歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

不満・言い訳・ウソに逃げる人

今回は、ヘタレな自分を認めるのが怖くて、不満・いいわけ・ウソに逃げてばかりの人生を変えた感謝の威力(2023年)を読んで、保身 積水ハウス、クーデターの深層(2021年)のクーデーターを起こしたあの人のことやん!と思ったので、ご紹介します。

 

 

 

 

積水ハウス地面師事件

 

積水ハウスが地面師グループに架空取引で土地購入代金約55億円をだまし取られた事件はニュースなどで耳にしたことがある方も多いかと思います。

「保身」では、記者さんが関係者へのインタビューや、内部文書を入手したりして、地面師事件とその後のクーデターの真相を詳しく取材しています。詳細は書きませんが、当時の阿部社長が「社長案件」として通常の稟議手順を通さず、本物の所有者から内容証明郵便による忠告が何度も送られてきていたにも関わらず、土地所有者の顔確認もせず、かつ、納期を前倒しして、ペーパーカンパニーに55億円を小切手で渡してしまった詳細が書かれています。

地面師の実行犯は逮捕されていますが、多額の資金が一体どこに渡ったのか分からない状態です。通常、地面師たちはバレるのを避けるため手付金で行方をくらますそうなのですが、本件では最終的な資金の受け取りまでしているのも不可解です。

そして、当時の和田会長は地面師事件の詳細を公表すると宣言し、調査結果をもとに阿部社長を退任させようとしたところ、株主総会で自身が退任に追い込まれてしまいました。

 

 

クーデター

 

過去記事コーポレートガバナンスで学んだLIXILのクーデターは後日逆転し、社長が返り咲きましたが、積水ハウスのクーデターは成功してしまいました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

また、和田会長が公表すると約束した調査結果は公表されず、地面師事件に関わった社員や和田会長に近しい人物を次々に辞任させ、社内の監視体制を強化し、自身は保身と隠蔽を続けます。企業の業績は下がっているのに、自分の役員報酬を引き上げたり、優良な自社オフィスを売って目先の収支だけを良く見せたりする様子は、プライドが高く、「ヘタレな自分を認めるのが怖くて、不満・いいわけ・ウソに逃げてばかりな人」だなと思わざるを得ませんでした。

 

 

 

現在の積水ハウスHPの役員一覧を見ると、クーデターを起こした阿部氏や稲垣氏の名前はなく、もちろん和田氏の名前もない訳ですが、日本企業の闇みたいなところを見たように思います。読み終わってもとてもモヤモヤしました。

とかく、大企業では、このような「ヘタレな自分を認めるのが怖くて、不満・いいわけ・ウソに逃げてばかりな人」が上層部にいると、ガバナンスは空理空論になってしまいますね。現在の積水ハウスは堅実で誠実な会社であればいいのですが。

 

 

「感謝」で人生が変わる

 

「感謝の威力」は、そんな「ヘタレな自分を認めるのが怖くて、不満・いいわけ・ウソに逃げてばかりだった人」が自分を見つめ直し、生き方を感謝に変えて成功した話です。

毎晩心の中で5つ感謝を唱えてから寝る、自称、感謝マイスターの私には特に新奇性を見出す内容ではなかったのですが、感謝の心を通して逃亡生活に終止符を打ち、かつ周囲の人たちと協力して成功をおさめた著者さんの改心とその努力には全力の拍手を贈りたいです。私もさらに、自分や周囲の人に感謝して生きようと思いました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

 

まとめ

 

「不満・いいわけ・ウソに逃げてばかりな人」というのはどこにでも居ますが、基本的には無自覚さんが多いのかなと思います。若いうちはまだ良いですが、年を取ってもそのままだと、どこかでうまくいかなくなったり、苦しくなったりしますよね。自分をメタ認知する力や周囲の支え励ましてくれる人の存在が大事になるんだなと思いました。