歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

理想の上司_3

今回は、できるリーダーになれる人は、どっち? 話し方・考え方・聞き方……「ここ」で差がつく! (2023年)を読みました。

 

 

 

いきなりリーダーにはなれる人はいない

 

できるリーダーは「メタ認知スキル」が高いのだそうですが、誰でもいきなりリーダーになれる訳ではありません。ビーフストロガノフを見せられて、「はい、今から作ってください」なんて言われても無理な話です。リーダーになる前からリーダーとしての視点、考え方(お料理で言うところのレシピと手順)をちゃんと学んでからリーダーになるべきだと分かりました。

本書はリーダー育成をされている方の視点で、できるリーダーになるための準備について説明されています。

 

 

リーダーとしての基本理解

 

会社は誰の満足のために仕事をしているのか?

リーダーになるには、当方相手方ともにどのような利益相反関係があるのか、その関係性をよく知っておく必要があります。過去記事コーポレートガバナンスでもありましたが、株式会社は株主の満足のために仕事をしています

 

ddh-book.hatenablog.com

 

ここを押さえた上で、私が考える理想の上司ポイントをまとめたいと思います。

 

 

サッカー監督のような上司

 

リーダーになるというのは、陸上競技からサッカーに急に変わるようなものだと説明されています。サッカーの監督は、さまざまなポジションの選手たちが各自の仕事を全うできるように采配をふるい、選手が能力を最大限発揮できるように見守ります。

 

これは、一人ひとりの強みや弱み、キャラや性格を知っていないとできないことだと思います。部下を本人以上によく知っていて、適材適所、それぞれの力を引き出してくれる上司のもとで働きたいなと思いました。

 

 

感情をコントロールできる上司

 

「人間は感情の動物」と言われますが、できるリーダーは自分の感情を客観視することができます。怒りの感情が湧き起こっても、それをそのまま相手に向けることはありません。冷静に、一歩引いた表現で自分の感情について語ることができるということです。

 

私も上司に何度となく怒られましたが、ただ感情をぶつけられた時ほど不快なことはありません。何に怒っているのかさえわからないと当惑するばかりですよね。感情を伝える時でも、客観的事実+それに対する上司の感情で伝えてくれる上司がいいなと思います。

 

 

能動的に聞く上司

 

できるリーダーは、自分の意見を主語を省略せずに伝えたあとで、周りの意見も聞く姿勢を示すそうです。

 

やっぱり、心理的安全性の高い環境が働きやすい職場の条件だと思います。一方、私は過去記事リクルートを作った男」を思い出しました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

江副氏の「君はどうしたいの?」「それで?」と誘導していき、「じゃあそれ、君がやってよ」と当事者にしてしまうというやり方悪くないと思うのです。上司が先に自分の意見を言ってしまうと、場合によっては忖度してしまうと思いました。

 

 

相手がほしいと思う言葉を投げかける上司

 

できるリーダーは優れた脚本家なのだそうです。どう伝えると相手のYESや望む返答を引き出せるのか、どういう会話のデザインをすれば、相手も自分もハッピーな結末を迎えられるのか、逆算して会話を組み立てる、つまり、シナリオを作ることができます。

 

これには、普段から部下とコミュニケーションをして、一人ひとりの性格や目標などを把握しておく必要があると思います。そして、もし上司が部下をコントロールしようとする態度を見せれば、部下もそれを敏感にキャッチして反発しますよね。純粋に部下に興味を持ち、部下のためを思ったシナリオ作りができなければいけないと思いました。

 

 

まとめ

 

本当に職場というのはリーダー次第でガラッと変わりますよね。モラハラパワハラはもってのほかですが、自分のことしか考えていない自分第一主義上司、話しかけるなオーラを常時発動している上司、意見を言うと不機嫌領域展開する上司とは仕事したくないです。

本書を読んで、理想の上司はメタ認知が高く、部下のことを一生懸命考えてくれる人だと分かりました。一方、部下もメタ認知を高くして、上司の視点で物事を見る練習をしておかなからばいけないということを学びました。

孫子の兵法

今回は、孫子の兵法―考え抜かれた「人生戦略の書」の読み方(2017年)と超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール(2021年)を読みました。

 

 

 

私は息子の名前に諸葛孔明の字名をつけるほど、三国志が好きなのですが、三国志の戦いでも兵法の教えを見つけることができます。現代の私にも役に立ちそうだなと思ったところをまとめたいと思います。

 

 

戦う前に勝敗の見通しをつける

 

一、君主は、どちらが立派な政治を行なっているか。

二、将帥は、どちらが有能であるか。

三、天の時と地の利は、どちらに有利であるか。

四、法令は、どちらが徹底しているか。

五、軍隊は、どちらが精強であるか。

六、兵卒は、どちらが訓練されているか。

七、賞罰は、どちらが公正に行なわれているか。

 

以上の7項目の基本条件を吟味し、勝敗の見通しをつけます。戦わずして勝つことが最も良いですが、戦う時は勝利を見込める時しかしてはいけません。絶対に負けない準備をして、勝ちを確信してから戦うということです。

 

 

戦う・逃げるの判断

 

戦わなければいけない時の基本戦略は以下の原則になります。

十倍の兵力なら、包囲する。

五倍の兵力なら、攻撃する。

二倍の兵力なら、分断する。

互角の兵力なら、勇戦する。

劣勢の兵力なら、退却する。

勝算がなければ、戦わない。

 

第二次世界大戦の日本軍のように、負けると分かっていて突っ込むのは無謀であり、退却、降伏して機を待つということも大事だという教えです。これは、ビジネスでも言えそうですね。

 

 

君主の口出し

 

君主を補佐する将軍との関係が親密であるのはもちろんですが、君主はよけいな口出しをしてはいけません。君主の口出しは、軍を危機に追いこみかねない事態を招くと兵法では忠告しています。

 

これもビジネスあるあるかも知れませんね。マイクロマネジメントは百害あって一利なしだと私も思います。

 

 

戦の主導権を確保する

 

まずは、先に戦場に着くこと。そして、相手の作戦行動に乗らず、逆に相手をこちらの作戦行動に乗せることで主導権を取ることが重要です。敵の態勢に余裕があれば、手段を用いて奔命に疲れさせる。敵の食糧が十分であれば、糧道を断って飢えさせる。敵の備えが万全であれば、計略を用いてかき乱す。といった戦略になります。長期戦は兵も疲弊するので、勢いのあるうちに、短期で終わらせます。

 

つまり、相手の強みや弱みといった情報戦が要だということですね。間諜を使ったり、敵将を買収したりして相手の情報を得ることで、かなり有意に駆け引きできるようになります。ロシアとウクライナの戦争が長引いていますが、プーチンウクライナの読みを誤ったとも言われていますね。

 

 

戦闘の原則

 

戦闘での原則は以下です。

一、高地に布陣した敵を攻撃してはならない。

二、丘を背にした敵を攻撃してはならない。

三、わざと逃げる敵を追撃してはならない。

四、戦意旺盛な敵を攻撃してはならない。

五、おとりの敵兵にとびついてはならない。

六、帰国途上の敵のまえに立ちふさがってはならない。

七、敵を包囲したら必ず逃げ道を開けておかなければならない。

八、窮地に追いこんだ敵に攻撃をしかけてはならない。 

 

