役割のある企業だからこそ、資金面でもエネルギー面でもコーチングに注力することって大事なんじゃないかなと思いました。それこそ、日本の政治家には全員コーチングを受けて、自分の行動・発言の振り返りを毎日して欲しいですよね…。

 

 

まとめ

 

人間ってどうしても視野が狭くなりがちで、自分は間違っていないと信じがちで、他人から指摘されるのを怖がってよりガードを強固にしがちですが、コーチングを通して他者から「問い」を投げかけてもらうだけで、それらが霧散する(ブレイクスルー)ことってありますよね。マルクス・アウレリウスのように毎晩自省したり、「脳内トークを使って自分で自分に問うことができれば良いですが、大事な場面であればあるほど難しいのではないかと思います。

 

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相手を否定せず、判断したり、選択を誘導したりしない、本当のコーチが日本に沢山いて活躍すれば、もっと良い世の中になっていくのではないかなと思いました。

お金のメンタルブロック

今回は、読むだけで一生お金に困らないメンタルブロック浄化法【対話版】:どんな願いも必ずかなう最短最善の潜在意識の書き換え手引き(2024年)を読みました。

タイトルと表紙は…ちょっとアレですが、内容としてはとても分かりやすく参考になったし、具体的なワークがとても納得のいくものだったので、ご紹介します。

 

 

潜在意識に行動は操作される

 

本書で潜在意識をコップに例えて説明しているのが分かりやすいな~と思ってイメージ図にしてみました。コップからあふれ出してくる水が顕在意識であり、自分の行動を左右ます。つまりコップにあなたが何を注ぐかで潜在意識が変わり、行動も変わるよということですね。

 

 

私は天風哲学を学んでから「絶対積極」をモットーにしているので、ネガティブな水を注がないように意識できているのではないかと思います。

 

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メンタルブロックの解除とは、コップの水を浄化する作業でもあるということでした。

 

 

わくわくする未来を妄想する

 

「妄想」は理想の未来を潜在意識に注ぎ込む手段になります。できるだけリアルに、わくわくする未来を妄想することが大事だそうです。「ふしぎな村の村長の教え4 ドリームアカデミー」(2023年)に確かあったと思うのですが、五感をフルに使ってイメージするともっと良いのではないかと思いました。

 

 

 

 

お金大好き!と叫んでモニタリング

 

お金のメンタルブロックがちゃんと外れたのかは「お金だ~い好き!」と叫んでみることで確認できるそうです。もし、心がざわっとするのならまだブロックが外れていません。「お金を得ること」=「悪」という感覚がまだあるのかも知れません。上記の潜在意識の書き換えしたり、「お金大好き」と何度も声に出して言うとブロックが外れてくるのだということでした。

 

私もやってみると、案の定あまりスムーズに言葉が出てきません。でも、「お金はありがとう」だった!と思い直すと、連呼しても平気なだけでなく、心まで温かくなるので不思議です。

 

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自己モニタリングとして、寝る前に毎日確認しようと思いました。

 

 

まとめ

 

本書には、お金を増やすための具体的な行動についても書かれています。いくら収入が増えても、パーキンソンの法則人は時間やお金といったあらゆる資源を、あればあるだけ使ってしまう)が働いて手元に残らないじゃ意味ないですよね。

新渡戸稲造もこども達に迷惑をかけないくらいの「お金の貯蓄」をしなさいと言っていましたし、私もお金のメンタルブロックを外して、お金も貯蓄していきたいです。

 

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火事に備える

最近は、火事に関する本を読み漁っていました。

 

 

 

たつき諒さんの「私が見た未来」では2025年7月に大震災(災害?)が起きるという話でしたが、日本では、いつどこで震災級の地震が来るか分かりませんよね。

過去記事「災害対策していますか?」でも書いた通り、我が家では地震に対する備えは結構頑張っている方だと思います。しかし、火事への対策や火事が起きた後何が起きるのかは全く考えてこなかったと反省したので、学んだ内容をまとめておきたいと思います。

 

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燃焼の三要素

 

ものが燃えるには【可燃物】・【酸素】・【熱エネルギー】の3つの要素が必要です。

【可燃物】

枯葉や木、炭などの燃えるものです

【酸素】

当然ながら、酸素がないと物は燃えません

【熱エネルギー】

点火にも燃え続けるためにも必要です。

うちわで扇ぎすぎると種火が消えてしまうのは、熱エネルギーを奪われてしまうからです。

 

 

フラッシュオーバー現象

 

バックドラフトは映画で有名ですが、フラッシュオーバー現象とは、「局所的な火災によって熱せられた天井や煙層からの放射熱によって、局所火源そのもの、あるいはその他の可燃物が外部加熱を受け、それによって急速な延焼拡大が引き起こされ全面火災に至る」現象です(消防庁消防大学校HPより)。

フラッシュオーバー現象

木材は260℃以上になると一気に燃え上がるため、一度避難した人が「まだ燃えてないから大丈夫だ」と油断して室内に戻ると、フラッシュオーバーに巻き込まれて突然炎に囲まれて逃げ場を失う危険があります。消防士さんも天井に一度放水してから部屋に進入するそうですよ。

 

 

火事を起こさない仕組みづくり

 

火事の原因で特に注意したいのは、てんぷら油たばこですが、線香でも火事を起こす危険があります。そういえば最近、旧田中角栄元首相邸が全焼したというニュースがありましたが、線香が原因だったそうですね。放火の危険もあるので、屋外に紙ごみや枯葉を置くのは控えたほうが良いと思いました。

