ここ最近は「中村天風」にはまっており、関連書籍を読み漁っていました。
貴族の三男として生まれ、少年時代に殺人事件(正当防衛)を起こして、第一の師匠である頭山満に頂けられました。日清・日露戦争では軍事探偵として活躍したものの、帰国後に肺結核になり、救いを求めてアメリカ、ヨーロッパを行脚。もう諦めて日本で死のうと帰国しようとしたところ、運命的に第二の師匠であるカリアッパ師とめぐり逢いました。インドで修行し、悟りを得て、病も完治したそうです。帰国後、実業界で大成するも、一切の社会的地位を捨てて、大道説法を始め、92歳まで生きました。
結核患者は海外に行けない中、不法渡航だったそうです。また、カリアッパ師に会った時は即答でついて行ったということで、ものすごい行動力の人だと思いました。
錚々たる名前が出くるのですが、稲盛和夫は同じく結核を克服していますし、経営の神様、松下幸之助が病弱だったことは有名ですね。元プロ野球選手の広岡達朗やロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平も大きな影響を受けた人物だそうです。
今でも中村天風財団がその意思を継ぎ、普及啓発やセミナー活動を行っています。
天風哲学の中で特筆すべきは「絶対積極」という考え方だと思います。転スラの「絶対切断」とか「無限牢獄」みたいなネーミングですが、パクったのだとしたら、転スラの方です(笑)
絶対にネガティブなことを口に出さないという意味で、以下の例が分かりやすかったです。
×弱い → 〇強くない
×できない → 〇〜ならできる
×負けた → 〇今回は相手が勝った
〜つい、ネガティブワードが口に出た時〜
「は〜最悪」って昔は言ってたけど今はもうネガティブなことは言わないと決めたんだ
〜プラスポジティブ〜
今日は暑いな、元気が出る!
「言霊」とも言いますが、絶対に積極的な言葉しか出さないというのは、分かりやすいようで実践しようとするとかなり難しいことに気づきました。天風哲学では「心」と「体」を別にして考えますが、「心」が先、心が肉体の力を左右するということです。
肛門をしめて、肩の力を抜き、下腹に力を充実させた姿勢を同時に行う方法です。感情を安定させ、精神を冷静に保ち、胆力を養成するのだそうです。
カリアッパ師に師事し、ヒマラヤの雪解け水が流れる冷たい川で修行している時に得た方法で、クンバハカとは、ヨガの用法で「止息」と訳されます。この修行中、天風自身は肺結核に体が蝕まれていた状態なので、かなり辛い修行だったのではないかと想像されます。私も含め、温室で育った今の若い子には到底できない修行ではないでしょうか…。
ストレスを受けるような場面で瞬時に使えるよう、毎日意識して練習したいです。できれば、「全集中常中」(鬼滅の刃より)のように。
潜在意識を味方につける方法として、寝る前に鏡を見て、自分の眉間に集中しながら「お前は~になる」と真剣に、深く命令を行い(1回でOK)、翌朝目覚めたら「お前は~になった」と断定する(完全に願いが実現したという気持ちで行う)という方法を指導されているそうです。
ルイーズヘイのアファメーションのようだと思いましたが、英語の翻訳で心にはいまいち入ってこない言葉よりも、効果があるのではないかと感じました。
また、翌朝断定するというのも気持ちがいいな、上がるなと思います。
実際にやってみようと思ったのですが、自分は今後どのような自分になりたいのか、考えがまとまらず、まずはそこからでした。紙に書いて、鏡に貼ったら毎日できそうですよね。
病を克服する方法は、「病を忘れること」なのだそうです。人間の魂には無限の力があり、それを信じること、心を積極的に保つことが大事だということでした。
天風哲学は自己啓発的でもありスピリチュアル的な面もありました。競馬で勝ち馬を的中させたり、誰からの電話かを当てたり、超能力のようなエピソードもあって、夢中で読んでしまいました。なぜ今まで出会わなかったのだろう、今この本に出会えたのは何か意味がかるのかな?と思ってしまいます。