六、七、八はなぜ?と疑問に思うところですが、逃げ道を断たれた敵は、「窮鼠、猫を嚙む」勢いで反撃してくる恐れがあります。また、捕虜や敗国の兵は勝国の兵になることから、犠牲は最小限にして余計や恨みは買わないことが戦での原則なのだと理解しました。

 

 

 

基本を理解して実践できることは大事ですが、状況は刻一刻と変化します。

気──士気

心──心理

力──戦力

変──変化

これらを読み取り、状況を的確に判断して戦うのが勇将なのだそうです。

 

常に臨機応変に、正規の作戦と奇襲作戦を変幻自在に繰り出して、敵の弱点をつくことで勝利を得ることができるという訳です。何事も教科書通りにはいきませんよね。

 

 

まとめ

 

中国では過去におびただしい数の兵法書が作られたそうですが、「孫子の兵法」は二千数百年も読み継がれ、様々な人に影響を与えたというのはすごいことだと思います。兵法なのでもちろん戦争の話なのですが、ビジネスでも応用できるし、人生にも応用できる内容だということがわかりました。今後は、「今の状況は、孫子の兵法的には〜だよね」とか使えたらかっこいいなと思います。

生きるための自傷行為

今回は、自傷行為の理解と援助(2014年)を読みました。

 

 

本書は自傷行為の研究をされている精神科医師が書かれた本で、専門書、教科書のような内容でした。私自身自傷行為をしたことはありませんし、周囲にもいないのですが、教育現場にいると、トイレで女子学生がリストカットしたとか、色々と話は耳に入ってきます。本書を読んで、自傷行為をする人は、生きるために自傷行為をしていたのだということが分かったのでご紹介します。

 

 

氷山の一角

 

自傷行為は世界共通で、平均開始年齢は11〜13才だそうです。女性に多いイメージですが、男女ともに見られ、中学生・高校生のおよそ1割にも上ります。しかし、学校が認識しているのは0.33~0.37%であり、氷山の一角にしか過ぎません。

難関私立中学・高校の生徒やホス狂と呼ばれる人々には自傷行為をする人が多いと聞きますが、飲酒や喫煙の経験者が多く、摂食障害傾向とも密接に関連していることが分かっているそうです。

 

 


本書では、自傷行為を以下のようなプロセスで説明しています。

  1. 絶望感
    自傷行為を繰り返す者は、身体的虐待や性的虐待、両親間の喧嘩といった家庭内での暴力場面に繰り返し暴露されている者が多いそうです。家や学校で繰り返し自分を否定される体験をすると「自分は要らない子」だと認識してしまいます。

  2. 最初の自傷行為
    「消えてしまいたい」という感覚は、消極的な自殺念慮になっていきます。「ここから飛び降りたら…」と空想を繰り返し、我慢の限界に達すると、最初は自殺の意図から自分を切ってしまいます。しかし、その傷は小さく、誰にも知られることはありません。

  3. 自分をコントロールするための自傷行為
    最初の自傷行為は失敗に終わりますが、それまで自分の胸を圧迫していた「心の痛み」が霧散しているのを発見します。「死にたいほどのつらさ」を消す方法を見つけ、「生きるために」(あるいは、死なないために)自傷を繰り返すようになります。

  4. 自傷行為の治療効果が減弱
    自傷行為の「鎮痛」効果には耐性が生じるため、徐々にその頻度を増やさなければ「鎮痛」効果を維持できなくなってきます。そのため他の部位を切ったり、壁に頭を打ちつけたり、タバコを皮膚に押し付けるなどするようになります。
    さらに、ストレス耐性も低下し、最初は「生きるか死ぬか」という苦痛に対して用いていたはずが、「友人の態度がそっけなかった」といった些細な不安・ストレスに対しても自傷しないではいられなくなってしまいます

  5. 他の手段(過量服薬など)への移行 or 重要他者による発見
    「切ってもつらいが切らなければ尚つらい」という状況になると、不快感情をリセットする方法として過量服薬のような自己破壊行動に移行するか、衝動をコントロールできなくなり周囲にこの秘密の儀式が露見してしまうという事態に陥ります。彼らが精神科医療機関やカウンセリング室を訪れるのはこの時期です。

  6. 周囲をコントロールするための自傷行為
    自傷行為は発見されることで自分の存在価値や重要他者との絆を確認し、間接的な「鎮痛」効果を得ます。自傷行為を繰り返すことで、家族や友人、恋人、援助者を一喜一憂させ、自分から離れていこうとする人との絆を一時的に回復させることができるためです。

  7. コントロールできなくなり絶望
    しかし、この「周囲をコントロールするための自傷行為」はあまり長くは続きません。周囲の人々が自傷行為に慣れ、冷淡な態度を取るようになっていきます。すると、自傷行為によって自分をコントロールすることも、周囲をコントロールすることもできなくなり、最初の「要らない子」という否定的な自己イメージが再び沸き起こります。

  8. 他の手段(過量服薬など)への移行 or 自殺企図
    自殺念慮が明確に意識されるようになると、過量服薬をするか、自己破壊的な手段を取り、致死性の高い手段・方法で自殺企図におよんでしまいます。10代の時に自傷行為を行った若者が10年後に自殺で死亡している確率は400~700倍にも高まるといった研究もあるそうです。

 

支援者別対応法

 

養護教諭

  • 声かけの第一声は、「よく来たね」
  • 自傷をやめなさい」と言わない。「そうやってつらい毎日を生き延びてきたんだね、本当に大変だったね」と伝える。
  • 「もう自傷しない」という約束には絶対に乗らない。「そんな約束はしないでいいよ。それよりも、もしも自傷してしまったときには、必ず報告に来て欲しい。できれば自傷したくなったときに、実際に自傷してしまう前に来てくれたらなおいい」ことを伝える。
  • 自分の感情を安心して表現できるようにする。どんな時に自傷行為が起きるのか分析し、置換スキルを身につけさせる
  • 親に言わないでと言われても、未成年なので伝える他ないが、必ず子どもに同意を得て親に説明する。(詳しい説明方法が知りたい方は本書を読んで!)
  • チームで対応する。

 

精神科医

  • ドリフターズ外来※を見直す。自傷患者は援助希求性が乏しいことを理解して、話をしっかり聴く。
  • 傷のケアをしないことも自傷行為であることを見逃さない。自殺企図は見逃さない。
  • 分離症状、解離性同一症(多重人格)への対応
  • 薬の処方は慎重に行う。

※「夜、眠れたか? 飯食ったか? 顔を洗ったか? 歯を磨いたか? また来週」といった短時間診療のこと

 

【救急医療機関

  • 自傷患者を恫喝したり説教したりしない。
  • 「放っておいてくれ」などと言って拒んだとしても、ひと呼吸置き、こみ上げてくる怒りを静め、「まあまあそう言わずに、だまされたと思って専門家に相談したらどうかな?」と、メンタルヘルスサービスを勧める。