 

自宅で火事を起こさない仕組みとしていいなと思ったのは、消火ボールです。

炎に投げ入れるだけで中身が爆発して一気に消火できるのですが、一定の温度以上になると自動で作動するため、コンロの上に設置することで自動消火装置になります。消火後も人体に有害な物質はなく、ただ掃除すればよいだけなので、水を使えない電子機器のある施設での自動消火にも用いられているそうです。ちょっとお高いですけど、買っておこうと思いました。動画を見ましたが、威力は絶大ですよ。

 

また、施設での火災は換気扇ダクトにたまった油汚れに引火するのがとても危険です。ダクトを通して燃え広がるため、フィルターやダクトの清掃は欠かせないそうです。消防士さんも、ダクト火災の時は江戸時代と変わらず、延焼していないダクトをまず壊すのだそうです。それからダクト内に水を放水します。

 

ダクト火災専用の自動消火装置もありますが、義務化は市町村ごとに異なるみたいです。千日デパートの火災もダクト火災だったそうで、大型施設ではダクトを通して一気に広がります。焼肉屋の煙を床下に引き込む仕組み(無煙ロースター)はスマートですが、ダクトの清掃が難しく、火災が起きているというのも知っていて損はないと思いました。

 

 

火事の後に起きること

 

もし、自宅が火事になった場合、その後何が起きるのかもとても勉強になりました。最悪の事態を知って、必要な備えを考えておくのは大事なことだと思います。

 

【隣家に延焼させてしまった場合】

通常の火災保険では隣家は保証の対象外です。「類炎被害特約」に入っていると、お隣さんの火災保険で足りない部分を補ってくれるそうです。また、賠償できたとしても焼失した思い出の品は戻ってこないため、どうしても遺恨が残ります。自宅が全焼した場合は、その土地を売って別の土地に引っ越すことになるそうですが、土地の境界線で揉めた場合、価格は買いたたかれる覚悟が必要です。「弁護士特約」もあると心強いですね。

 

【自宅が全焼した場合】

家主が病院に搬送された場合、どのような状況で火事が起きたのか家族は聞き取りをして音声データに残したり、メモをしておくと良いそうです。消防と警察による現場検証では、ご近所さんも来て行います。その報告書がその後最も重視されるため、家主やその親族不在での現場検証は歪められたものになる可能性があるため危険です。日頃の人間関係も影響しそうですよね。

 

また、消火活動では、隣家の2階から放水することがあるそうです。そうなると、延焼は免れても家の中は泥だらけ、家具や寝具は水浸しになってしまう場合があります。もちろん何も燃えていないので保険金は出ません。「失火見舞金費用保障特約」をつけていれば、当面のお見舞金をお渡しできるかもしれませんね。

 

消火後は二次災害として炭が風で舞ってご近所さんの庭や洗濯物を汚したり、焼け残った柱が倒れる危険があります。できるだけ早く解体業者を呼んで処理する必要がありますが、保険会社が現地調査が終わるまではとストップをかけてくることがあるそうです。そんな時は「二次災害が起きたら保険会社の責任だぞ!」というと早く対応してくれるでしょうということでした。

 

 

まとめ

 

先日の能登半島地震でも火災により200棟以上が焼け、およそ5万平方メートルが焼失したそうです。もし、自分の家が火元だったらと思うと、恐ろしいと思いましたし、できる対策はしておかなければと思いました。

また、我が家のお隣さんは認知症のおばあちゃんの一人暮らしなので、もしそこで火事が起きたら、多分我が家にも消防士さんたちが突入してきます。(埃も火事の原因になるし)散らかった部屋を見られるのは恥ずかしいので、常に掃除して、整理整頓を心がけようと思いました。

前頭葉を鍛える

今回は、前頭葉バカ社会 自分がバカだと気づかない人たち(2023年)を読みました。

 

 

本書の著者さんは高齢者専門の精神科医です。つまり、認知症や脳の機能低下にかなり詳しい方ということですね。バカバカ言われるのはちょっと気分悪いですが、そこは頭を軟らかくしてお付き合いください。

 

 

前頭葉バカの兆候

 

著者さんは誰もが前頭葉バカに陥る危険があると言います。前頭葉は、思考力、判断力、集中力、創造性、意欲、感情のコントロールをし、変化に対応するための重要な役割を果たしています。前頭葉を甘やかしていると、変化を嫌がり、成長する意欲をなくした大人になってしまいます。

前頭葉バカは治せるので、新しい理論や知識を柔軟にとりいれながら、日々学び続けることが大事だということでした。

 

 

前頭葉バカの思考パターン

 

  1. 過度の一般化…意見が合わないことが一度でもあると、「あいつはもう仲間ではない、敵だ」と決めてかかる
  2. 選択的抽出…相手に悪いところがひとつでもあると、「あの人はダメだ」とすべてを決めつける
  3. 肯定的な側面の否定…他人に対しても、自分に対しても否定から入る
  4. 読心…相手の気持ちや行動を勝手に決めつける
  5. 破局…「もう自分は終わりだ」と考える
  6. 縮小視…自分の良い面を過小評価する
  7. 情緒的理由付け…感情によって事実を歪めて判断する(気分によって考え方や判断が異なる)
  8. ~すべきという考え方
  9. レッテル貼り
  10. 自己関連付け…成功すると「自分のおかげ」と考え、失敗すれば「自分のせい」と人一倍激しく落ち込む

 

