歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

「無知の知」ソクラテス

「世界の哲学者に学ぶ人生の教室」(2019年)を読んでいて、それ~!!とつい吠えてしまったので、ご紹介したいと思います。

 

 

本書はソクラテスからサルトルまでの2000年間における哲学者12名の哲学について、日本の研究者と台湾の哲学教授がタッグを組んで書かれたものです。私が吠えたのは、本書で紹介される哲学者の1人目、ソクラテスです。

 

ソクラテス

ソクラテスは、古代ギリシアの哲学者で、「西洋哲学の父」と呼ばれる人物です。弟子のプラトンによって口述筆記が残っており、ソクラテス自身は本などは残してはいません。質問を繰り返すことで矛盾をあぶりだすようなソクラテスの対話術は、「ソクラテス式問答法」などとも言われますね。

 

無知の知

ソクラテスの思想の中で無知の知というのは、つまり、「自分が無知であるという知識がある」というものです。本書では2つの解釈について説明されています。1つは「いかなる知識であろうと、それが必ず正しいと確認することはできない」、2つ目は、「自分の無知を見出すことこそが、本当に無知を自覚すること」です。

 

ダニング=クルーガー効果

本書を読んでいて思い出したのが、何の本で知ったのかは覚えていませんが、ダニング=クルーガー効果です。

Wikipediaには、

能力や専門性や経験の低い人は自分の能力を過大評価する傾向がある、という認知バイアスについての仮説である。

と書かれています。自分のことをよく分かっていない人ほど、自己評価も高い(何でも知っていると思っている)といつも感じますし、自分がそうならないようにと常々意識していました。

 

”私は偏見にとらわれていない”バイアス

また、「THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す」(2022年)には、口先だけのゲーム観戦者である「アームチェア・クォーターバック症候群」や、少し得た知識で自信過剰となり優越の錯覚を起こして、そのトピックについての発言がやたらと増える「マウント・ステューピッド」についても説明がありました。

 

 

 

SNSにおける無知の知

本書にも、過去記事で書いた本にも書かれていましたが、SNS界隈では特に上記のような認知バイアスは多々見られますよね。

ddh-book.hatenablog.com

 

学ぶ必要のない人ほど学びたがる

無知の知」がある程度備わっている人は自ら哲学を学ぼうとしますが、「無知の知」が欠如している人ほど、学ぼうとしません。こうして「哲学を学ぶ必要のある人ほど学ぼうとせず、哲学を学ぶ必要のない人ほど学びたがる」というおかしな現象が生まれます。

私はここを読んで吠えました(笑)

歯科診療においても、学ぶ必要のある患者さんほど学ぼうとせず、学ぶ必要のない患者さんほど一生懸命学ぼうとするんです。歯科衛生士として必死に伝えようとしても、「無知の知」が欠如しているので「知ってます、分かってます」という反応になるんですよね…

これを解決するには、小学校や中学校といった早い段階で「無知の知」を養うことだとも述べられています。ここにも完全に同意します。

 

まとめ

日本の小学校や中学校で「哲学」という授業はありませんが、人間にはこのような認知的バイアスがあって、自分自身もその落とし穴にはまっているかもしれないということくらいは知っていた方が良いのではないかと思いました。