 

 

まとめ

 

本書を読んで、自傷行為がどのようにして始まり、嗜癖化するのか、そのプロセスがよく分かりました。自傷行為は(状況にもよりますが)死にたくてしているのではなく、誰かの気を引きたくてしているのでもなく、「生きるためにしている」というのは目から鱗でした。一方、繰り返されるたびに少しずつ死に向かっていく依存症のような一面もあることが分かりました。自傷行為のアセスメントや対応法も詳しく書かれているので、養護教諭スクールカウンセラーの方にはぜひ一読をお勧めしたいです。

息子たちももうすぐ思春期で、開始年齢になる頃なので、心理的安全性の高い家庭づくりに努めて、話をしっかり聴く姿勢でいないとなと思いました。

ユニバース25実験

今回は、それでも今の居場所で良いですか(2023年)を読みました。

 

 

本の内容としては、今自分のいる環境が人生を左右するよねということなのですが、最後の章に書かれていたアメリカで行われたマウスを使った実験の内容が衝撃的でとても興味深かったので、ここは原本を是非読んでみようということで、「Death Squared, The Explosive Growth and Demise of a Mouse Population」を検索してみました。PDFが出てきたので、Google翻訳して読んだ内容をご紹介します。

 

 

ユニバース25実験

 

アメリカの動物行動学者ジョン B. カルフーンは、UNIVERSE 25 』と呼ばれるマウスを使った実験を1968年から1972年にかけて行いました。2.7m×2.7m高さ1.4mの空間に256個の巣箱があり(1つの巣箱で15匹が快適に過ごせる)、餌は外からくまなく与えられ、3800匹以上は暮らせる環境に男女4匹ずつのネズミを放ち、どのように増えるのか観察するものです。

約4~8週間ごとにすべての巣箱と床が清掃され、実験に使うハツカネズミも国立衛生研究所の繁殖コロニーから入手した感染症のないマウスで、空調の管理された室内での飼育のため、病気による絶滅は考えにくい環境に設定されています。

 

 

フェーズA(最初の子が産まれるまで)

 

 

ハツカネズミ 4 ペアが、離乳後 21 日間隔離された後、1968 年 7 月 9 日に 『UNIVERSE 25 』に投入されました。縄張りや巣を作り、最初の子が生まれるまでには104日間かかりました



 

フェーズB(急速な成長期)

 

1匹目の子どもが生まれた後は、爆発的に数が増えました。55日間で指数関数的に倍増します。支配的なオスが中心の最も活動的なグループでは南西の餌箱を食料源とし、252 日間で111匹の子どもが産まれました。一方、北東の餌箱を食料源とする支配力の低いオスのグループは13匹の子どもしか産まれず、餌箱の位置(縄張り)と生まれた子供の数には左右対称性が見られました。

 

 

フェーズC(停滞期)

 

若者が異常に増えると、自分の役割を得られなかったオスが引きこもりになります。引きこもったオスは中心にあつまり、他の引きこもりオスによる攻撃で怪我だらけなのが特徴です。引きこもりオスのパートナーのメスは、他のメスが好まない巣箱に引きこもります。

一方、支配的だったオスも自分の縄張りを守れなくなり、授乳中のメスがオスの役割を引き継ぐように攻撃的になりました。そして、この攻撃性は、自分の子どもにも向けられるようになり、子どもを巣から追い出したり、移動時に遺棄したりしました

受胎の減少、胎児の死亡率の増加、および離乳前の死亡率の増加により、人口増加率の急激な低下が起こります。

 

 

フェーズD(滅亡期)

 

600日目の最後に生き残った出生時を超えると、妊娠の発生率は非常に急速に減少し、生き残る子供はいなくなりました。

 

生まれたマウスのほとんどは、生殖能力のない引きこもりのメスと「美しいマウス(オス)」になってしまいました。

「美しいマウス」とは創造性が失われ、困難の下では生きることができない個体です。 彼らは食べること、飲むこと、寝ること、身だしなみを整えることを繰り返すだけで、女性に対して性的なアプローチをしたことはなく、戦いをしたこともなかったので、傷や瘢痕組織はありません。文字通り美しかったそうです。

 

1780日目、最後のオスが死亡し、最盛時に2200匹を記録したユートピアは全滅しました。

 

 

マースデン博士の実験

 

フェーズDの途中、マウスの小グループを別のユニバースに移して、ゆったり広い環境であれば繁殖し始めるのかを実験しました。しかし、彼らは自分たちの社会を作ろうとしたり、生殖活動をする能力をほぼ完全に喪失しており、適切な生殖行動が保持されている兆候もほとんど見られなかったということです。

つまり、こちらも全滅したということですね。

 

 

ストレス測定

 

ストレスの指標であるカテコールアミンを調査すると、「引きこもりマウス」は高い生理的ストレスを抱えていることが分かりました。一方、「美しいマウス」は「縄張りマウス」と同等という結果でした。

 

 

何を学ぶのか

 

この研究から何を学ぶのか、人それぞれだとは思いますが私なりに考えてみたいと思います。

マウスのような単純な動物の場合、最も複雑な行動には、求愛、母親の世話、縄張り防衛、階層的なグループ内およびグループ間の社会組織が相互に関連することが含まれます。 これらの機能に関連する行動が成熟しない場合、社会組織の発達も生殖もありません。(中略)人間のような複雑な動物にとって、同様の一連の出来事が種の絶滅につながるはずがない論理的な理由はありません。

論文より(Google翻訳)

 

このマウスの実験は、どうしても今の日本の問題と重ねて考えてしまいます。超高齢化、少子化、引きこもり、虐待、、、上記の考察と重ね合わせて考えると、以下のような学びがありました。

 

  1. 人間も自分の社会的役割がなければ引きこもりになる
    自分の社会的役割があれば、引きこもってなんかいられませんよね。もし、自分の役割が見つからない場所にいる場合、引きこもるのではなく、環境を変えて自分の社会的役割を実感できるところに行くべきだと思いました。

  2. 他者との付き合い方、振る舞い方は、親が教えなければならない
    マウスの実験では、親に追い出されたマウスは社会性を獲得できず、引きこもりになるか「美しいマウス」になってしまいました。子どものうちに外での振る舞い方についてちゃんと教えてから社会に出すというのが大切なのではないかなと考えました。子離れできない親にはならないと決めていますが、放り出せばよいというものでもないなと思いました。

  3. 縄張りマウス(強い男性)が減ると、女性の攻撃性が増す
    江原啓之さんはよく「女性らしくは、女性はそもそも強いから弱いものを助けようっていうスローガン」なのだと言っていますが、私もできればもっとおしとやかな女性になりたいと思っていて(笑)、ナヨナヨした男性ばかりだから強くなっていくのか!と納得しました。女性強すぎ…とか言っているそこのあなた、そういうところですよwww。

 

 

まとめ

 

少子化が問題になっていて、子どもを産まない女性が増えていますが、もしかすると日本は『UNIVERSE 25 』のような状況になっているのも一つの要因かも知れません。人口の爆発(団塊の世代)→少子化→「美しいマウス」の増加→…?