8は出た〜!と思わず声に出してしまった、私の一番嫌いな思考パターンです。著者さんは、これらの思考パターンを持っていると幸せにはなれないと説明しています。

結構いると思いますよね。このような思考パターンが出た時は、前頭葉が使えていないんだということを知っておくだけでも良いと思いました。

 

 

前頭葉バカにならないために気を付けること

 

①変化を楽しむ

②自己モニターをする

③アウトプットする習慣をつける

④「より現実的な議論のしかた」を身につける

前頭葉を元気にするために「ただ動く」

 

前頭葉バカになると、感情的に推論してしまう傾向が高くなるそうです。つまり、キレる高齢者のことですね。新しいものにチャレンジできない、慣習にこだわるというのも、そうすることで前頭葉をあまり働かせずに済ませようとしていると考えられます。そんな人が複数集まれば、そりゃあ変化を提案する人を排除しようとするだろうねと納得してしまいました。

 

自分が間違っているかもしれないという謙虚さ、つまり過去記事無知の知を知ることと、「試してみなければわからない」というチャレンジ精神を持つこと、つまり過去記事「コンフォートゾーン」から出ることが大事だと分かりました。

 

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まとめ

 

前頭葉を鍛えるには、色々な人と会話を楽しむ、運動する、新しいことにチャレンジする、つまり他の人との交流が大事だということです。過去記事「親しい人との日常的なつながり」では、コミュニケーション能力が必要なのではないかと考察しましたが、一致する部分も多いなと思いました。

 

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私も前頭葉バカにならないために、自分を常にモニタリングして、いつも新しいことに楽しみながらチャレンジしていきたいです。

MBA式マーケティング

今回読んだ本は、世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた(2020年)です。

 

 

本書は過去記事ビジネス書100冊をまとめた本のように面白おかしくまとめた感じではなく、具体例を交えて理論を分かりやすく説明しています。まとめ系はお手軽に大事なところだけ学べるのが良いですよね。

私がそうだよね〜と納得したものをまとめたいと思います。

 

 

顧客体験からのサービス変革

 

顧客体験を「見える化」しサービスを変革する方法として、カスタマー・ジャーニー・マップ、エクスペリエンス・マップ、サービス・ブルー・プリントが紹介されています。要は、顧客とのやり取りを見える化して、タッチポイント(顧客とのやり取り)に注目しようという話です。

電話で問い合わせたら長く待たされたあげく、別の電話番号にかけるよう言われた、ネットで購入しようとしたら決済操作がややこしくて分からず諦めたなど、企業側は顧客が見えていないよと教えています。

あるあるですよね。私もなるべく手間のかからないサービスを選んでいます。Amazonヘビーユーザーです(笑)イライラ体験をしたら、即、『不満買取センター』に書き込みして、Amazonポイントに変換することで昇華しちゃいます。

 

 

リアル店舗はメディアになる

 

ネット通販が増えるとリアル店舗が無くなるのかというと、そうでもないようです。リアル店舗は「体験」を提供することで進化できます。

これを読んで、過去記事ジャーニー型のビジネスで学んだ、店舗がアミューズメント化しているアリババの販売手法を思い出しました。

 

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そして、店舗スタッフは「ブランド・アンバサダー」になるのだそうです。未来の店舗スタッフに求められる資質は、ブランドのよさを顧客目線で伝えるセンスになりそうです。AIに代替できない語彙力・表現力とコミュニケーション能力が必要になってきますね。

 

 

潜在ニーズを顕在ニーズに育てる質問

 

これはBtoB、つまり企業間取引の話ですが、優秀なセールスマンを調査して分かった4つの質問「SPIN」というものがあるそうです。

 

  1. 状況質問 (Situation)……「どんな設備をおもちですか」というように事実を収集する。ただ連発すると客はイライラするので、必要最小限にする。
  2. 問題質問 (Problem)……「設備に満足してますか」というように潜在ニーズを語らせる。
  3. 示唆質問 (Implication)……「古い設備だとコストが高いのでは」というように潜在ニーズがもつ問題の深刻さに焦点を当てて、顕在ニーズを浮かび上がらせる。
  4. 解決質問 (Need-payoff)……「新設備に変えるとどうなりますか」というように、解決策の価値を、見込客本人に語らせる。

 

これには、商談前の事前準備が大事だということです。できるセールスマンは違うなぁと思いました。家族に見込み客になってもらい練習すると良いそうなので、私も息子で練習してみようかな。

 

 

未来は「指数関数的な世界」の延長線上

 

ITの世界には、集積回路の素子数が2年ごとに倍増する「ムーアの法則というものがあります。確かに、10年前に比べてスマホやPCの性能は段違いですし、量子コンピューターが実用化したらと考えると、もっとすごい世界が来ちゃいますよね。

 

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指数関数的な世界では時間経過とともに価格性能比が飛躍的に上がり、限界費用はゼロに近づくのだそうです。なので、未来を見越したタイミングで妙手を打つビジネスが成功するということでした。

確かに、歯科でもインビザライン(マウスピース矯正)が急に出てきて流行り出した感があります。技術的には限界費用は既にゼロに近いのでは?と思うので、矯正治療費ももっと安くなると良いのですけどね…。矯正器具って確かにお値段が高いですけど、ほぼ技術料ですからね。

 

 

まとめ

 

マーケティングの理論には色々あって、本書の中でも意見が対立しているものもあり、やっぱり複雑で難しいなと思いました。教科書通りにすれば良いというものではなく、結局のところ、何が正解なのかは自分で考えるしかないということが分かりました。理論というのは、まずは知ってないと使えないので、学ぶ価値はあるなと思います。

