歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

ローランド哲学

今回は、俺か、俺以外か。ローランドという生き方(2019年)を読みました。

 

 

私はテレビを見ないので、どこのどなたか知らなかったのですが、ホスト界の帝王と呼ばれる人だそうです。

 

 

彼の名言が面白くて、勉強になったので、私の気に入ったものをまとめたいと思います。

 

 

世の中には二種類の男しかいない。俺か、俺以外か。

 

本書のタイトルにもなっている言葉ですね。この言葉は、実は幼少期から使っていたそうです。自分は特別な人間だと感じ、どこにも属さないし属したくないと心から願う一方で、「俺以外」として生きるほうが何倍も楽だろうとも述べています。

唯一無二の「俺」でいるために、めちゃくちゃ努力されている方だということが分かりました。

 

 

多ければ正しいとは限らない

 

彼は大学に進学したものの、入学式を最後に退学届けを出し、歌舞伎町でホストになりました。

彼の父親もまた、小学校の担任から給食を残すことを電話で指摘された際に、

「好き嫌いが多い?なんでも好きだとか、どっちでもいいって言う人間の好きという言葉に、いったいなんの価値がありますか?嫌いなものを、しっかりと嫌いと言えない男にはなるな。そう教えています」

と言い返したのだそうです。この親にしてこの子ありですね。

 

自分ではない誰かの意見に流されるのではなく、常識を疑い、自分の頭で考えるということが大事だということだと思いました。

 

 

ジャージばかり着ていたら、ジャージが似合う人間になっていく

 

これは分かりますよね!

彼はタキシードにはかなりのこだわりがあるそうで、イギリスの名店ハンツマンのビスポークのものを着ているそうです。「タキシードをカッコよく着られない男は、男じゃねえ」とも述べており、なりたい自分になれということだと思いました。彼は、「自信を持てとは言わない。自信のあるふりをしな!」とも言っています。

 

 

女性で言うなら、高いヒールといったところでしょうか…。私もヒールの似合う素敵な女性になりたいのですが、高いヒールを履くと小鹿のようになるので、、、これから練習しますw。毎日お化粧して、自信に満ち溢れたイイ女のフリをしましょう。

 

 

俺も好きだよ

 

 

彼は女性から「貴方のことが好き」と言われるたびに「俺も好きだよ!」と答えていたそうです。

そう、「俺も(ローランドのことが)好きだよ」という意味で(笑)

 

 

貴方はそんな親からもらった大事な髪の毛、ほとんどなくしているじゃありませんか?

 

これは、正月に親戚一同が集まった際に、酔った親戚の一人から「金髪にすることは、親にもらった髪の毛を粗末に扱う行為だ」「親の育て方が悪い」と両親をもバカにされた時に返した言葉です。

彼はトレードマークとも言えるブロンドのロングヘアに並々ならぬこだわりがあるようで、トリートメントも3日で1本使ってしまうのだとか…。

なお、この発言はめっちゃウケたそうです。このような臨機応変なユーモアは高校生時代(体育コースでサッカー漬けだった)に培ったということでした。

 

嫌味をユーモアで返すセンス、私も欲しいです。

 

 

まとめ

 

本書を読んで、どんな仕事でも、理念を持ち、未来の姿をありありとイメージすることが大事だなと思いました。大学を辞める時も、ホストの下積みで辛い時も、ローランドは「自分はどう生きたいのか?」と自分に問い、自分中心で生きてきたということがよく分かりました。

「これまでの嫌な人との出会いや辛かった経験に心から感謝できる日が来る」というのは、まるで修行を積んだ僧侶のようです。このような人物だから、憧れる人も多いんだろうなと思いました。真似はできないけど、かっこいい生き方だなぁと思います。

 

考えるということ

今回は、 はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内(2004年)を読みました。

 

 

本ブログでは何度も「自分の頭で考えること」が大事だと学んできましたが、哲学的に「考える」ということについて学んだので、まとめたいと思います。

 

 

習慣的な結びつきの網

 

毎日見ているもの、例えば「コップ」を見た時に飲み物を入れるものだということは無意識で結びついているだけで、それを「考えている」とは言えませんよね。「考える」というのは、そのような習慣的に結びついているものの網の目から出ていくことだと本書では述べられています。

「あの子のことをいつも考えている」と言う時、何でも「あの子」に関係づけてしまって、習慣的な網の目から出ている状態 (普通なら考えもしないことを考えている)が「考える」ということになります。

 

 

問いの逆説

 

教師は答えを知っているから、問題をうまく作れる。逆に、答えを知らず、答えの方向もわからない人には、うまく問題が立てられない。だけど問題がうまく立てられていないと、うまく答えることもできない。

じゃあ、答えが分かる前に、どうやって問題を立てればいいのか?

これが問いの逆説だ。

全ての問題が逆説に晒されている訳ではないものの、「考える」ことを要求するような問題は逆説を引き受けることになります。例えば、「夜空はなぜ暗いのか」は「光の強さは距離の2乗に反比例して弱くなること」を知っていて初めて問いにすることができますし、「宇宙が膨張していること」を知っていないと答えには辿り着けません。

つまり、問いは無知や無秩序から生じるのではなく、色々な知識があって、色々な理論を知っているからこそ生じます学べば学ぶほど、沢山のことを、より深く問えるようになるということですね。

 

 

論理の正体

 

本書では、論理は考えないためにあるのだと説明しています。

論理は前提から結論を導く道筋です。しかし、論理の正しさと前提と結論の正しさは別ものです。例えば、「魚は水中を泳ぐ、ラッコは水中を泳ぐ、だから、ラッコは魚だ」とはなりませんよね。

論理的な結論というのは、前提をきちんと読んで、はっきりしない部分があれば問い正さなくてはいけません。論理の正しさをチェックするには前提の意味をはっきりさせなくてはいけないということです。「ことばの意味をきちんととらえる」というのが、論理というやつの正体だということでした。

正しい言葉を知らなければ、論理の確かさをチェックすることすらできない、ということは、「何に対しても自分で考える」か、「何も考えない」のどちらかということになっていまいますね。

 

 

常識たち

 

また、常識というのは、ある範囲のひとたちに共通の、とりたてて言う必要もないほど当たり前の知識であり、普遍的な「常識」などはありません。常識は無数に存在します。本書ではR1というロボットの実験を用いて、ロボットにはいかに常識がないかを説明していました。

常識は、何かを考えようと思った時の足場となります。常識を疑うとは、時には自分の足場も疑うことで軽やかに踊るように考えを巡らし、考えを飛躍させることです。

 

 

考えるということ

 

「考える」というのは、

観察する。推論する。そうして手にしたものを書き出してみる。それをいくつかの仕方で整理する。組み替えてみる。聞いてもらう。そして、言いたいことを無責任に言い合ってみる。

そんなふうにして、問いを巡って、いろんなものをつめこんで、ゆさぶりをかける。

という手順になるのですが、ここからつめこんだものをいったん空っぽにしなければいけないと著者さんは述べます。そう。はじめて考えるときのようにです。つめこんだままでは、つめこんだものしか出てこないそうです。

 

過去記事「無意識思考」でもあったように、度忘れてリラックスすることが「考える」ということだということでした。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

 

まとめ

 

「自分の頭で考える」ためには、様々な立場における常識(常識たち)を知っていて、その分野の知識をできるだけ多く持ち、言葉を正しく理解する(論理の前提が正しいのか判断できる)力が必要であるということが分かりました。

過去記事「子どもたちの国語力が危ない」のことが頭をよぎります。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

善悪という怪物(2021年)では、善悪という二元論への無意識的判断や錯覚、善悪が複雑化した時に起きる「思考停止」についてとても興味深い内容だったのですが、私たちが「思考停止」しないためにも、本を読むこと、知識を増やすことってやっぱり大事だなと思いました。

 

 

ジェイ・エイブラハム

今回は、限界はあなたの頭の中にしかない 小さなアクションで、最大の成果を引き寄せる」(2015年)を読みました。

 

 

本書は、マーケティングの巨匠と呼ばれるジェイ・エイブラハムが日本人向けに書いた(インタビューを本にした?)ものです。そう、本ブログでも何度も出てくるハイパワーマーケティング」のジェイ・エイブラハムです。

 

 