私はあまりテレビは見ないのですが、最近はやたらと美しい男性アイドルや俳優さんが多いですよね…

世界的に見れば人口増加が問題になっていますが、長~い目で見ると、人間は地球上で増えすぎた結果、繁殖を忘れ、滅びてしまうのかも知れませんね。

 

失敗しない仕事術

今回は、仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?(2017年)を読みました。

 

 

工学系の失敗を回避する方法をビジネスに応用して書かれているのですが、私が参考にしたいと思った部分をまとめたいと思います。

 

 

失敗の構造

失敗やミスは、大きく分けると「知っていたのに起きた失敗」、「知らなくて起きた失敗」、「注意不足によるうっかりミス」に分けられるそうです。本書は、これらの失敗をどのようにすれば防げるのか、失敗できない仕組みをどうすれば作れるのか、工学の視点から様々なヒントが書かれています。

 

 

フォルト・ツリー・アナリシス

 

私が気になったのが「フォルト・ツリー・アナリシス」で、「起こってほしくない現象」がどうすれば起こるのかを書き出していく手法です。工学分野では、自分達の設計や製品製造法に問題がないかを分析するために使われる手法だそうです。

 

例えば、「得意先から一方的な取引中止を言い渡される」というシチュエーションを考えた際、様々な要因が考えられますよね。それらすべての考えられる要因を洗い出し、さらにその要因を作り出す可能性を考え、それぞれがどの位の確率で起こりそうかを考えます。そして、起こる確率の高そうな要因を潰していくという手法になります。

 

ビジネスにおいては、ネガティブに最悪の事態も想定できる人の方が成功すると聞いたことがあります。ただネガティブに考えればよいと言うのではなく、フォルト・ツリー・アナリシスを使って失敗を回避する方法を事前に考えるということが大事なんだろうなと思いました。

 

 

計画の立て方

 

計画を立てる際には、限られたリソース(時間や労働力や協力者)を活用しなければならないので、自分や相手の実力を正確に把握する必要があります。さらに、どのくらいの力を配分して(100%は絶対ダメ!)、いつまでに終わらせるのかも決めます。大きな目標・計画の下には小さな目標・計画を設定して、随時進捗を確認しながらPDCAサイクルを回していきます。

良い計画を立てるためには、自分が仕事に「かかる時間」を正確に把握できるようになる必要があると思いました。いかに「目標を達成するための要件」を言語化できるかがカギになりそうです。

 

小さなステップが一つずつ項目化されているチェックリストを使うのも良いなと思いました。「目標を達成するための要件」を細かく分解して、1作業1チェックにすることで、どこまで仕事が済んだ状態なのかを確認できるし、次に何をしなければいけないのかも明確になると思いました。作るのは面倒そうですが。

 

 

ミスをプラスに転化する

 

ミスをしてしまった時どのように対処するのかはとても重要です。船場吉兆赤福の事件が印象的でした。

船場吉兆は老舗の料亭で、産地偽装と製造日改竄が発覚し、「二度としないので信じて欲しい」と記者会見で訴えましたが、ついには廃業に追い込まれました。一方、赤福も製造日改竄が行われ事件となりましたが、製造日改竄を可能にしていた冷凍設備を壊し、中箱にも製造年月日を打つようにして二度と不正が起こせない仕組みにしたのだそうです。不正発覚から5か月後には復活し、売り上げも回復しています。

ミスや失敗が起きた時は、「今後気をつけます」ではなく、そのミスを「繰 り 返 せ な い」仕組みを考えなければいけないということが良く分かりますね。

 

 

まとめ

 

本書を読んで、失敗やミスは必ず起きること、反省する(反省したようなフリをする)よりもミスを起こせない仕組みを考えることの方が大事だということが分かりました。私もフォルト・ツリー・アナリシスを使ってミスを事前に減らし、細かく目標を立てて失敗しない計画を立て、もし失敗しても同じ失敗ができない仕組みを作ろうと思いました。

脳内トークの活用

今回は、世界一やさしい自分を変える方法(2023年)を読みました。

 

 

著者さんは脳科学者で、様々な研究成果を引用しながら脳内トークの活用について一般人にも分かりやすく書かれています。本書を読んでぜひ自分も使いたいと思った脳内トークをご紹介します。

 

 

 

発した瞬間に脳が思考を停止してしまうNGワードというものがあるそうです。

  • 「わからない」
  • 「できない」
  • 「知っている」

もし、これらを無意識にでも使っていたなら、「でも」をつけて打ち消しましょう。「もし〜なら」と仮定的に変えてみるのも良いですね。

 

 

だからこそ

 

なかなか行動に移せない、何かやろうと思っても思ったようにできない時は、「だからこそ」を使ってみると良いそうです。「だからこそ」と脳内で言うことで、脳はプラスの言葉を検索し始め、適切な言葉を見つけて埋めようとするのだそうです。

「朝からランニングしたいけど、布団から出たくない。だからこそ!痩せるんだし、夜も良く眠れるんじゃないか!さぁ、走りに行こう!」

なんか走れそうな気がしてきます。

 

 

「いったん、頭のバケツの中身を全部捨てよう!」

頭の中がごちゃごちゃで整理できない時は、脳内で「いったん、頭のバケツの中身を全部捨てよう!」と言って、頭のバケツの中身を最後の一滴まで全部を捨てるイメージをすると良いそうです。確かに、スッキリする気がしますよ。

 

 

「あと5分だけがんばろう!」

 

脳は、終わりが明確ではなく今の作業がずっと続くと思うと前頭前野が活性化できず、集中できなくなるそうです。そんな時は、「あと5分だけがんばろう!」といったタイムプレッシャー型の脳内トークが有効なのだそうです。「24時間のうちのたった〇分」や「長い人生のうちのたった○○」も自分を鼓舞するのに良いですね。

 

 

「今やっていることは、将来どのように役立つだろう?」

 

私たちはやる気がないとき、「今やっていることは、自分に関係しない」という脳の認知が働くのだそうです。そこで、やる気が出ない時は、「今やっていることは、将来どのように役立つだろう?」と自分ごと化する脳内トークをすると良いそうです。

確かに私もやる気の出ない時って、頭の中で「こんなこと何のためにしているのだろう」と考えている気がします。すぐ出てこない言葉なので、メモ帳に書いておきたいです。

 

 

「今はまだ、…なだけ!」

 

自信が持てない時、チャレンジできない時は、「今はまだ」をつけると「いずれそうなる」「できるようになる」というプラスのメッセージが自分に伝わるそうです。

ネガティブなことを脳内トークしてしまう時は、「今はまだ」をつけたいですし、他の人がネガティブなことを言った時も、「今はまだ、…なだけ!」と返せるようになりたいと思いました。

 

 

「何が、自分の自信をなくしているのだろうか?」

 

また、ネガティブなことについて「なぜ?(Why)」と問いかけると、脳は否定的なことばかりを探求してしまうのだそうです。そのため、「なぜ?」ではなく「何?(What)」を使った方が良いということでした。