キャプテン・クランチ

今回は、キャプテン・クランチの伝説 ジョン・ドレイパーとブルーボックス(2014年)を読みました。

 

 

ハッカーの起源というと、マサチューセッツ工科大学鉄道模型クラブというのが定説だそうですが、本書ではフォーンフリークス(Phone Freaks=Phreaks)という人達を紹介しています。面白くて、そんなに長くないのですぐ読めますよ。

 

 

フォーンフリークス

 

フォーンフリークスとは、電話のタダがけをして楽しんでいた人達のことで、口笛でトーンダイアルの音を再現することができた「ホイッスラー」、タダがけ機械ブルーボックスのつくり方と使い方を布教して回ったキャプテン・クランチ、ブルーボックスをビジネスにしようとしたバークレーブルー」「うすのろトーバー」が出てきます。

 

 

ホイッスラー

 

フリークスを最初に始めたのは、ジョイバブルと呼ばれる生まれつき目が不自由な少年でした。5歳のときにはオンフックボタンを指で押して、1秒間に5〜10回、電話番号の数字に合わせ回線をオンオフさせることで電話をかけられるようになったそうです。

トーンダイヤルが開発されると、7歳のジョイバブル少年は口笛でダイアルトーンが出せることに気づきます。さらに、トランクラインと言われる回線に入ると長距離電話が無料でかけられることを発見し、長距離電話や国際電話をかけることに夢中になっていきました。

 

フロリダ大学に進学すると、口笛を使って通話記録すら残らない方法で無料の長距離電話をするので、「ホイッスラー」と呼ばれるようになりました。

しかし、請求できない長距離電話が頻繁にあることに気づいた電話会社の社員に発見され、19歳でFBIに逮捕されてしまいます。執行猶予付きで、その後は一切手を引いたそうです。

 

 

 

口笛を真似できないフリークスたちは、テープに録音したり、カナリアを訓練したり、おもちゃのオルガンを使いました。

しかし、21歳で米空軍に入隊し通信関係のエンジニアとして働いていたドレイパーは、キャプテン・クランチ」というシリアルのおまけについていた笛が求めていた音を出せることに気づきます。

受話器を上げて笛を吹くだけで、無料で電話できるようになると、彼はキャプテン・クランチ」と呼ばれるようになりました。



さらに、エンジニアの知識と技術を活かして世界中に無料電話がかけられる「ブルーボックス」を開発します。彼は、その作り方や使い方を無料で教えて回りましたが、当然、高校生から麻薬ディーラーまでが使うようになるとFBIの捜査が入り逮捕されてしまいます。

ところがところが、彼は刑務所の中で囚人仲間にフリークスの講義を始めます。そして、昼間に外で働けるようになると、獄中で起業し、世界初のワープロソフトまで開発してしまったそうです。キャプテン・クランチは、シリコンバレーでは伝説の人物であり、現在81歳で健在のようです。

 

 

バークレーブルーとうすのろトーバー

 

最初に言いますが、バークレーブルーの本名はスティーブ・ウォズニアックうすのろトーバーの本名はスティーブ・ジョブズです。Appleを設立した二人がここで出てきます。

 

キャプテン・クランチは、ブルーボックスの使い方を二人にも教えました。バークレーブルーはローマ法王ニクソン大統領にイタズラ電話をかけて遊び、うすのろトーバーはこのブルーボックスを販売して、会社の設立資金を稼ごうと言いました。二人が販売した顧客(高校生)から捜査の手が入り、バークレーブルーはキャプテン・クランチとともにFBIに重要人物としてマークされましたが、すぐにブルーボックスの販売と製造を中止し、なんとか難を逃れたようです。

 

 

まとめ

 

フォーンフリークスって本当に頭のいいバカだなぁと思いました。キャプテン・クランチなんてお人好しにも無料で裏技を教えて回って、刑務所でも講義したって…(笑)講義するために、監視のトランシーバーの周波数を捉えて近くに来るとアラームが鳴る装置まで作ったそうですよ。好奇心旺盛で、楽しくて×2、皆んなと共有したくてたまらなかったのかなと思いました。キャラ3の舞蝶全開ですよね。

 

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私もこの人達のように、童心で人生を楽しみたいなと思いました。その方が楽しそう!

電通独占

今回は、電通巨大利権 東京五輪で搾取される国民(2017年)と洗脳広告代理店電通:ドクター苫米地の脱「メディア洗脳」宣言(2012年)を読みました。

 

 

 

電通と言うと、給料が高くて仕事はブラックというイメージですが、地方に住む歯科衛生士の私には正直あまり関心のない存在です。しかし、本書を読んで日本の広告業界の異常性について学んだので、ご紹介します。

 

 

電通独占の仕組み

 

電通日本の広告費における売上高比率が25%を超えており、テレビ、新聞、雑誌、ラジオの各媒体でシェア一位(2016年)だそうです。ググってみると、2023年2月24日に2022年の日本の総広告費が前年比4.4%増の7兆1021億円で過去最高だったという記事があり、日本の広告業界は今も昔も電通独占状態であると言えそうです。なぜ、ここまで電通が巨大化できるのかというと、日本の広告業界の特殊性が影響します。

 

  1. 世界的には一業種一社制が常識であるのに対し、多業種一社制が可能です。つまり自動車関係で言うとトヨタを担当していても、日産やホンダも担当できるということです。電通だけでなく、日本の法律上、広告業界はあらゆる業種のスポンサーを抱えることができます。