彼の貧しい時代や松下幸之助をリスペクトしていたことなど、彼のマーケティングに関する哲学をまとめておきたいと思います。

 

 

絶望からのスタート

 

高校生だったジェイ・エイブラハムは、卒業したその日にガールフレンドから妊娠したと告げられます。学歴も仕事もないまま結婚し、子どもを育てることになりますが、注意欠陥障害により集中力がないという理由で職場をクビになってしまいます。

20歳になる頃には2人の子どもを抱え、仕事を掛け持ちし、単純労働を繰り返すだけの人生になっていたそうです。

 

彼は、「私には学歴も、チャンスも、技術もない。未来なんてない。私の人生はもう完全に終わっている」と、そう思っていました。

 

 

偉大な人から学ぶ

 

しかし、「君がおしまいだと思い込んでいるから、おしまいなだけだよ。君の人生は本当は無限大なんだからね」と言われ、自分に限界を課しているのは自分自身だと気づきます。それから、古書店で辞書を買い、言葉を学び、多数の本を読んだそうです。

 

彼は読者に伝記を読むよう勧めます

人物伝というものは、単にその人を知るというだけではなく、その人がどのように意義深いものを人生において創出し、影響を与えていくかという信念体系や行動についての理解を助けてくれます。

彼は、ガンジー松下幸之助の伝記を読み感動したと同時に、ビジョンを持ち、そのビジョンを実現化させる方法や信念を貫くことの重要性について学びました。

マーケティングの前に「理念」が重要なのだと強調します。

 

 

「人間」を知る

 

そして、ビジネスで重要なのは「人間」を知ることだと述べます。しっかりと顧客の目を見て、相手の話を理解しようと集中し、不明瞭な点は質問をしたり、詳しく知りたい内容は聞き返します。つまり「傾聴」ですね。

すると、その人の言葉にできないジレンマを見抜くことができるようになるそうです。言葉にできない不安や想いを言語化することで、大きな信頼を得ることにつながります。

 

あれ?これって、コーチングの手法ですね。

誰も皆、自分のことをいちばんに考え、自分の立場からしか世の中を見ていないというのは、人間の本質です。消費者には一人ひとり、感情の揺れ動きがあり、悩みがあり、人生があるということを理解しない限り、マーケティングはできないのだというのが彼の信念であると言えます。

 

 

 

そして、マーケティングの枝葉である手法だけが取り上げられ、それが一人歩きを始めてしまっている近年の間違ったマーケティングに彼は苦言を呈します。理念も説明も抜け落ちた、ただの手法だけが拡まり、マーケティングは死んだとすら彼は表現しています。

心から感情移入し、取引相手が何を理解し、尊敬し、どう世の中を見ているかを理解すること、お客様が言葉では表現しきれない隠れた要望や懸念を見つけだし、解決すること、その視点に立脚して初めて、マーケティングは正しく機能するのだと述べます。

間違ったマーケティングで一時的に大金や力を得たとしても、待っているのは相応のしっぺ返しだそうですよ。

 

 

まとめ

 

確かに、マーケティングに関する本にはよくジェイ・エイブラハムのことが引用されていますが、枝葉のテクニック部分ばかりだよねとも思います。かく言う私も、最初に「ハイパワーマーケティング」を読んだ時は、これ、好きじゃないなという印象でした。

しかし、彼自身のマーケティング哲学は理念が第一で、傾聴から顧客のジレンマを発見し、それを解消するようなサービスを展開する、人々に少しでも良い人生を送ってもらうための手助けをするものだということが分かりました。

松下幸之助の生き方同様、私も信念や理念をもって誠実に生きたいと思いました。

 

受動意識仮説

今回は、僕という心理実験~うまくいかないのは、あなたのせいじゃない~(2022年)を読みました。

 

 

本書は、過去記事「意志はどこにあるのか?」の心理学的決定論について書かれた著者さんと同じ方です。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

この著者さん、大学にお勤めの心理学者さんということなのですが、専門書や哲学書だけでなく、マンガ、ゲーム、アニメ、映画、ドラマ、YouTube、プロレスなど様々なことを話の中で引用してくるので、私には面白くてたまりません。
※「鬼滅の刃」で無残以外は元は人間だと書かれていましたが、無残ももともと人間(病弱)ですから!

本当に好き勝手に書いている感じなのですが、研究に裏付けされた考えさせられる内容もあり、「心理学的決定論」の考え方をゴリゴリに勧めてくる訳ではなく、こういう考え方もあるよね?と語りかけてくる感じが、構成主義の私にはとても好きなところです。

特に面白かった「受動意識仮説」「自己情報を残すこと」についてまとめたいと思います。

 

 

受動意識仮説

 

慶應義塾大学の前野隆司教授が提唱している仮説です。脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説という本があるようですが、電子書籍がなく残念ですね…。

 

 

YouTube慶應義塾チャンネルには1時間半の講義動画もありますので、詳しく知りたい音派の人はそちらでも良いかも知れません。

 

さて、受動意識仮説とは、「人間は「知覚・記憶・私」の順序で心を発達させた」というもので、

  1. 生存競争の中で敵か味方かを判別するため、外界の情報を的確に見定めるための「知覚」が必要になった。
  2. 知覚した敵(例えば赤色)から効果的に逃げるためには過去の赤色の敵と今目の前にいる赤い存在とを比較照合すること、つまり「記憶」が必要になった。
  3. エピソード記憶(「私は昨日赤い敵に襲われた」という自分を軸にした記憶)を持つためには軸となる主人公が必要だった。

というものです。

 

生存競争、進化の過程で「私」という人格が必要になり、「私」が人格を持つと、「私」と「私以外」が「私たち」と「私たち以外」になって争い、戦争を起こしているってことですよね。

一気に目が覚めるような話です。

 

 

中動態

 

昔、人類の言語には能動態と受動態との中間である中動態といいうる表現方法があった、つまり、「する」と「される」の中間、どちらでもありどちらでもない、そんな言語表現があったのだそうです。

日本語は特に主語や主体、受動・能動が漠然とした表現が好まれ、用いられてきました。正岡子規の「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」や、川端康成の「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」などがそうです。

 

著者さんは

民主主義の徹底と、肥大化し過ぎた自由意志はやがて中動態という言語表現をロストさせた。

と述べており、「私」と「私以外」の境界線は今ほど明確ではなかった時代もあったようです。

 

 

自己情報を残す

 

この世に存在する全てのものは「自身の情報を増やすこと」「自己の情報をできるだけ失わないようにすること」を宿命づけられている。

 

 

情報としての自分を残す方法は、誰か他者の脳の中に情報としての自己のコピーを残すことでした。そして、より多くの人の脳に残る方法として芸術が、誰か一人の人の脳に残る方法としてが生まれました。

社会脳仮説では、人間同士の脳の中の情報のやりとりによって、進化し脳を肥大化させたといわれているそうです。自分の脳内に他者のコピーを取り、他者の脳内に自分のコピーを取ってもらうよう働きかけること(芸術や愛)の副産物として認知能力が向上し、大きい脳を獲得したのではないだろうかということでした。

 

 

愛とは

 

そうだとすると、愛とは情報の維持を促進するために作られたものということになります。つまり、「愛してる」がわからない命などないとすら言えます。

著者さんは教育虐待と言っても良いような環境で育ち、精神を病んだ経験も本書で語っています。

弱い者は、内側の愛を確認するために他者を傷つける。忘れているだけだということに気づきさえすれば、他者を実験せずに済んだのに。

 

 

まとめ

 

なぜ人間はここまで知能を発達させたのだろうか?というのはずっと疑問だったのですが、本書を読んで受動意識仮説がすとんと腹落ちしました。

お釈迦さまは自我は存在しない「空」であると教えていますが、受動意識仮説が正しいとすると、まさにその通りでした。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

愛を確認しようとするのは人間の宿命で、「私」と「私以外」に境界線を引くから苦悩が生まれるということがよくわかりました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

本書でも引用されていましたが、上野千鶴子先生の言う社会的弱者が弱者のまま尊重される社会」を私も目指していきたいと思いました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

健康に良いサプリの選び方

今回は、服用危険 飲むと寿命が縮む薬・サプリ―疲れ、息切れ、めまい、不眠、物忘れ(2018年)を読みました。

 