「なぜ?」と言う質問は発想を生み出す時には良いとされていますが、非生産的な思考を招いたり、自分の正しさを過信させてしまうという研究もあるのだそうです。たった一文字しか違いはありませんが、脳の受け取り方は全然違うようなので、注意が必要ですね。

 

 

「充電中!」

 

「疲れた」、「何もしたくない」という時は、「充電中!」と脳内トークすることで脳と身体の疲労が回復していく効果が期待できるそうです。「充電中!」と言った瞬間、脳は自分を第三者(電源に差し込まれている存在)と認識します。外側から自分を眺めることでサードアイ効果も働き、ストレスも軽減されます。

疲れた時は、コーヒーを飲みながらおやつをつまむのも良いですが、頭の中では、いや、敢えて声に出して「充電中!」と言いたいですね。

 

 

「伝えたい事実は何だろう」

 

怒りは「二次感情」であり、「一次感情(悲しいなど)」から自分を守るために発生する感情です。子育ての場面で感情を先に出す怒り方はNGで、脳は気持ちを押し付けられると逆のことをしたくなり、言葉を素直に受け取れなくなるのだそうです。

そのため、相手を叱るときは、感情ではなく事実を伝えることが大事になります。「事実」→「提案」をすることでより素直に指摘を受け入れてくれるようになるということでした。

 

これを上手く行うための脳内トークは2段階です。

①「ぺにょは怒っているんだね」「何がぺにょをイライラさせているのかな?」

まずはサードアイの脳内トークを行い、第三者視点で自分の怒りを落ち着かせます。

 

②「感情ではなく、伝えたい事実はなんだろう?」

次に感情的な態度をとらずに、冷静に事実を伝えるための脳内トークを行います。

 

私のこれまでのしかり方は感情をぶつけるやり方で、全然ダメな方法でした。息子達が言うことを全然聞かないはずです。冷静に事実を伝えることを練習していきたいです。ストイックに真面目にしようとするのではなく、遊び感覚で試してみる位の気持ちの方が変化を感じられるということなので、①ができた、ぺにょすごい!②までできた、ぺにょ天才!くらいのノリで試してみたいと思います。

 

 

まとめ
 
脳は、問いかけられると左脳半球だけでなく右脳半球まで活性化するそうで、優秀な人ほと脳内トークを上手く活用していることが分かりました。過去記事「無意識思考」で学んだような内容もあって、やっぱり脳科学って面白いなと思いました。

エンパスの処方箋

今回は、繊細さは、これからの時代の強さです(2023年)を読みました。私の大好きなアニータさんの本です。

 

 

自分自身が繊細な方だとは思ったことはなかったのですが、本書を読んで「エンパス=繊細な人」とは私のことかも知れないと思ったので、その処方箋を私なりに整理してまとめたいと思います。

 

 

エンパスとは

 

エンパスとは、他人の思考や感情やエネルギーを感じたり、それを吸収してしまったりする非常に敏感な人のことです。

ということで、非常に感受性が強い人(HSP)のごく一部がエンパスなのだそうです。本書を読み始めた時は、そんな人もいるんだ~大変そう程度にしか考えておらず、エンパス診断テストをやってみても、当てはまらないなぁとしか思えませんでした。

 

 

受け取っていい

 

ところが、”エンパスは、与えることは得意ですが、自分のために何かを受け取るのは大の苦手。誰かが何かをくれた瞬間、直ちに自分もお返しをしなくてはならないと思い、気が重くなる”と書かれていて驚きました。まんま、私ではないかと思いました!(過去記事「うかつに幸せになってもいい」参照)

 

ddh-book.hatenablog.com

 

そのためエンパスは、自分の時間や労力を惜しみなく差し出すけれど、お金を請求することが下手で罪悪感を感じてしまうので、お金に苦労することも多いそうです。

 

私も以前、占い師さんに起業の相談をした時、「あなたはお金を受け取るのが下手だから、しっかりやり方を学んでから始めるように」と言われたのを思い出します。私自身も、受け取ってもいい、豊かになっていいという認識に自分の頭を変えていく必要があるのだということが分かりました。

 

 

エゴレベルを高くする


処方箋の一つ目は、自分のエゴを高めるということです。

エゴと自己中とは違います。自己中心的な人は、【気づき】ダイヤルが低く、【エゴ】ダイヤルがとても高い、エゴだけの人です。他人に対する共感性に欠け、常に他人からの称賛を必要とする、いわゆるナルシストですね。

一方、エンパスは【気づき】ダイヤルがとても高く設定されていて、【エゴ】のダイヤルがとても低い状況になっています。もともと【気づき】ダイヤルが高いエンパスは、【エゴ】ダイヤルを高めることで健全な自己価値の感覚を得ることができるそうです。エゴは悪いものではなく、自分を保護し、強化するという認識が必要だということでした。

 

 

自分を愛し、大切にする

 

処方箋の2つ目は、自分を愛し、大切にすることです。

常に自分のバッテリー残量に気付くようにして、常に満タンに充電するよう意識します。自分が楽しめることをする時間を増やして、他人を助けるために、自分の充電をしていると自分に言い聞かせます。自分のエネルギーを最大限に高めるために、グラウンディングをしたり、他人に影響されないよう自分のオーラを調整したり、瞑想してもいいかもしれません。自分のポジティブな面だけでなく、ネガティブな面も全部ひっくるめて、自分を愛することが大事です。

もしも、自分が傷つけられた時は、傷つけた人を無条件で愛そうとするのではなく、自分自身を癒すことを優先して大丈夫です。

 

私は産後、身も心もボロボロになって、自分を大事にすることを学びました。今は、自分自身をミラーボールのように輝かせることで、周囲の人も明るくしたいと思えています。

 

 

上手にノーと言う

 

3つ目の処方箋は、上手にノーと言うことです。

ノーを言うのには罪悪感があるエンパスには、「無為」の対処がおすすめです。
アニータさんは子どもの頃、男の子たちに毎日のようにクッキーを奪われていた時、母に言われて「このクッキーが大好きなようだから、今日はあなたたちの分も持ってきたわ」と言ってクッキーを渡したことで、いじめられなくなった経験があるそうです。相手の敵意を和らげ、自分に悪い感情はなく、むしろなにか与えたいという意思を示す方法があれば、エンパスには最善の対処法かもしれません。

 

一方、自分のエネルギーを奪われ、自尊心を傷つけられてまでその人と一緒にいる必要はありません。他人が変わるのを待っていたり、変わってほしいと望んだりしてはいけません。そんな関係には、きっぱり「ノー」と言えると良いですね。

 

私もこのことは元夫との結婚→離婚で学びました(笑)

 

 

まとめ

 

最初は自分はエンパスではないと思って本書を読み始めましたが、もしかしたら、自分も少しエンパス入っているかも!?と思うようになりました。

客観的に見て、尽くすだけ尽くして受け取れない人というのはすごく残念ですよね。自分が輝けば輝くほど周りの人も輝く、自分がお金をたくさん稼いで使うことで周りの人も幸せになる、そんなマインドに変えていきたいです。

 

しかし、「水は答えを知っている」の引用にはがっかりしちゃいました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