  2. メディア購入の窓口、CM制作、SP(セルフプロモーション)が同居しているというのも欧米には例がありません。通常、海外では別々の専門業者に頼まなければいけません。

  3. スポンサーのために広告枠を購入するメディア販売とメディアのために広告を売る機能も同居しているというのも稀なスタイルです。スポンサーのために広告枠を購入するはずが、代理店が持っている広告枠を都合よく埋めただけといった問題が生じるため、海外では禁止している国が多いのだそうです。

電通のイメージ図

 

スポンサーへの忖度

 

一社独占状態になると、テレビ局、新聞社、ラジオ局としては広告枠を埋めるために電通様」の言いなりにならざるを得ません。また、その資金源であるスポンサー様にも忖度した内容の番組を放送することになります。具体的な事例は本書に書かれていましたので、割愛しますね。ざっくり言うと、日本で報道されているニュースは疑ってかかるべきだよということです。

また逆に、広告主側も「電通様」に良い顔をしておかないとターゲット視聴者の全然いない広告枠しか提供してもらえなかったり、オリンピックといった規模の大きい案件では到底他社ではノウハウも人員もなく、遂行不可能という事態になります。

 

東京オリンピックでは後から談合が発覚し問題になりましたが、すべての実権を電通が握っていたことがそもそもの原因だと思います。本書の著者さんは、どちらも独占禁止法に違反しているので取り締まるべきだ!と主張していました。

 

 

視聴率操作

 

また、驚いたのは視聴率調査会社である株式会社ビデオリサーチとの関係です。電通グループは(株)ビデオリサーチの34.2%の株を保有し、役員を兼任している「持分法適用関連会社」ということでした(2023年3月30日提出の有価証券報告書より)。

過去記事コーポレートガバナンスで学びましたので、34.2%がどれだけ影響力のある数字かよく分かります。首根っこをがっつり掴まれている状態と言っても過言ではないでしょう。

 

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デジタル放送になってからは全数調査も可能なはずですが、相変わらずの標本調査で、調査しているのは国内で一社だけというのもどうなんでしょうね。苫米地氏も「これを見てしまったら「公正な視聴率調査をしています」と言われても、信じろという方が無理だ。」と書いており、私も同感です。まぁ今では、テレビの影響力は昔ほどではありませんけれど。

 

 

Facebookとの提携

 

また、電通と米国Facebook®社 日本での広告主向け「Facebook」活用マーケティング・サポートで業務提携」もちょっと怖いぞと思いました。業務提携したのは、2011年で今から13年も前の話です。

 

実は、フェイスブック社は2012年に無作為に選んだ約69万人のユーザーを対象に心理学の実験を行っているんです。具体的には、「ニュースフィード」と呼ばれる部分に表示する友人らの投稿を操作します。ポジティブな印象を与える投稿を減らすと、利用者自身の投稿もネガティブな内容が増え、逆にネガティブな投稿を減らすと、ユーザーの投稿ではポジティブな内容が増えたという結果だったということでした。

この研究は倫理に反しているとして非難を浴び、FB社は謝罪しています。

 

ケンブリッジ・アナリティカ社(CA社)がFacebookから得た個人情報を不正に利用して、米国の大統領選挙で共和党支持者を増やし、英国をEU脱退に誘導した、つまり裏で操っていたという話もあります。

 

Facebookソーシャルメディア最大と言われる30億人規模のユーザーを持っているため、多くの研究者が注目していますし、社内にも研究部門があります。日本人が秘密裏に研究対象にされていたり、電通に都合の良い情報操作が行われていたりするのかもしれませんよ。

 

 

大阪万博はどうなの

 

先述したように、東京オリンピックでは電通独裁で進められましたが、後から汚職や不正入札で逮捕者が出る事態となりました。では、大阪万博はどうなの?と調べてみると、やっぱり当初の委託先は電通だったのですが、五輪談合の影響で万博から除外されてしまい、大混乱みたいでした。(私はテレビを見ないので、世の中のニュースに疎いです。)

一社独占状態の悪影響がここにも出ていました。

 

 

まとめ

 

広告を一社が独占しているという日本の状況は、世界から見ると異様なんだなということが分かりました。何でもかんでも世界標準に合わせる必要はないとは思いますが、大阪万博でも明らかな弊害があると分かった以上、徐々に変えていくべきなんじゃないかと思います。

電通社員の平均年収は1,500万円を超えるみたいなので、商品やサービスのほとんどが広告代として電通に流れているんだろうなと思うと、何だかやるせない気持ちになってしまいました。

新渡戸稲造「4つの貯蓄」

今回は、新渡戸稲造逆境を越えていく者へ(2011年)を読みました。

 

 

 

旧五千円札の顔

 

本書は、旧五千円札の顔である新渡戸稲造氏の過去の著作から「苦難の時をいかに生きるか」をテーマに再編集したものです。新渡戸稲造といえば、武士道の著者でもありますね。

 

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ちなみに、現五千円札は樋口一葉、新五千円札は津田梅子で、皆さん女性が社会で活躍する土台を築いた方々です。unlimitedでこの方々の本も探して読んでみようと思います。

さて、新渡戸稲造はクラーク博士とは入れ違いだったものの、札幌農学校の二期生として学んだキリスト教徒です。山下太郎の先輩に当たります。

 

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今回は、新渡戸哲学の中で私が良いなと思った「4つの貯蓄」についてまとめたいと思います。

 

 