 

ちょうど最近「紅麹サプリ」が問題になっていましたね。私は産後からプロテインとサプリを服用しているのですが、これからのサプリ選びについて考えたのでご紹介します。

 

 

サプリの副作用

 

歳を取ると、体の代謝能力がどうしても落ちますね。そのため、若い頃よりも体内に薬の成分が残り続けます。そして、体内の水分量も減ってしまうために、水に溶けるタイプの薬はうまく処理できずに体内に長くとどまります。さらに、肝臓と腎臓の機能も落ちますので、体外への排出に時間がかかってしまいます。

サプリや健康食品の臨床試験は若い人で行われており、医薬品に比べ審査もゆるいので、特に高齢者では思わぬ副作用に見舞われる可能性があるということを知っておくべきだと思いました。謳われている効果効能を盲信してはいけませんね。

 

 

9割9分は効果なし

 

本書によると、ほとんど全てのサプリや健康食品には効果がないそうです。論文を引用しながら具体的に挙げられていますが、私がこれまで良いと信じていたものをピックアップして整理しておきます。

 

マルチビタミン

マルチビタミンには目立ったメリットが確認されていないのだそうです。そればかりか、60才以上の女性が毎日のようにマルチビタミンを飲み続けた場合、心疾患や癌などの病気で死ぬ確率が上がったという研究もあるそうで、

  1. マルチビタミンはかなりの確率で意味がない
  2. マルチビタミンで人体に害が出る可能性も否定できない

というのが今現在言えるところだそうです。

マルチビタミンを買うお金を新鮮な野菜に使ったらどうでしょう?」と言われては、ぐうの音も出ません。

 

ビタミンC

ビタミンCと言えば過去記事「知りたいことは筋肉に聞け!」でも身体にいいと無意識にもジャッジされるビタミンですが、

  1. 一般人がビタミンCをいくら飲んでも風邪は予防できない
  2. アスリートならビタミンCは風邪の予防に使える

ということだそうです。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

さらに、白内障のリスクが上がるという研究もあり、ビタミンCが「アスコルビン酸」という酸の一種であることから、虫歯のリスクも高まるということでした。

 

ビタミンCがフリーラジカル(有害性の高い物質)に変わってしまうというのが白内障の原因だと考えられているそうです。

あ、虫歯に関しては、カプセルで飲めば問題ないですよ。

 

フィッシュオイル

オメガ3、DHA、EPAなど身体に良さそうですし、研究成果もたくさんあったような気がしますが、心臓や血管に問題がない人にはフィッシュオイルは無意味なのだそうです。さらに、フィッシュオイルは酸化しやすく、酸化した脂質は心疾患のリスク要因になります。

アメリカで販売されている人気のフィッシュオイルを3つ選び、どれぐらい酸化しているかを調べたところ、すべてのフィッシュオイルが安全の基準値を大幅に超えて酸化していたという研究もあるそうです。わざわざ高いお金を出してフィッシュオイルを買うよりも、サバ缶食べろということでした。

 

 

マウスウォッシュの健康被害

 

太り気味の男女1200人を3年間追跡調査した研究では、マウスウォッシュを1日に2回以上使う人は糖尿病のリスクが55%もアップしたそうです。理由としては、口の中の良い菌が死んでしまうためだということでした。

 

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私はリステリン愛好家なのですが、殺菌効果はマウスウォッシュの中でも一番ではないかと思っています。朝晩毎日使うのではなく、歯ぐきが腫れた時、ピンポイントで歯ブラシにつけて殺菌するのがいいですね。使用頻度はこれまでも週1回程度だったので、まぁ、問題なさそうかなと思いました。

 

 

健康ために本当に必要なこと

 

良いと思っていたサプリがダメとなると、じゃあどうすればいいの?ということになりますが、健康のために本当に必要なこと(これまでの研究で分かっていること)は、以下の3つだそうです。

 

  1. 身近な人たちとの親密な人間関係
  2. 野菜を中心に、良い肉と魚を選び、できるだけ自然のままの食事をする(✖️加工食品)
  3. 毎日8,000~10,000歩のウォーキング

 

はい、知ってます(笑)

 

 

まとめ

 

産後、授乳も加わりボロボロになった身体を救ってくれたのは、間違いなくサプリとプロテインだったので、これだけ読んでもダメなものだとは思いません。栄養不足時はむしろサプリを飲むべきですね。一方、体調が回復した今でも飲んでいるのは、意味がないと分かったので体調を見ながら減らしてみようと思います。

過去記事「錯視では無意識をだませない」でもあったように、研究結果というのは万人に効果がある(有意差がみられた)というものであって、赤い服を着ても特定の人を落とせるわけでは無いんですよね。

 

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つまり、遺伝とか腸内環境とか諸々の要因で、一般的には効果がないが自分には合っているというサプリ等もある訳で、それこそ自分の筋肉に聞いて、体と相談しながら選びたいと思いました。

 

スマホとどう生きるか

今回は、スマホの5分で人生は変わる(2016年)を読み、自分のスマホの使い方を見直そうと思ったので、ご紹介します。

 

 

スマホの依存性

 

スマホの依存性については2章を使って十分過ぎるほど説明されています。人は接触頻度が高いほど、その対象に心を奪われていくそうで、アクセスしやすいスマホはパチンコよりも依存しやすいと言えます。

短い時間でも一日に何度も体験させることで相対量で大量のドーパミンが溜まるようなサービスをゲームやSNSYouTubeなどは競って提供しているということでした。

私もスマホゲームにはまっていた時があるので、とてもよく分かります。イベントや報酬をもらえないと損だと思ってしまう、それが依存状態を引き寄せているということですよね。子育て中にスマホゲームをしているようなお父さんは、是非本書を読んで、自分が依存状態に陥っていることを自覚してほしいですね。

 

 

やめられない理由

 

さらに、以下の3つの理由で人はその生活をやめられないのだと指摘します。

  1. そもそも問題視していない
  2. 「自分がコントロールしている」と思っている
  3. 「正当な理由がある」と思い込んでいる

特に2,3は思い込んでいる限り問題視することがないため、1から対処していく必要があります。

「そもそも問題視していない」というのは、「体重計に乗っていないデブ」であり、どれだけの不毛な時間を費やしているのかを可視化してみる必要があると説きます。

 

iPhoneであれば、スクリーンタイムを表示してくれるので、何に何時間費やしているのか一目瞭然ですね。ここは言い訳せずにどれだけ無駄な時間を過ごしているのかを直視しないといけません。しかし、著者さんもスマホが一概に悪いとは言っていませんよ。

 

 

成功者の時間術

 

成功する人は「教育」に時間とお金を投資し続け、成功しない人は「娯楽」に時間とお金を浪費し続けるのだそうです。つまり、成功者はスマホの使い方も違うということです。成功者は、1日24時間のうち自分の使った時間に対してどれだけの対価が得られるかを常に意識しているそうです。1日をビンに例えて時間の使い方を考えさせる、アレですね。

「今使っている時間をどう活用すれば、自分の未来がもっと良くなるだろうか?」

ということを自分に問うことが第一歩になります。そして、ゲームではなく、そのような未来につながるアプリを入れることで効果的にスマホを使うことができます。

 

また、体調が悪くなるとやりたいこともできなくなります。睡眠やフィットネスなど、健康につながるアプリも是非入れておきたいですね。

 

 

自己成長につながるか

 

では、どのようなアプリを選ぶと良いかというと、これは一人ひとり人生の目標や目的が異なるため、一概には言えません。しかし、そのアプリを使って自分の成長につながったか?は一つの目安になります。そのようなアプリは是非、トップ画面に置きましょう。

 

また、1週間に1回か最低でも1か月に1回は自分のスマホに入っているアプリを見直すことが大事なのだそうです。スマホを整理する時の手順は、以下の通りです。

  1. 人生の質を向上させるものはトップページに置く
  2. 娯楽系はフォルダにまとめて、アクセスしにくい場所に置く
  3. 1か月以上使わないものは削除する

 

早速、私もスマホを整理してみました。無駄に時間を使ってしまうSNSをフォルダーに入れて、トップページから最後のページに移動させたら、気にならなくなりました!すごくイイです。また、通知が多いアプリは通知をOFFにするのもイイですよ。

 