アニータさんの教えは大好きだけど、信者にはなれなさそうです。

うかつに幸せになってもいい

今回は、「誰かのため」に生きすぎない(2023年)を読んで、人間関係のヒントや幸せになるコツが印象に残ったので、特に気になったところをまとめたいと思います。

 

 

本書の著者さんは精神科医ですが、幼いころから死を身近に感じる病気を抱えているそうで、(写真を見るとお若そうな方なのですが)酸いも甘いも知り尽くした年配者のような含蓄のある言葉が胸に響きます。

 

 

何となく不快を手放す

 

自分が好きなこと、幸せを感じることを見つけるというのはこれまでも実践してきたのですが、「幸せ」がなかなか集められない人は、「何となく不快」を手放すと良いそうです。例えば、気乗りしない誘いを断る、嫌な人と距離をとる、シミだらけの服を捨てるなど、小さなことです。

ポジティブなものだけを見ようとするのではなく、ネガティブなものにも注目してみるというのを改めて考えさせられました。

 

 

嫉妬や妬みは単に暇だから

 

嫉妬心が出てきたら、自分の「好き」や「やりたいこと」で自分を暇じゃなくさせると良いそうです。これは、SNSを見ているとすごく感じます。暇なんだなぁ~って(笑)

また、それでもうらやましいが消えないときは、それをバネにしてモチベーションに変えてしまえということでした。これは、過去記事「自分らしく生きる」でもあった、ネガティブな感情をブラックエンジンにしてしまう方法ですね。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

 

つらさやしんどさを誰かと比べて我慢する必要はない

 

これを読んだときに即思い浮かんだのは、緩和ケアにおける「痛み」の考え方です。痛みには「全人的な苦痛」として、①身体的苦痛、②精神的(心理的)苦痛、③社会的苦痛、④スピリチュアル(霊的)な苦痛の4つがありますが、昔、緩和ケアのNSから口を酸っぱくして言われたのは、「患者が痛いと言ったら痛いのだ」ということです。

全人的苦痛

このくらいの傷だから、この程度の治療ではそんなに痛くないはずといったこちら側からの解釈は絶対にしてはいけないということです。歯医者あるあるでもありますね(汗)

つらさやしんどさも全人的な痛みであり、このくらいとか、ほかの人と比べたらということを考える必要は全くないのだと腹落ちしました。自分はつらいんだ!、しんどいんだ!と感じているということをまず自覚して、上手に助けを求めたいですね。

 

 

いろんな人に甘える

 

誰かに助けを求めるとき、一人の人だけに甘えてしまうとそれは依存になってしまいます。そこで、自分の周りにいる助けてくれそうな人を書き出してみて、いろんな人に甘えましょうということでした。

私も一人っ子だったせいか人に甘えるのが苦手で、迷惑じゃないかな、面倒だよね、嫌だよねとついつい妄想してしまいます。しかし、断られたら「関係を続けなくていい人が分かってラッキー」だと考えればよいのだそうです。

 

それでもまだまだ甘えられる気がしない私としては、ギブから始めるという戦略が良いのかなと考えました。エニアグラムタイプ2(助ける人)で、人を助けるのは大好きなくせに、助けを求めるのは苦手なんですよね。感謝の気持ちや態度は求めても、お願いしたり報酬を求めたりできないタチなので、外注する、先払いするといった感覚の方がまだできそうな気がしています。

 

 

なりたい自分になると決める

 

「ありのままの自分を受け入れると決める」

「自分の心と体を大事にすると決める」

「疲れたなと思ったら多少無理しても休むと決める」

「期待する」のではなく、「自分で決める」ことを大事にしてみてください。

この言葉の通りだと思います。

このブログでも「自分で決める」ことの重要性について何度も出てきましたが、自分が幸せになるのも自分で決める必要があると改めて理解しました。

 

 

まとめ

 

実用日本語表現辞典によると、「うかつに」は、

十分に注意せず、不用意に行うさま。動作を形容する。

という意味だそうです。

つまり、「うかつに幸せになる」というのは、うっかりしてたら幸せになっているということです。

人生、思い通りにならないこともあるし、うまくいかないことも多いですが、いちいち思い悩むのではなく、気楽に、楽しく人生を送りたいですね。

かぼちゃの馬車事件

今回は、かぼちゃの馬車事件 スルガ銀行シェアハウス詐欺の舞台裏(2022年)を読みました。

 

 

 

何か聞いたことがある程度で、全然知らなかったのですがこんな真っ黒な背景があったのかと驚きました。本書を読んで学んだことをまとめたいと思います。

 

 

不動産販売会社スマートデイズ

 

本書を書かれているのは、被害者の会「SS被害同盟」のリーダーを務めた方です。最初は誰か他の人がリーダーをしてくれないかとすら考えていた、ごく普通の中間管理職をしていた50代の方なんですよね。

かぼちゃの馬車事件は不動産販売会社スマートライフ(後にスマートデイズに名称変更、以下SDと表記)の不動産投資話を居酒屋で持ちかけられたところから始まります。

  • 女性専用シェアハウスかぼちゃの馬車
  • オーナーが土地とシェアハウスを購入所有し、管理はSDが行う
  • 30年間全室が埋まっている状態での月々の家賃収入を約束
  • 人材派遣会社も兼ねており、家賃外収入として還元する
  • 都内に数百棟あり、9割以上の部屋が埋まっている(HPより)

と言うことでしたが、蓋を開けてみると土地と建物合わせて2億円弱の価値は、実は1億3,000万円程度しかなく、中抜きが行われていたことが明らかになります。入居率9割というのも嘘で、実質は4割程度でした。

SDはわずか数年で経営破綻に陥ったため、賃料の支払いを滞納された不動産投資家(かぼちゃの馬車のオーナー)は、ローンの返済ができなくなりました。オーナー向け説明会ではSDの代表者は一切出て来ず、被害者救済を装いSDやスルガとも裏でつながっている怪しい人物もオーナー達に近づいてきます。

 

 

 

スルガ銀行はSDと結託して詐欺行為をしていたのですが、ローン審査を通過させるために、購入希望者の資産状況を改ざんし、スルガ銀行の上層部もこれを黙認していました。被害者の会の働きかけで第三者委員会が設立され、社員単独の犯行ではなく、経営陣の責任をも明らかにされましたが、当初は、銀行は豊富な資金と優秀な弁護士を使って、長期戦に持ち込んでくるので勝ち目はない、銀行とは争うなと泣き寝入り・自己破産を勧められています。

しかし、被害者メンバーとの出会い、河合弁護士のと出会い、マスコミを巻き込んでの活動が功を奏し、最終目標であった「すべての債務をゼロにして、シェアハウスを購入する前まで時間を巻き戻す」ことに成功しました。

一方、この件を受けてスルガ銀行側は岡野光喜会長兼CEO、米山明広社長ら3人の代表取締役を含む役員5名が退任、 金融庁より不動産投資向けの新規融資を6カ月間禁じる一部業務停止命令まで出され、株価は大幅に下落しました。

 

 

デモの効果

デモのイメージ



本書を読んで勉強になったのは、デモの効果についてです。私も沖縄に旅行した際、基地建設に反対して入口に1人で座り込んでいるデモの方を見ましたが、これで効果あるのかな?という印象でした。