第一:金銭の貯蓄

日本人は金銭の貯蓄をいやしいと軽蔑するところがあるが、自分の子孫が他人に迷惑をかけない程度の蓄財は必要だと説きます。新渡戸稲造は学生時代、一週間分の小遣いをもらうとすぐに菓子を買って使ってしまい、その後は風呂にも入ることができなくなるような散財タイプだったそうです。しかし、同級生や学生を見て、貯蓄心のある人は考えが計画的で、頼み事をしてもきちんと終わりまでする、頼りがいのある人物であることに気づいたと書かれています。

 

議員の不正にも言及しており、「自民党の不正議員さ~ん、新渡戸稲造の本は読みましたか?」と言いたいですね。政治家には3つの要素「ジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄)」が大事なんて言われますが、そんなものより第四の貯蓄で述べる「徳の貯蓄」が大事ではないですかと思いました。

 

 

第二:体力の貯蓄

 

日本人は遠い将来を考えるのをよしとしない傾向があります。「どうせ人間は死ぬのだから」酒を浴びるほど飲み、放縦な生活を繰り返すと、死なずに半病人になった時にとても残念なことになるよと忠告しています。一日に十人前の仕事をするよりも、十年かかって十人前の仕事をするぐらいに考え、それに相当する体力を養いなさいということでした。

 

新渡戸は北海道の氷点下の日でも毎朝冷水を浴びることを欠かさず行っていたそうですよ。「朦朧として物がはっきり見えなくなるほどであった」というのは、ちょっとやり過ぎのような気もしますが…。体力の貯蓄には毎朝冷水を浴びるのもおススメだそうです。

 

 

第三:知識の貯蓄

 

少し学ぶとひけらかしたくなる人が多いけれど、「能ある鷹は爪を隠す」というように、知力のある者はむやみとこれをひけひけらかすことはしません。災難にあったときなど、機会を見て知識を使用するべきであり、知力の蓄積には良書を読み、有益な話を聞き、自分以上の人と交わり、時には黙想して心に得たことを心の蔵の中に深く入れるようにすると良いそうです。

そして、知識の貯蓄よりいっそう大切なのは徳の貯蓄だということでした。

 

蓄えた地力が、いつ何時必要になるかは分かりません。しかし、絶対に役に立つ時が来るので、目先の必要のために得る知識ではなく、教養を身につけよと言っているのだと理解しました。

 

 

第四:徳の貯蓄

 

善行は職業、財力、社会的地位、身体の強弱に関係なく誰にでもできますが、善だけを毎日行うことは不可能です。多少の善いことをしても、同時に多少の悪をするものなので、悪をしてしまったと自暴自棄になるのではなく、差し引きして善が多ければ良し、毎日続けて徳を積むことが大切だと説きます。

徳は名誉にもお金にもなりませんが、失う恐れもねたまれる恐れもありません。それどころか、心は晴れ晴れとして、楽園のような快楽すらあります。新渡戸は4つの貯蓄の中でこの徳を積むことが一番大切であると言っており、人生に最も大事で欠くことのできないものはそれぞれに備わっていると言います。つまり、「他人のせいで出来ない」という言い訳はできないよということですね。

 

人は多少の悪はするもの、差し引きしてプラスならOKというのはとても心が楽になりました。私も徳を積みたいとは思っていますが、やっぱり運転していて横道から出てきた車に譲れなかったり、息子に言い過ぎてしまう時など悪を積むときがあります。徳を積めなかったと自責するのではなく、差し引きプラスならOK!と気楽にいきたいと思いました。

 

 

まとめ

 

本書では順境と逆境の話など、このほかにもとても勉強になる内容が書かれています。さすが5千円札の肖像に選ばれる人物!だと思います。私も4つの貯蓄のうち、第二の貯蓄(体力:過去記事参照)と第三の貯蓄(知識:本ブログ)は実践中なので、徳の貯蓄を意識して生活していきたいと思いました。お金の貯蓄はボチボチ頑張ります(笑)

 

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不満・言い訳・ウソに逃げる人

今回は、ヘタレな自分を認めるのが怖くて、不満・いいわけ・ウソに逃げてばかりの人生を変えた感謝の威力(2023年)を読んで、保身 積水ハウス、クーデターの深層(2021年)のクーデーターを起こしたあの人のことやん!と思ったので、ご紹介します。

 

 

 

 

積水ハウス地面師事件

 

積水ハウスが地面師グループに架空取引で土地購入代金約55億円をだまし取られた事件はニュースなどで耳にしたことがある方も多いかと思います。

「保身」では、記者さんが関係者へのインタビューや、内部文書を入手したりして、地面師事件とその後のクーデターの真相を詳しく取材しています。詳細は書きませんが、当時の阿部社長が「社長案件」として通常の稟議手順を通さず、本物の所有者から内容証明郵便による忠告が何度も送られてきていたにも関わらず、土地所有者の顔確認もせず、かつ、納期を前倒しして、ペーパーカンパニーに55億円を小切手で渡してしまった詳細が書かれています。

地面師の実行犯は逮捕されていますが、多額の資金が一体どこに渡ったのか分からない状態です。通常、地面師たちはバレるのを避けるため手付金で行方をくらますそうなのですが、本件では最終的な資金の受け取りまでしているのも不可解です。

そして、当時の和田会長は地面師事件の詳細を公表すると宣言し、調査結果をもとに阿部社長を退任させようとしたところ、株主総会で自身が退任に追い込まれてしまいました。

 

 

クーデター

 

過去記事コーポレートガバナンスで学んだLIXILのクーデターは後日逆転し、社長が返り咲きましたが、積水ハウスのクーデターは成功してしまいました。

 