 

夢をかなえるスマホ

 

毎日見るスマホだからこそ、そこに自分の目標や実現したい夢を可視化することで現実に近づきます。過去記事私の宝地図スマホに作ろうということです。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

本書では、linoというアプリが紹介されていましたが、ダウンロードしたものの何度も落ちてログインすらできないので諦めました…。ちょっと古い本だったので仕方ないですね。もっといいアプリが出ていることと思いますので、探してみたいと思います。

 

 

まとめ

 

多分もう、スマホ無しの生活は戻ってこないと思います。それだけ生活の中に浸透してしまったということですね。どうせスマホを使うのなら、人生を良いものにして、夢をかなえられるスマホにしたいと思いました。

また、本書が書かれた以降も便利なアプリが沢山開発されていますよね。例えば、思いついたアイディアをアウトプットするのは、AppleWatchに吹き込むことで文字おこししてくれるアプリ(Notta)が便利でよく使っています。SNSで見かけた、AIと会話できるCotomoも会話の精度が高くてとてもびっくりしました。最新のアプリにも注目しつつ、自分のスマホを夢をかなえるツールにしていきたいです。

 

吉田松陰の教育法

今回は、吉田松陰 松下村塾 人の育て方ーリーダーは教えない。(2016年)を読みました。

 

 

 

Wikipediaには、

江戸時代後期の日本の武士(長州藩士)、思想家、教育者。山鹿流兵学師範。明治維新の精神的指導者・理論者。「松下村塾」で明治維新で活躍した志士に大きな影響を与えた。

と書いてあり、 [新訳]留魂録 吉田松陰の「死生観」(2011年)を読んでもとても筆まめで、実直で、熱い志を持った人物という印象を持ちました。

 

 

日本中を旅して海外情勢や様々な学問を学び、野山獄に投獄されてからは1年2カ月間に600冊におよぶ本を読破したという、とにかく勉強家です。入獄して半年頃から、獄中の希望者を集めて「孟子」の講義を始めたということで、過去記事キャプテン・クランチかと思いました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

 

 

吉田松陰と言えば松下村塾ですが、叔父の玉木文之進が自宅で私塾を開いたのが始まりであり、吉田松陰が教えたのはわずか2年10ヶ月だそうです。松陰は松下村塾久坂玄瑞高杉晋作伊藤博文吉田稔麿入江九一前原一誠品川弥二郎山田顕義、野村靖、渡辺蒿蔵、河北義次郎などの面々を教育しており、日本が欧米から植民地化されなかったのは、松陰の師弟らによると言っても過言がありませんね。

松陰神社松下村塾を模した建物)

 

7つの特徴

 

本書では、松下村塾の教育法を7つにまとめていましたので、整理したいと思います。(著者さんの思い入れが強すぎて、ちょっと長文だったのでだいぶ端折りました笑)

 

  1. 生涯学習
    師の亡き後も寄り集まって学習会を持続させています。

  2. 「師弟同行」
    師弟がともに学び合うというのが村塾の基本姿勢でした。松陰は、リーダーたるものには「ノーブリス・オブリージュ(高い身分の保持に伴う義務)」を求め、自らを厳しく律したそうです。

  3. グループ議論
    松陰は、熱弁をふるって講義をする日もありましたが、答えの見つかりにくい課題を数人で討議させたり、難しい問題への対応を数人の弟子を指名して一緒に取り組ませたりもしました。議論を通じて、グループでやり遂げられることを体得させたそうです。

  4. 草莽崛起の思想
    封建時代の身分制度を否定し、庶民の力を高く評価するを根付かせました。時代を改革するのは支配層ではなく、庶民であるという思想は、高杉晋作の創設した奇兵隊(農民や百姓を含む日本初の民兵組織)へと繋がりました。

  5. 若者を育てる
    若者の自立を辛抱強く待つという基本的な方針が村塾にはありました。松陰は、人材を育てるには忍耐と寛容さが必要であるということをわきまえており、頑固な高杉晋作と理性的な久坂玄瑞を切磋琢磨し合う関係に導きました。

  6. 教養の上の専門性
    専門性を高めるためには、基礎を形成することが大切だということが認識されていました。松陰は、専門分野の儒学兵学だけでなく、文学、洋学、国際関係など、多様な知識の習得に努めていたそうです。

  7. 現場実践主義
    現実にふれ、情報と実践を重視するという心がまえがありました。松陰は、入塾してきた青年に目的を聞き、「書物を読めるようになりたい」と答えた時は、「それでは学者になってしまいます。学者になってはなりません。人間は実行が第一。書物などは、世間の仕事をよくやっていれば、自然と読めるようになるものです」と語ったそうです。

 

「智にして行を廃するは真の知にあらず、行にして知を廃するは実の行にあらず」ということで、学ぶこと、実践することの両方が重要なことであり、知行合一つまり、「知」は「行」の一部で合って分けることはできないというのは、これまでも学んできたことだよねと思いました。

 

 

まとめ

 

色々な書籍の中で日本の詰め込み教育が良くない、入試が良くないと言われますが、私も知識教育は好きではありません。歯科衛生士の教育というのも基本的な知識がやっぱり必要で、講義をしなければならないという部分もあるのですが、私自身は構成主義の人間なので(過去記事参照)、授業では自分達で気づくことを第一にしていました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

とりわけ近年は「答え」を聞いてくる学生が多いので、例えば、アルジネート印象が上手くできないと言ってきた学生に対し、「あなたはどうすれば上手くできる思う?」と返していたのですが、学生からするとうざい教員だったのかも知れませんね。

 

吉田松陰は日本各地に赴いて、知識人と議論を交わして歩きましたが、松下村塾での教育も議論を中心に、自分で考える力を育てていたのだということがよく分かりました。今も昔も、「自分で考える力」が大事なのだと再認識しました。

 

YouTuberはあきらめない

今回は、YouTube大全 6ヶ月でチャンネル登録者数を10万人にする方法(2023年)を読みました。

 

動画を作るのも好きなので、YouTuberちょっと興味あります。

 

 

YouTubeが求める動画

 

YouTubeアルゴリズムでは、「平均視聴率」×「再生数」×「動画の長さ」で評価されるのだそうです。また、チャンネル内を周回したり、他のチャンネルや関連動画を行き来する、コメント欄でコミュニケーションが活発に行われているというのも評価が高まると言うことでした。

逆に、サムネイルと動画の中身が関連なかったり、投稿が止まってるチャンネルなどは評価が下がります。

 

YouTuberというのはYouTubeの基本仕様については熟知していないといけないんだと分かりました。

 

 

登録者数が多ければ良いという訳ではない

 

チャンネル登録者が10万人を達成するとシルバー、100万人でゴールドの盾が届くというのは見たことがありますが、登録者数が多ければ人気のチャンネルという訳ではないそうです。



登録者数に比べて再生回数少ない、例えば、登録者数100万人のチャンネルの動画再生率が70%以上、つまり毎回70万回以上再生されていれば、勢いがあるチャンネルと言えますが、10%しかないならもうオワコンです。1000人のチャンネルの動画が100万回再生していたら、それは間違いなくバズっている大ヒット動画なので、真似したり参考にしたりしましょうということでした。

 

アナリティクスの数字をいつもチェックして、分析することが大事なんですね。

 

 

バズワードを検索する

 

また、バズっている動画のキーワードやvidIQで調べたタグ、Googleトレンドなどを使ってキーワードを100個集めると、バズる動画を作るヒントになるそうです。同じ分野のチャンネル、同じ視聴者層のいるチャンネルなど常にキーワードを集め、トレンドに乗り遅れないようにします。

動画のネタに困ったときはキーワードを掛け合わせることで新しいアイディアが生まれるかもしれません。

 

バズワードを集めるのは日常の習慣にしてしまう必要があるようです。

 

 

毎日投稿する

 

一番最初に用意しなければいけないのは、自己紹介動画です。投稿動画のリンクに貼ることで、YouTubeからの評価が高まるのだそうです。そして、半年で登録者数を増やしたいのなら、毎日の投稿か2日に1回投稿が必要ということでした。

噂には聞いたことがありましたが、毎日投稿するとなると始める時にはストックもある程度必要だし、継続して続けるためのネタを持っておくのは大変なことだなと思いました。

 