しかし本件では、スルガ銀行の東京支店前でスタンディングデモを行ったり、スルガ銀行の会長である岡野宅前でテレビ局のカメラを従えたデモを行ったりと毎月デモを実行していました。目には見えませんが、国会で取り上げられてたりとボディーブローのようにじわじわと効いていきました。スルガ銀行新生銀行の業務提携話が持ち上がると、同盟メンバーは即座に新生銀行本店前でもデモを行い(もちろん報道も呼んでいる)、提携見合わせに持ち込んでいます。

デモを止めてくれと言われるまで続けた同盟メンバーの尽力には頭が下がります。

 

オードリー・タンが「怒りは蛍光ペンと言っていたように、怒りをデモという形で表し、様々な媒体を使って公表することは世の中を変えるのにとても有効なのだなと分かりました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

 

綿密に計画された野次

 

また、野次もただ一時の感情に任せたものではなく、綿密に計画されていました。SDオーナー向け説明会やスルガ銀行株主総会など、誰がどの位置に座るかやどんな順番でどんな野次を飛ばすかなどLINEを使って綿密な計画を立てて臨んでいたのが印象的でした。

メンバー同士で役割分担をして、野次を飛ばす担当、野次の終了を合図する担当、新規メンバーを募る担当など組織だった動きで会議を紛糾させ、終わるとさっと退散。何なら直後に報道関係者向けの記者会見をする。

これを統括したリーダーはやっぱりすごいと思うし、適材適所で人員を配置し、かつ、冷静な判断とこのような統率だった動きがあっての勝利だったのではないかなと思いました。

 

 

まとめ

 

私は不動産投資はしないなぁと思っていますが、「投資は自己責任」と言われる中で詐欺を明らかにして勝利を勝ち取ったかぼちゃの馬車事件は本当にすごいなと思います。過去記事コーポレートガバナンスでも感じましたが、間違っているものを正しい道に戻すのには、自分を信じて、仲間を信じて、茨の道を乗り越えていく他ありません。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

こういった事例は本当に励まされますし、正義は勝つことを信じて最後まであきらめずに突き進んだ「SS被害同盟」の方々はかっこいいと思いました。

ポジティブ・フリーダム

今回は、オードリー・タン 自由への手紙(2020年)を読みました。

 

 

 

 

オードリー・タンの本は過去にも読んだことがありますが、とにかく色々と凄すぎて、次元の違う人という印象です。小学生の頃、IQテストを受けたら高すぎて測定不能だったとか…

 

ddh-book.hatenablog.com

 

彼女の描く未来について、考えたことをまとめたいと思います。

 

 

ポジティブ・フリーダム

 

オードリータンの目指す自由な姿は「ポジティブ・フリーダム」だそうです。

「ポジティブ・フリーダム」とは、自分だけでなく他の人も解放し、自由にしてあげること

みんなが自由になるにはどうすればいいのか、具体的なToDoを考えること。

自分の可能性を力に変え、その力を誰かのために役立てることです。

一般的に「フリーダム」からイメージされる、個人として既存のルールや常識、これまでとらわれていたことから解放され、自由になることは「ネガティブ・フリーダム」なのだそうです。オードリー・タンの考え方の中には、常にみんながという部分が出てくるのが印象的です。

 

 

怒りの蛍光ペン

 

大臣という仕事上、市民から怒りを向けられることも多いかと思いますが、オードリー・タンに言わせると、「怒り」は「蛍光ペンなのだそうです。デモや運動などが起きている問題は、今解決しなければ次には「無力感」が訪れると言います。とりわけ格差問題はどこも深刻な問題であり、その解決策としてオードリー・タンは以下のような考え方を話していました。

①自分へ問いかけをする

②広げる行動をする

格差を系統的に減らそうと思うのなら、単独で行動するのではなく、ハッシュタグという「声」を出し、広げ、巻き込んでいくことです

怒りは拡散しやすく、増大しやすいものです。アイスバケツチャレンジのように、人々が不平等に対して声をあげることを制するのではなく、良しとする姿勢が伺えます。

 

 

支援のAI

 

オードリー・タンは4~5歳の頃に「ドラえもん」を知り、夢中になったのだそうです。そして、この「ドラえもん」こそ、支援のAIのモデルかも知れないと言います。「今いるのび太の世界」ののび太がうまくなじめるようにするのがドラえもんの役割であり、のび太のび太らしく成長できるよう手伝ってくれる、つまり、社会になじめない人々を支援するAIのモデルだという訳です。

そして彼女はAIの発展は脅威ではないと述べます。その理由としては、テクノロジーで労働力を補うことができる、テクノロジーは認知労働も供給しうるということですが、私たちが自主性や相互関係、共有の価値観などを大切にするのであればそれは補助的なものにしかならないということです。プログラミングやライティング、データ分析であれ、「その技術こそが自分だ」と考えてしまうとAIは脅威になってしまうと指摘します。

 

 

資本主義・社会主義

 

台湾は「社会民主主義国家」であり、社会主義と資本主義が共存していると述べます。

国民健康保険証を機械に通すときには社会主義の中にあり、クレジットカードを機械に通すときには資本主義の中にある」

公共サービスは最も大変な状況にある人達の声に耳を傾け、彼らの考えを反映させるという根本的な考え方に沿って公共サービスが行われ、ベーシックインカムについても協議されているということでした。

過去記事リベラリズムからポスト資本主義」でも、資本主義のその先について様々な考え方があることを学びましたが、台湾の動きにも注目していきたいと思いました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

 

まとめ

 

本書を読んで一番印象に残ったのは、やっぱり「ドラえもん」の話です。過去記事「頑張れない非行少年」の問題、認知症精神疾患を抱える家族の支援など、ドラえもんのように繰り返し繰り返し、その人が社会になじめるように支援してくれるロボットが居れば良いなと思いました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

オードリー・タンの見ている世界の高さが違い過ぎて、とても自分がちっぽけな存在に感じます。もっともっと広い視点で、自分だけでなく他の人も解放できるような人間になりたいなと思いました。

睡眠中の脳は働いている

今回は、最新の睡眠科学が証明する 必ず眠れるとっておきの秘策!(2017年)を読みました。

 

 

 

 

何だか読みやすいし、知っている内容が書かれているぞと思ったら、去年読んだ「オレキシン」を発見した先生が書いた本でした。しかも、ブルーバックスよりもさらに一般向けで読みやすい!