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また、和田会長が公表すると約束した調査結果は公表されず、地面師事件に関わった社員や和田会長に近しい人物を次々に辞任させ、社内の監視体制を強化し、自身は保身と隠蔽を続けます。企業の業績は下がっているのに、自分の役員報酬を引き上げたり、優良な自社オフィスを売って目先の収支だけを良く見せたりする様子は、プライドが高く、「ヘタレな自分を認めるのが怖くて、不満・いいわけ・ウソに逃げてばかりな人」だなと思わざるを得ませんでした。

 

 

 

現在の積水ハウスHPの役員一覧を見ると、クーデターを起こした阿部氏や稲垣氏の名前はなく、もちろん和田氏の名前もない訳ですが、日本企業の闇みたいなところを見たように思います。読み終わってもとてもモヤモヤしました。

とかく、大企業では、このような「ヘタレな自分を認めるのが怖くて、不満・いいわけ・ウソに逃げてばかりな人」が上層部にいると、ガバナンスは空理空論になってしまいますね。現在の積水ハウスは堅実で誠実な会社であればいいのですが。

 

 

「感謝」で人生が変わる

 

「感謝の威力」は、そんな「ヘタレな自分を認めるのが怖くて、不満・いいわけ・ウソに逃げてばかりだった人」が自分を見つめ直し、生き方を感謝に変えて成功した話です。

毎晩心の中で5つ感謝を唱えてから寝る、自称、感謝マイスターの私には特に新奇性を見出す内容ではなかったのですが、感謝の心を通して逃亡生活に終止符を打ち、かつ周囲の人たちと協力して成功をおさめた著者さんの改心とその努力には全力の拍手を贈りたいです。私もさらに、自分や周囲の人に感謝して生きようと思いました。

 

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まとめ

 

「不満・いいわけ・ウソに逃げてばかりな人」というのはどこにでも居ますが、基本的には無自覚さんが多いのかなと思います。若いうちはまだ良いですが、年を取ってもそのままだと、どこかでうまくいかなくなったり、苦しくなったりしますよね。自分をメタ認知する力や周囲の支え励ましてくれる人の存在が大事になるんだなと思いました。

脳内にいる4人の自分

今回は、「WHOLE BRAIN ココロが軽くなる「脳」の動かし方」(2022年)を読みました。

 

 

本書は、脳科学者(神経解剖学者)のジル・ボルト・テイラー博士が脳出血で左脳麻痺となった経験をもとに、右脳と左脳の使い方を説明した「実践書」になります。彼女の脳出血後の体験については、2008年のTEDでの講演(日本語訳付き)が見れるので、本書を読む前にはぜひ一度見てみることをお勧めします。

本書では脳の4つのキャラについて説明されていますが、説明内容がやたらと細かくテイラー博士の主観が強すぎるので、自分のこととして捉えにくい部分も否めないのですが、スピリチュアルと脳科学が融合し、かつ自分の中の奥深くまで腹落ちした感覚を得たのでご紹介します。

 

 

交連離断術患者の奇行

 

ふたつの大脳半球を分離させる「交連離断術」を受けた患者はしばらく二重人格者のようになるのだそうです。ある男性は、一方の手でズボンをおろしながら、もう片方の手ではこうとして葛藤していました。また、ある男の子は、将来の夢について尋ねられた際、右脳の人格は「大きくなったらレーシングカーのドライバーになりたいんだ」と言い、左脳の人格は「いいや、製図技師になりたいんです」と言ったのだそうです。

1人の人間であるにも関わらず、私たちは右脳と左脳で違った人格を持っているということです。テイラー博士も脳出血の際、左脳は必至に危険を伝えようとし、右脳は今この瞬間の幸福感に満たされていました。ディズニー映画のインサイド・ヘッドではないですが、私たちは常に脳内会議をしながら自分の行動を決定しているようです。

 

 

では、脳内会議のメンバーを一人ずつ紹介していきましょう。キャラ名は勝手につけていますので、悪しからず。(本書に自分で名前を付けてくださいって書いてあるんですもの!)

 

 

キャラ1:分別ある大人の京香(きょうか)

 

左脳の人間脳(新哺乳類脳)と呼ばれる大脳新皮質が担当する「思考」の分野を司ります。

 

主な役割は論理的思考で、言語を使ってものごとを考えます。私たちに自我があるのは「京香」のおかげです。「わたし」と「他人」を分けたり、「私たち」と「あの人たち」と境界線を引き、白黒はっきりさせたがります。

物事を直線的、系統的に捉え、過去や未来に基づいてものごとを考えます。優先順位をつけ、時間を管理し、計画を立てたり、分析するのが得意。違いに注目しやすく全体よりも細部が気になってしまうので、仕切りたがりで完璧主義になりやすいところがあります。

 

 

キャラ2:いつも不安な鈴(すず)

 

左脳の爬虫類脳とも呼ばれる大脳辺縁系の「感覚」を司ります。

 

 

爬虫類脳は、恐怖に敏感に反射的に反応すると言われます。偏桃体では物理的あるいは感情的な脅威を常に査定しており、過去の経験と照らし合わせ危険を判断するとアラームを鳴らして「戦うか、逃げるか、すくむか」の自動反応を作動させます。「鈴」は左脳であるため、過去のトラウマや将来の予測によっても不安が喚起されます。恐怖の化学物質は90秒で血液中から消えるため(90秒ルール)、キャラ1の「京香」が理性的に抑えることも可能です。しかし、「鈴」のアラームを無視し続けると身体的な病を引き起こす恐れがあります。