また、最初の30本は色々やってみて、バズった動画からの横展開で登録者数を増やしていくと良いのだそうです。逆に、30本色々やってみて、全くバズらないのなら、諦めた方が…というのもシビアですね。

 

 

とにかくあきらめない

 

本書には具体的に登録者数を増やす方法がてんこ盛りだったのですが、結局のところ「あきらめない」ことが一番なのかなと思いました。PDCAサイクルを回して、バズっている動画を分析して、トレンドをリサーチして、戦略を立てて質の良い動画を作る。本当に並々ならぬ努力が必要で、色々やってみて、いけるところを見極めて注力するというのは、起業と全く一緒だなと思いました。

 

まとめ

 

子どもの将来なりたい職業の上位にユーチューバーがありますが、YouTubeだけで収益を得るのではなく、ビジネスに使っていくというのが流れなのかなと思いました。本書の後半には海外展開について書いてあり、翻訳や字幕も簡単になっているので、ますます厳しい競争になっていくのかも知れません。ユーチューバーになるには、自分はプロとして絶対にやり抜くという覚悟が必要ですね。

 

聴衆を魅了する話し方

今回は、パブリック・スピーキング 最強の教科書(2018年)を読みました。

 

 

私も教員を10年以上していますので、人前で話すことにはある程度慣れているつもりでしたが、よく考えると50名かせいぜい100名を前に話す程度で、著者さんのような5,000人規模の講演会なんて経験ないな〜すごいなぁと思いながら読んでいました。

 

無関心どころか聴衆の全員が「最初から敵」という状態でも話した後には聴衆を魅了し熱い一体感と感動の渦に包まれてしまうという「パブリック・スピーキング」のテクニックの中で、自分も取り入れたいなと思った部分をまとめたいと思います。

 

 

 

スピーキングの本なのに、最初に書かれていたのはマーケティングでした。USP(Unique Selling Proposition)が出てきて、ハイパワーマーケティングやん!と思ったら、最後の方はジェイ・エイブラハム大学の話で占められており、やっぱりねと思いました。

 

 

USPとは、自社の商品やサービスが持つ独自の価値を端的に表現したもので、キャッチフレーズのようなものです。「ドミノピザ」の「ホットでフレッシュなピザを 30 分以内にお届けします。もし、30分以上かかったらピザの料金は頂きません」などです。

 

まずは集客するための準備が大事だということですね。

 

 

完璧な導入

 

5,000人規模のセミナーを成功させる9つのステップのうち、セミナーが開始してからのテクニックは手順通りにできるようになりたいなと思いましたのでご紹介します。

 

  1. スキャン
    ステージに立ったらまず周囲をぐるりと見渡します
    。ゆっくりと歩いて、一人ひとりと目を合わせるようにすると良いそうです。
  2. エンロールクエスチョン
    最初に講座に関連した問いを聴衆に投げかけます。
  3. 感謝を伝える
    今日会場に来てくれたことに対しての「ありがとう」を心から伝えます。
  4. 名前を名乗り、講座名を言う
  5. ゴールを語る
    今回のセミナーやイベントにどんな価値があるのかを説明します。明日の朝にはどんな未来が待っているのかを簡単な言葉で伝えます。
  6. コール&レスポンス
    「それを知りたくないですか?」と聞いてみて、「ぜひ知りたい」と返したら、「では、これからそのお話をします」という具合に、話をする権利を得ることで、聴衆の聴く態勢を整えます。

 

TEDで見たことある感じの、アメリカのスピーカーみたいだなと思いました。どれも難しいことではないので、お作法として覚えておいても損はないと思いました。

 

 

ジャケットを脱ぐ

 

「ゲイン・ロス効果」とは、最初に抱いたイメージや印象に対してその後のギャップが大きければ大きいほど、相手に大きなインパクトを与えられるというものです。途中でジャケットを脱ぎ、ラフなスタイルになることで聴衆の脳に混乱を起こし、話にのめり込ませてしまうのだそうです。



簡単な方法なので、是非覚えておきたいです。イメージのギャップが大事だということなので、女性なら途中で髪を下ろしたりしても良いかもしれませんね。ネコ耳カチューシャをつけるなんてのもアリなのでしょうか(笑)

 

 

今から⚪︎⚪︎の人に話をします

 

聴衆を全員巻き込みたいというのであれば、常にそこにいるいちばん低いレベルの層に合わせて話をするのが簡単な方法ですが、「ブレットトークというテクニックも有効だそうです。ブレッドとは、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるの鉄砲玉のことであり、「今から〇〇の人に話をします」と言うやり方です。女性の次に男性、お金を持っている人の次にお金がない人に向けて話せば、会場全員を巻き込んだスピーキングができるということでした。

 

確かに、自分に向けて話していると思うと、一生懸命聞こうとするなと思いました。

 

 

どのくらい?もっと?ありがとう

 

また、一方的に話すばかりでは聴衆の共感は得られません。では、どうするのかと言うと、「困ったら質問しろ」だそうです。「~という方はどのくらいいらっしゃいますか?」(スピーカーも手を挙げる)→「ありがとうございます。では~という方は?」(スピーカーは反対の手を挙げる)といった具合に、聴衆を参加させる・行動させることを意識して話を進めることが大事だそうです。

「どのくらいいますか?」や「もっとお金持ちになりたい人は?」といったように、「どのくらい?」や「もっと」を使うことで多くの聴衆に参加してもらえるということでした。そして、レスポンスに対して必ず「ありがとう」を伝えることも忘れてはいけません。

 

 

まとめ

 

本書を読んだ感想としては、正直あまり好きではないというものです。何を話すのかも決まっていないうちから会場を押さえるとか、話す内容の知識が足りないなら本を何冊か読めば良いとか、大義名分が必要など、、、ビジネス感・お金儲けにしようとする感が強いなと言う印象を持ってしまいました。

テクニックはもちろん知っているに越したことはないのですが、このような技術を持った人ではなく、小林正観さんのように、本当に中身のあること、自分に足りなかった価値観を教えてくれる人の話を・声を聞きたいんだよな~と思いながら読みました。

 

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無我の境地

今回読んだ本は、無(最高の状態)(2021年)です。

 

 

脳科学大好きの私としては、好みのジャンルの本でした。今回は、脳科学的な「無我の境地」についてまとめてみたいと思います。

 

 

脳が作り出す世界

 

私たちの脳は1秒とかからず「物語(虚構のストーリー)」を生み出してしまうのだそうです。たとえば、「玄関のドアノブに手をかけた瞬間」、脳の高次領域が「扉の向こうにはいつもの庭がある」という物語を作り、網膜から入った現実のデータと視床エリアで照らし合わせます。この物語は自動的に現れるため、制御することはできません

 

 

現実よりも物語の方がが優先してしまう為、自分の考え方こそが〝唯一の現実〟だと信じ、それ以外の可能性を認めないということが起きるそうです。

 

これは、「確証バイアス」のことだなと思いました。さらに「エコーチェンバー」で自分と似た意見や思想を持った人々が集まり、さらに現実が見えなくなりますね。

 

 

ミー・センター

 

BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは(2020年)でデフォルトモード・ネットワーク(DMN)について学びましたが、DMNが人間の苦しみの原因であるあることが分かってきているそうです。

 

 

DMNは何もしていないときに活動を始める神経回路で、内側前頭前野や前部帯状皮質といった幅広いエリアから構成され、無意識下で情報をまとめて新たな発想を生みます。さらに、将来のことを考える、過去を振り返る、誰かとコミュニケーションをするといった、自分に関する情報を処理する場面でDMNの活動が激しくなり、「この人に嫌われていないか……」や「あの失敗はまずかった……」などと自分にまつわるネガティブな物語を生み出すのだそうです。鬱病の患者はDMNの活動量が大きいという研究結果もあり、「ミー・センター(Me center)」と呼ぶ専門家もいるのだそうです。

 

 

瞑想の副作用

 

ミー・センターの活動を抑えて今に集中するには、やはり瞑想(内面の観察)が良い手段となる訳ですが、瞑想には副作用もあるのだということは、始めて知りました。

ワシントン大学の実験では、15分間の瞑想を行った被験者は、普通に休憩を取ったグループよりも作業へのモチベーションが約10%低下したのだそうです。定期的に瞑想を行う者の約4分の1が、パニック発作鬱病、解離感などの副作用を報告したという研究や、慈善団体へのボランティアなどに参加する意志が大きく低下したり、ナルシズムが増強してしまうという研究もあるそうです。

 

瞑想を効果的かつ安全に行うためには、最初のうちは強度の低い手法から行うこと、日常生活の一部に取り入れてしまうこと、ネガティブな感情が現れるときには一度中止して他の方法を試すなどした方が良さそうです。

 

 

無我の世界

 

1.自己、思考、感情のいっさいは、どこからともなく現れる

2.自己、思考、感情のいっさいは、放置すればやがて消えていく

という認識がわかるようになると、ミー・センターと扁桃体の結びつきが弱まり、脳が生み出す物語に巻き込まれにくくなるそうです。

 

さらに、自己を構成してきた人生のあらゆる要素が、まるで最初から自分とは無関係だったかのような感覚になり、それがポジティブなものかネガティブなものかを問わず、これまでの人生で自分を形作ってきた記憶や概念の虚構性に脳が気づくのだそうです。もはや「わたし」を規定する必要がなくなるということです。

 

一方、無我にいたった後も相変わらず自己は現れ続けます。もともと自己は生存ツールとして生まれた存在なので、その発生そのものは止めようがないのだそうです。しかし、世界を「自己とそれ以外」に切り分ける必要がないため、限りない受容力が生まれるということでした。

 

そして、幸福感、意思決定力、創造性、ヒューマニズム(栄養・安心・娯楽など、自分が欲するものを他の人にも与える態度)が上昇し、本当の自由を謳歌します。

 

 

まとめ

 

理屈は分かるのですが、ジル・ボルト・テイラー博士が体験したような右脳の世界、自分が世界と一体化する体験はしたことがないです。

 

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私も是非とも無我の境地を体験してみたいので、瞑想を毎日のスケジュールに入れたり、禅の修行のように無心になって掃除したり(人生を好転させる掃除道(2023年)参照)、できることを続けていこうと思います。

 

アクティブ・ノンアクションの落とし穴

今回は、リーダーシップの旅~見えないものを見る~(2007年)を読みました。

 

 

過去記事「自分のコア・バリュー」と同様、リーダーは自分を見つめ直す中で、どう生きたいのか、何をしたいのかを明確にしていくことが大事であるということなのですが、リーダーになろうとしてリーダーになるわけではないと説明します。

 

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リーダーの分類

 

本書では、リーダーを以下の3タイプに分けています。

  • 「自然発生的なリーダー(emergent leader)」
    例)火災発生などの緊急時に、バケツリレーを仕切る人が自然に現れる
  • 「選挙で選ばれたリーダー(elected leader)」
    例)市長、知事、国会議員など
  • 「任命されたリーダー(appointed leader)」
    例)社長や本部長クラスから部長、課長といった管理職

 

そして、特にエマージェント・リーダーについてキング牧師ガンジーがその例であり、なろうと思ってなるものではないと説明します。

 

 

リーダーシップとは

 

エマージェント・リーダーは、自然発生的に生まれます。

本書の前半では、

リーダーシップとは、私たち一人一人が自分自身と対峙し、「見えないもの」を見ようとして一歩を踏み出し、旅を歩む中で人からの共感を得て、結果としてリーダーになる現象だ。

ということを丁寧に説明していきます。

 

 

つまり、リーダーは「見えないもの」を見て、あるいは見ようとして、新しい世界をつくり出し、人々の価値観や感情に訴え、共感・共鳴を得て、賛同者・支持者のネットワークを広げていき、人々の内在的な意欲に基づく自発的な行動を誘発し、同じ方向へ向かって歩みをともにするということです。

 

 

倫理的に正しいリーダー

 

そう考えると、ヒトラーは偉大なリーダーであったということになってしまいますよね。これに対してはホリエモン事件をあげ、日本の経済界にも政界にも中堅にリーダーがいない、もう一段ステージを上がり、社会全体をリードするまでには今ひとつ至らないと苦言を呈します。

 

リーダーがリーダーのステージをもう一段登るためには、最初は大望、夢、志、プロフェッショナリズムもしくはエゴや劣等感であった原動力を、「自分が先頭に立つから人がついてくるのではなく、人が後押ししてくれるから自分が先頭に立てる」と認識を転換させる必要があるということでした。つまり、利己→利他(渾然一体となった利己と利他)ということです。

 

 

稲盛和夫を例に説明していることは自明ですよね。

 

 

リーダーシップとは生き様

 

中年が夢を見て、リーダーシップの旅を歩み出すことは、現実にはそれほど容易ではありません。立ち止まり、自分と対峙し、自分のこれまで来た道を振り返る機会をもつこと自体が難しいと著者さんは述べます。

さらに、組織の中で「できる」と評価されている人ほど「不毛な忙しさ(アクティブ・ノンアクション)」の落とし穴にはまってしまっているとも指摘します。毎日を多忙に過ごしているにもかかわらず、本当に必要で意義があり、真の充足感をもたらしてくれる何かについては、まったく達成できていない状態ではないですか?ということです。

 

これにはドキッとして、私の感じていた「何か違う」はこれだったんだ!と分かりました。私は3月末で10年以上勤めた職場を退職したのですが、完全にアクティブ・ノンアクションの状態で、自分の本当にしたいことは何だろう?定年まであと20年、今のままでいいのだろか?という思いが止められなくなり、思い切って起業(スモール・ビジネス)してみようと決意したんですよね。

 

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まとめ

 

泉房穂さんが明石市長をやめる前に書かれた本社会の変え方 日本の政治をあきらめていたすべての人へ(2023年)を読んで、この方こそこの本で書かれているリーダーだなと思いました。

 

 

殺害予告を受けたり、命を狙われるのもエマージェント・リーダーには宿命のようについて回ります。特にX(旧ツイッター)を始めてから支援者もアンチも増えたようですが、それでも発言し続ける泉さんのことは応援したいなと思っています。聴く力があるとか言って、全く国民の話を聞かない人ではなく、このような方が総理大臣になれるといいのになぁ…なんて考えてしまいました。

日本史を科学で読み解く

今回は、日本史の謎は科学で解ける(2023年)がすごく面白かったのでご紹介します。

 

 

過去記事でも何度か出てきた通り、Dr.STONEというアニメが家族で大好きなのですが、Dr.STONEポケモン空想科学読本が好きな方は、多分好きな内容だと思いますよ!

 

 

 

特に火薬の話で面白いなと思ったところをまとめたいと思います。

 

 

日本では火薬が作れなかった

 

人類で最初に登場した黒色火薬は、木炭・硫黄・硝酸カリウムを粉末化して混合したものですが、日本では硝酸カリウム(硝石)が天然で採掘できなかったため、中国からの輸入に頼っていたのだそうです。一方、九州で採れる硫黄を元と敵対していた南宋に輸出しており、それが元寇襲来の引き金になった一因なのだそうです。

 

Dr.STONEでは、コウモリの糞の蓄積により生じた洞窟で採れる硝酸が最初に出てきますが、日本では硝石が採れないし…と考えた末のストーリーだったんだと、感心してしまいます。

 

 

てつはうの投げ方

 

てつはうとは、元寇が用いた爆弾で、元寇襲来の絵図『蒙古襲来絵詞』にも描かれています。陶器でできた丸い容器の中に火薬と鉄片が詰め込まれたもので、それに導火線をつけ、点火してから相手に投げつけ、火薬を爆発させたそうです。爆発と同時に鉄片が飛び散るので、殺傷能力もあっただろうということでした。

重さは4kgほどあるので、投げるには砲丸投げのように投げるか、ハンマー投げのように投げなければいけません。本書によると、砲丸投げでは20m程度、ハンマー投げでは最大80mくらい投げられるということですが、味方を避けて遠投するのは容易ではなかったはずだということです。

    

黒色火薬は湿気に弱く、日本が元軍を撃退できた理由には、神風の他にも、てつはうの扱いづらさに助けられた部分もあったのかもしれません。面白いですね。

 

 

忍者が使った火薬武器

 