 

 

キャラ3:今を楽しむ舞蝶(あげは)

 

右脳の哺乳類原脳とも呼ばれる大脳辺縁系の「感覚」を司ります。

 

 

右脳には「わたし」と「わたし以外」を分ける境界線も、過去や未来も存在しません。「今この瞬間」についての感情を「今ここで」体験しています。テイラー博士の動画にもあったように、左脳がオフラインになると身体的境界がなくなって宇宙と一体化した感覚になり、文字はピクセルに見え、言葉は単なる音に聞こえます。

子どもは「舞蝶」全開で遊びまわります。私たちが美術品を見たり音楽を聴いて、何かが美しいと感じて心が動かされる時はキャラ3の「舞蝶」が反応しているサインです。好奇心旺盛で楽しいこと、ワクワクすることが大好きです。

 

 

キャラ4:全知全能のエネルギー結愛(ゆあ)

 

右脳の大脳新皮質が担当する「思考」の分野を司ります。


キャラ4の「結愛」は私たちが生まれたときにもっていたオリジナルの意識であり、脳と体が神経学的に機能するようになる前の宇宙の生命力であり、細胞の意識す。「結愛」は、神のような唯一の宇宙的存在と共有している自らの一部なので、本物の自己とも言えます。

「結愛」は、すべてがあるべき姿であることに心を開き、気づき、受け入れています。何かを裁くことなく、ただ自分の生きている人生を驚きをもって祝福します。そして、私たちに愛される価値があるだけでなく、私たちが愛そのものであることをほかのキャラたちに教えます

 

 

まとめ
 
本書を読んで、スピリチュアルと言われる体験や感覚は右脳が、特にキャラ4の「結愛」が担っていて、誰もが持っている脳の機能の一つなのだということが分かりました。また、キャラ3の「舞蝶」もいつもちゃんと脳内会議に参加してもらって、「今、楽しい」という気持ちを大切にしていきたいなと思いましたし、キャラ2の「鈴」にはいつも私を守ってくれてありがとうという気持ちになり涙が溢れてきました。
本書を読んで、「京香」も「鈴」も「舞蝶」も「結愛」も、みんな私でみんな大事にしたいと思え、とても温かい気持ちになりました。

チャネリングは自己対話

今回は、僕が宇宙の仲間に聞いたこと(2023年)を読みました。

 

 

チャネリングなんて自分にはできないし、特別な能力が必要なのだろうと思っていました。しかし、本書を読んでなんだかできそうな気がしてきたのでご紹介します。

 

 

宇宙は自分の中にある

 

自分の中に宇宙があり、自分は宇宙そのものなのだと著者さんは言います。私は、過去記事「セスは語る」の本の中でセスが勧めていた自分の内なる光を放出する瞑想をたまにするので、自分の中に宇宙があるというのは、実はしっくりきます。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

 

本当のチャネリングは「自分軸」の自己対話

 

ワンネスとのチャネリングでは、内なる宇宙を金色に光る「宇宙風船」の形でイメージします。

 

 

宇宙風船には心地よい光のエネルギーが満たされており、それを十分に感じた後で、このエネルギーに聞きたい質問を投げかけてみるとメッセージが何となく伝わって来るそうです。「誰でもできる透視リーディング術:光の記憶 魂の記憶を思い出す」(2016年)にもチャネリングの受け取り方は、頭に記号や言葉が浮かんだり、ひらめきのような感じで受け取ると書かれていました。何となくでも、思い浮かんだ言葉やイメージは内なる宇宙からのメッセージだと思って良さそうですね。

 

 

植物や動物と話す方法

 

動物や植物、まだ言葉を話せない赤ちゃんとチャネリングする時は、目線をそちらに向けつつ、意識は宇宙意識かハートにフォーカスすると良いということです。その状態のまま自分の内側に耳を澄まし、言葉や感覚がエネルギーとして届くそうです。

毎日植物に「おはよう」と声を掛けお水をあげていると、それを知っている宇宙の仲間たちがメッセージを送ってくることもあるそうですよ。

とにかく、自分の内側から浮かんできたメッセージをしっかりとキャッチできる感性を持っておくことが大事なのかなと思いました。

 

 

「もの」のエネルギーを読む方法

 

「もの」のエネルギーを読みたい時も、動植物と同様、目はそちらを見つめながら宇宙意識かハートにフォーカスします。そして、手のひらに光の球があると思って「もの」に触れると良いそうです。

商品がふわっと光ったり、明るいイメージを感じたらそれは高いエネルギーを持っている証拠です。それを使っている未来の自分を想像して、前向きだったり、自分がキラキラしているイメージが浮かぶのであれば是非購入すべきです。

こんまりさんも断捨離をする際は、必ずそのものに触れて、ときめくか確認してから捨てるかどうかを判断するように指導されていました。私も何か商品を買う時は、手のひらを通して送られてくるエネルギーを感じて、心が明るくなるものを買おうと思いました。

 

 

まとめ

 

チャネリングというと、一般人には無理そうと思ってしまいますが、自分の心の声に耳を傾けるというのは、瞑想をしたことのある方であればそれほど難しくは感じないのではないかと思います。どうしてもイメージを感じ取れないという人は、過去記事「ゆび輪っかテスト」みたいに体の反応に聞いてみるというのも良いですよね。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

チャネリングができるようになるには、自分を信じて、自分の中にある宇宙を信じて、心の中から出てきたエネルギーやメッセージを感じる練習を繰り返していくといいのかなと思いました。