忍者は「焙烙火矢」と呼ばれている火薬を仕込んだ弓矢を武器として用いていました。焙烙火矢は、てつはうを研究する中で生み出されたものだという説もあるそうです。

ネットで「忍者・火薬」で検索していると、

「忍者はヨモギに尿をかけて土中に伏せこんだ。
こうして微生物発酵させて、尿の中のアンモニアヨモギに多く含まれるカリウムを反応させて硝酸カリウムを作ったのである」

というものもあり、忍者が日本の火器の発展に貢献したと言えそうです。

 

 

信長軍の三段撃ち

 

長篠の戦い火縄銃を駆使した信長軍が、三段撃ちという戦法で強敵の武田軍に勝利したのは有名ですね。火縄銃は1発発射してから次の発射をするまでに熟達者でも20~30秒はかかったようです。

信長軍の三段撃ちについては後世の創作だとも言われているそうです。火縄銃では火縄の着火部分がむき出しになっているため、3人が狭い場所で入れ替わり立ち替わり撃ち続けるのでは、引火のリスクが高すぎるのだということでした。 火縄銃の発射回数を増やすために、射撃、弾込め、火薬詰めを作業分担したという説もあるそうで、確かに、そちらの方が正解な気がしますね。

 

 

バテレン追放令の本当の目的

 

一般的には秀吉のバテレン追放令は、南蛮人を追い出すことが目的とされていますが、実は、大名たちが火薬と引き換えに日本人を奴隷として南蛮人に売っていたのをやめさせるためだったそうです。ヨーロッパへ連れて行かれた若い女性は奴隷として、若い男性は兵士として売られており、火薬一樽に対して50人という記録も残っているそうです。

 

日本で火薬が作れるようになったのは江戸時代で、白川郷の家の床下に穴を掘り、蚕の糞、人尿、ヒエなどの山草を加え、4〜5年かけて硝酸イオンを含む土を作っていたと考えられるということでした。臭くなかったのかな?

日本は雨が多く、家畜の糞尿が流れてしまうため、どうしても硝石の作り方が分からず人を売ってでも購入したしなければならなかったということですが、1樽50人って…どれだけ海外に売り払われていったのでしょうね。

 

 

まとめ

 

江戸時代に日本で花火が発達したのも国産火薬が生産できるようになったからだそうです。人間の探究心というのはものすごいと思います。もちろん、火薬のせいで人が売られ、戦争が悲惨になったりさらに凶悪な兵器が開発されたりしている訳ですが、なければ良かったとも思えないんですよね。

本書では他にも銃や大砲、船、酒の話など、とても興味深い話ばかりで面白かったです。

自分のコア・バリュー

今回はコア・バリュー・リーダーシップ 組織を変えるリーダーは自己変革から始める(2019年)と一生食べられる働き方(2012年)を読んで、これからは自分の価値を考えて生きなければいけない時代だよねと思ったので、ご紹介します。

 

 

 

 

コア・バリュー経営

 

コア・バリュー経営とはざっくり言うと、「私たちの会社は、何を大事にしているのか?」を明確にしようということです。日本語では「中核となる価値観」と訳されるそうです。

ネットで靴を販売するザッポスという会社は、コア・バリューを「会社の全員で日々実践するもの」として「お客様をハッピーにすること」と定めました。すると、1秒でも早く電話を切ろうとする従来のオペレーターとは違い、ザッポスのオペレーターは皆一様にいつも朗らかで、顧客との会話を楽むのだそうです。ザッポスのサイトで見つからない商品があれば、他者のサイトを探してくれたり、お店で買って届けたりもしたそうです。決して「ノー」と言わない企業文化が生まれました。

本書では日本企業の例も紹介されています。

 

コア・バリュー経営を行うためには、会社の大多数を巻き込んで自社のコア・バリューを決めること、企業理念に共感する人を採用すること、企業文化の育成・維持に充分な時間をかけることが大事なのだと理解しました。

 

 

コア・バリュー・リーダー

 

さらに、コア・バリューを推進するコア・バリュー・リーダーには一貫性のある徹底した考え方や行動が求められるます。

  • ライフ・パーパス(人生の目的)
  • ライフ・バリュー(人生の中核となる価値観)
  • ライフ・ビジョン(人生の未来図)

の3つの角度から自己創造のプロセスを行い、「自分はどんな人間なのか」「何のために生きるのか」「どんな生き方をしたいのか」という問いかけと向き合い、自分の歩むべき方向性を明確にする覚悟が必要なのだそうです。

 

 

Googleの強さの秘密

 

さて、「一生食べられる働き方」の著者さんは、Google米国本社副社長兼日本法人社長をされていた方です。Googleのミッションステートメント、つまり、Googleがこれしかやらないと宣言しているのは、「世界中の情報を整理して、世界中の人がアクセスできて、使えるようにすること」と「そのサービスを無料で提供すること」だそうです。

Googleでは、社員一人ひとりが自分が何をすべきなのかしっかりと把握しており、ミッションステートメントに反しない限り、勝手放題に仕事を進めていけることが強みだということでした。

 

私はGoogleという会社や働き方が大好きなのですが、分かりやすいコア・バリューがあるからこそ、社員がのびのびと働けるんだろうなと思いました。

 

 

モンキートラップ

 

そして、これから生き残れる企業は「モンキートラップ」に陥らない企業だと言います。モンキートラップとは以下の寓話だそうです。

猿の手がやっと入るくらいの小さな口の容器にエサを入れておくと、猿がやってきて手を入れて、エサを握る。エサを握りしめた猿の手は容器から抜けなくなる。エサを離せば、手は抜けて逃げられるのに、せっかくのエサを握りしめて離そうとしないばかりに手が抜けなくなり、猿は捕まってしまう。

要するに、成功体験から脱却できないとかえって身を滅ぼすということです。

私はこの話を聞いて、「待ちぼうけ」の歌が頭に流れてきて、「チーズはどこに消えた?」だなと思いました。

 

 

視野を広く持ち、視点を高くしておくように心がけることが大事かなと思います。

 

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著者さんは自分のキャリアを「転社はしましたが、転職はしていません」と表現するそうですが、転社しても通用するプロとして独自にキャリアを積み重ねていくことがこれからは大事になってきます。

好きなことを仕事にするというだけでなく、どんな仕事でも面白くしてしまうこと、自分に与えられた役割を考え、チームに貢献することで、見栄えがするだけの職務経歴書ではなく、実質のある職務経歴書を作っていきなさいということでした。

 

これからは日本でも「○○会社の■■です。」ではなく「これまで△△を専門に~~をしてきました。」といった自己紹介が当たり前になっていかなければいけのかも知れませんね。

 

 

まとめ
 
本書を読んで、自分はどう生きるのか、つまり、自分のコア・バリューを考える時、「ねばならない」思考が出てきた時は要注意だなと考えていました。コア・バリューって、「私(たち)は〜をしなければいけない」ではなく、「私(たち)は〜がしたい!」だと思うんですよね。
私も自分のコア・バリューを言語化して、宝地図に貼ろうと思います。

綿密な計画を立てる

今回は、先延ばしと挫折をなくす計画術 無敵の法則(2021年)を読みました。

 

著者さんは放送作家をしながらコンサルトもされる超多忙な方で、そのような日々をどうすればミスなくこなせるのか、それまでの失敗経験から学んだ計画の立て方について書かれています。

読んだ印象としては、過去記事メタ認知_2」の著者さんのような、他人の10倍仕事ができてしまうタイプの人だなという印象で、読んでいるだけで心臓はバクバクして、息苦しくなりました。

 

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しかし、著者さんの口腔ケアへの取り組みが素晴らしかったので、参考にしたいと思った計画術と一緒にまとめたいと思います。

 

 

スケジュールに目的を書く

 

スケジュールはカーナビのようなものであり、ゴールを設定することで、そこに自動的に意識が向かうようになる効果があるのだそうです。なので、スケジュールに目的を見える化させることにより、明日の会議は〇〇が目的だから、こんな資料を準備しておこうとか、事前に関連本に目を通しておこうといった、目的に沿った準備が自然にできるようになります。

著者さんはGoogleカレンダーで分単位でのスケジュール管理をされており、寝る前にはスケジュールを確認しながら翌日のシュミレーションをされているということでした。



スケジュールに目的を書くことで、ただ誰かと会う、なんとなく会議に出るといった無駄な時間が無くなる良い方法だなと思いました。私も早速実践しようと思います。

 

 

家族との予定もスケジュールに組み込む

 

また、家族と買い物に行くや母親に電話するといった家族との予定もスケジュールに組み込むと良いそうです。

 

確かにそうですよね。旅行などの予定は仕事の予定が入る前に入れておけと言いますもんね。

私も、家族との時間を色分けして、先に入れておこうと思いました。

 

 

毎日のルーティンもスケジュールに組み込む

 

著者さんは毎日のルーティンも全てスケジュールに入れているそうです。それこそ、寝る時間、起きる時間、身支度の時間、ゴミ捨ての予定など全てです。これまでの失敗経験から自分を信じておらず、スケジュールに組み込めば忘れないということでしたが、確かに、アラームをセットしておけばスマホが教えてくれますから便利ですよね。

 

私はLINEのリマインくんを使っていましたが、スケジュールに入れてみるのもいいなと思いました。

 

さらに細かいタスクはスプレッドシートを見ながら行い、モレがないようにしているそうです。帰ったらカバンの中身を全て出してカバンを拭くとか、スマホ、アップルウォッチなどを充電するとか、これまた全てです。

過去記事「失敗しない仕事術」のチェックリストを思い出しました。

 

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素晴らしい!お風呂での口腔ケア

 

これら上記が合わさると、以下のような記述になるのが理解できるかと思います。

お風呂も、22時30分から20分間と決めています。お風呂にスマホも持ち込みます。スマホにお風呂でやらなければならないことが入力されているからです。

電動歯ブラシプラークを取り除く

・歯間ブラシでプラークを取り除く

・糸ようじを使ってプラークを取り除く

 と書いてあります。

(中略)

よくよく考えてみると、歯磨きをするのは、虫歯の原因となるプラークを完全に取り除いて虫歯に備えるのが目的です。

だから「プラークを取り除く」とスケジュールに記載しています。

 

いやもう、素晴らしいですよね!

歯科衛生士目線で言うと、年齢的にも目的は「虫歯の原因となるプラークを取り除く」というより、「歯周病の原因となるプラークを取り除く」の方がいいのかなと思います。歯間部や歯周ポケットに潜む嫌気性菌(酸素が苦手な菌)を意識してプラークを除去していってほしいです。

 

 

まとめ

 

子どもと生活していると、いくら綿密にスケジュールを組んでも、全く、全然、これっぽっちも思い通りにはなりません。なので、子育て中のママは、本書は読まなくてもいいかなと思います(笑)

一方、時間管理や仕事の進捗がなかなかうまく行かない人は、自分にピッタリのアイデアが見つかるかもしれませんね。私も、一度試してみて、良さそうなら、心をかき乱されない程度に使っていきたいと思います。

第4の波


今回は、第4の波 大前流「21世紀型経済理論」(2023年)を読みました。

作者の大前研一さんと言えば、コンサルト系の人が書いた本には必ずと言ってもいいほど出てくる、マッキンゼーで活躍されたコンサルティング業界のレジェンドですね。本書は大前氏が主宰する企業経営者の勉強会「向研会」での講演や連載記事をまとめたものになります。

 

 

第4の波とは

 

アメリカの未来学者で大前氏の友人でもあったアルビン・トフラー氏は1980年に上梓したベストセラー『第3の波』で、

第1波:「農業革命」による農業社会

第2波:「産業革命」による工業化社会

第3波:「情報革命」が起きて脱工業化社会

が来ると予想していたのだそうです。

 

そして、大前氏は次に来る第4波とは、「AI・スマホ革命」によるサイバー社会であると主張しています。

雇用に着目すると、波の前半は雇用を大量に創出するものの、後半はそれが削られる、つまり不要になる時が来るということでした。それは「第4の波」でも同じであり、前半の入り口の今は雇用を大量に創出しているが、後半は人間が淘汰されていくと予想しています。

具体例を挙げると、車の自動運転レベル5(完全自動運転)が実現したら、ドライバーも配達員も用無しになります。これを予見しているウーバーイーツは、(時給が高くても)個人事業主として契約しているということでした。

建築ではすでに、CAD(コンピューター設計支援)で設計し、それをデータで入力したら、法的にOKな設計かどうか数分間で答えが出るのだそうです。このシステムを作ったのは日本の会社で、シンガポールで実用化もされています。しかし、本書では日本の役所に設計をデータで持ち込んだところ、担当の役人から「俺たちの役割は何になるんだ?」と怒られ、紙の図面で出し直すように言われたという例が紹介されています。

 

今後AIに取って代わられる職業というのをよく耳にしますが、日本は第4の波に乗る気がないのかな?と思ってしまいますよね。

 

 

ボーダレス経済

 

さらに、AI・スマホ社会ではネットワークにつながってさえいれば24時間、世界のどこにいても誰もが同じサービスを利用できます。つまり、国境がない、ボーダレス経済が来る(既に来ている?)ということです。

このことは、ケインズ経済学者には理解できない事であり、安部元首相が黒田元日銀総裁と行ったゼロ金利政策では経済が回復しないのは当然のことだと一刀両断です。つまり、日本円をジャブジャブに発行しても、ボーダレス経済の中では海外に流出してしまうだけ、つまり日本人は豊かになるどころかますます貧困化してしまうということです。

 

確かに、ビットコインなどの仮想通貨を見ても、スマホで簡単に決済できるし、経済全体がボーダレスであることは明らかですよね。このブログでも、時々カナダやフランスからアクセスがあってとても驚いています。国境は意味をなさなくなり、どの国で働いているかなんて関係なくなっていくということですね。

 

 

無欲望社会

 

さらに、日本経済が回復しないもう一つの要因として、日本人の無欲望状態を挙げています。日本は個人金融資産2000兆円の半分が預金・現金で保有されている貯蓄過剰の国なのだそうです。さらに日本人には質素・倹約なタイプが多く、老後2000万円問題などの報道も影響して、若い人までもますます貯蓄に回しているということでした。

経済はお金が循環して潤うものなので、アメリカ人のようにセカンドハウスを購入して賃料をローンの返済に充てるとか、イタリア人のように老後はバケーション三昧でお金を使えばいいのに、そういう政策をすればいいのにということが書いてあります。

日本人のシニアがお金のかからない、かつ、1人でできる趣味ばかりであるのにも苦言を呈しており、大前氏自身はツーリングやスノーモービル水上オートバイなどを趣味にしているのだそうですよ。

 

私はこの経済を回すべきという考えには反対で、どちらかというと過去記事「百姓万歳」のような、自給自足ができる社会が良いなと思っています。世界と繋がりながら、貨幣に過度に依存せず、自然と共に生きる生活って可能なのではないかなと思うんですよね。もちろん、AIを駆使して楽しながらということです。

 

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日本の教育

 

「AI・スマホ革命」によるサイバー社会に対して、日本の教育はどうかというと、これもかなりまずいようです。サイバー社会で通用する人材を育成するためには、学習指導要綱の廃止、大学入試共通テストの廃止などを行い、現状の偏差値偏重からの脱却が必要であると述べています。

また、「サムライビジネス(士業)」つまり、公認会計士、税理士、行政書士等は官民挙げたリスキリングの対象となっている国家資格ではありますが、専門知識の記憶力が問われる分野であり、いずれ機械に取って代わられる分野です。政府が言うからと今から安易に資格取得を目指すのは危険ですね。

大前氏は、AIとスマホを駆使して、新しい技術、新しいサービス、新しい産業を創造できる人材を育てることができれば、まだ第4の波名乗ることは可能だと述べますが、それは文科省の学習指導要領に従った教育では無理だとも断言していました。

今後はスマホベースの生活になるのは避けられないため、親は子どもからスマホを取り上げるのではなく、スマホを使って何かを創造・創作するクリエイティブな能力を育てるという方向に考え方を転換しなければならないそうです。

 

 

まとめ

 

本書を読んで、息子たちには第4の波にうまく乗せてあげたいなぁと思いましたし、私自身もAIではできない仕事をしないとなと思いました。一方、最近息子たちから「スマホ買って〜」としつこく言われているのですが、「必要ない」と言い切ることもできなくなってしまいましたねぇ…(笑)

入学式までに息子とメリット、デメリットについて話し合って、どうするか決めたいと思います。