 

ddh-book.hatenablog.com

 

最近はビックリするくらいよく眠れるのですが、元不眠症睡眠薬情報マニアの私が覚えておきたい知識をまとめたいと思います。

 

 

ノンレム睡眠中の働き

 

ノンレム睡眠

入眠後訪れるのがノンレム睡眠です。入眠直後の深いノンレム睡眠時に成長ホルモンが出るそうで、22時から2時が成長ホルモンのゴールデンタイムというのは間違いなのだそうです。

ノンレム睡眠中には脳脊髄液が脳の細胞まで浸透し、不要な老廃物を洗い流しているそうです。また、同時に増えすぎたシナプスの削除を行い、脳を最適化する作業もしています。これは、脳が機能を休めている時にしかできない作業ですね。自分にとって重要な情報経路を選別するため、無意識に何が大事だと考えているのかによって選抜される脳の回路が異なるということであり、夢ノートや引き寄せに繋がるような話じゃないかと思いました。

そして、記憶の固定は、ほとんどはノンレム睡眠中に行われていることも分かっているそうです。

 

 

レム睡眠中の働き

 

レム睡眠

レム睡眠中は、目が動き、脳は起きていて活発に活動しますが、脳幹から脊髄に向けて運動神経を麻痺させるシグナルが送られるため、身体との連絡は遮断された状態になります。そのため、レム睡眠時に目覚めると金縛りの状態になりますし、ちゃんと遮断されないと寝ながら歩き回ったりしてしまうそうです。

レム睡眠中は「海馬」や「扁桃体」などが含まれる大脳辺縁系と高次視覚野が活発に働いていることから、「うれしい!」「楽しい!」「怖い!」「大変!」「不安!」といった強烈な情動体験を映像的に夢で見ているそうです。一方、論理的思考を司る「背外側前頭前野」は活動を低下させているため、非論理的なことが起こりがちで、夢の中では「おかしい!」と感じるシステムも働いていないのだということでした。

これは経験ありです。空を飛べたり、亡くなった人が出てきたり、変な夢はレム睡眠中に見ていたということですね。

レム睡眠では情報の重みづけと整理を行っているのではないかと推測されているそうで、レム睡眠も人間が生きる上で絶対に必要であることは間違いないそうです。

 

 

睡眠禁止帯

 

夜に向けてだんだん眠くなるのかと思っていたら、一時的に覚醒出力が上がる時間帯があるそうです。普段夜11時に寝る人であれば、その直前の夜8時から10時くらいにかけては、「睡眠禁止帯(Sleep Forbidden Zone)」と呼ばれる一日のなかでいちばん寝られない時間帯なのだそうです。

いつもより早く寝ようとしても眠れないということがありますが、睡眠禁止帯だったのかと納得しました。

 

また、朝きちんと起きて、集中力や注意力を高め、脳を積極的に活動させると、自ずと睡眠負債が溜まり、そのリカバリーのために睡眠の要求度が高まるそうです。

普段と違うところに出かけたり、大事な発表やプレゼンをした日は、就寝時間に関わらずやたらと眠くなるのはこういうことですね。年をとっても脳を疲れさせるような新しい経験・体験は積極的にしていくべきだなと思いました。

 

 

睡眠薬の使い方

 

また、睡眠薬は『眠れる』体験を得られたら卒業することが大事なのだそうです。日本でよく用いられるベンゾジアゼピン系」「非ベンゾジアゼピン系」の薬は中枢神経に作用する薬で、本来の睡眠とは違う形で睡眠を促し、服用をやめると不眠症になりやすくなるという困った特徴があります。

私もムズムズ脚症候群で眠れなくて、内科で睡眠薬を処方してもらっていた時期がありますが、あえて何も言わずに睡眠薬を出してくれる先生のところに通っていました…。反省です。

今は、オレキシン受容体拮抗薬など違うタイプの睡眠薬もあるそうなので、ちゃんと説明してくれて、薬を飲まなくても眠れるというゴールを一緒に目指せる先生にかかりたいですね。

 

 

まとめ

 

睡眠時間は7時間が良いと言われますが、人によって最適な睡眠時間は違うし、熟睡感や寝起きのスッキリ感ではなく、昼間のパフォーマンスで判断した方が良いということでした。7時間寝ないといけないと思いすぎるのは良くないですね。

また、寝ている間に脳内のクリーンアップが行われるため、認知症にならないためにも、しっかりと自分に必要な時間寝れるような生活をしようと思いました。

自分らしく生きる

今回は、わたしたちは、いつだって好きなことをして生きていける。(2019年)を読みました。

 

 

著者さんは3つ子ちゃんのママだそうですが、本当に肩の力が抜けるような内容で、自分らしく生きるヒントがたくさん書かれていたので、私自身の学びになったところをご紹介したいと思います。

 

 

利用される人になる

 

知り合いに利用されるということは、自分に「会いたい」と言ってくれる人がたくさんいるということであり、自分に価値があるということだそうです。素敵な女性になればなるほど、利用される女になるということは、利用されるのはむしろ喜ばしいことじゃないかと気づきました。

 

 

勝手に幸せな妄想をする

 

人と会う時、嫌われることを怖がるのではなく、「わたしのことが好きなのかな?」「わたしに会えることを喜んでいるんだ」と妄想することで、人間関係が楽しいものに変わります。

妄想は自由だし、誰にも知られる訳ではないですよね。私も人と会うのが苦手なので、人と会う時はこういうポジティブな思い込みをしたいなと思いました。

 

 

計算高い行動をする

 

計算高いと言うと、何だか嫌なイメージがありますが、人から教えてもらったことはやってみて、お礼と一緒にやってみたことを伝える、感謝をどうやったら楽してもらえるか(落ちてくるのか)を計算高く行うということです。本人のいないところで褒めたり、お礼のお手紙を書いたりと、相手を喜ばせるようなことは、計算高く、積極的にしよということだと理解しました。

 

 

嫌いなものにも目を向ける

 

著者さんは好きなものにフォーカスして生きていた頃、そこまで幸せではないことに気づいたのだそうです。物事は陰と陽。嫌いなものに目を向けることで好きなものが引き立ち、より幸せを実感できるということが分かりました。絶対に見返してやるというネガティブな気持ち(ブラックエンジン)も使い方次第ですね。

そういえば、私の大好きなアニータさんも、自身に沸きあがる感情を味わい尽くせと言っていました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

自分のネガティブな面まで受け入れて活用してこそ、自分らしく生きれるのだと思います。

 

 

迷ったときは「楽しそうなほう」を選ぶ

 

これは、私もいつもそうしています。「ねばならない」は大嫌いです。

どちらをすべきか迷う時は「楽しそうなほう」を選ぶ、人から食事に誘われた時は、同性であれば一緒に過ごすと楽しそうかどうか、異性であればお金を出してでも話を聞きたいかどうかで返事をする。子どもとのお出かけでも、自分が楽しめる場所にする。

自分自身の選択基準をしっかりと持って、必要があれば断りの言葉まで決めておくと、とても生きやすくなるよねと納得しました。

 

 

見栄のためでないのなら、お金を使ってOK

 

お金の哲学については、過去記事「豊かさ意識」でも触れましたが、背伸びしたお金を使う時、自分の見栄のためにお金を使うと、お金は無くなってしまうそうです。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

「お金をたくさん使ったらたくさん入ってくる」時というのは、お金を使う時に、「欲しかったものが手に入って嬉しい!」、「お金を使うと誰かが喜ぶ」、「お金を使うことはいいことだ」と感じられるかが大事だということでした。

まさしく、「お金はありがとう」ですね。繰り返し繰り返し自分にも言い聞かせて、完全に自分の無意識に定着させたいです。

 

 

がんばります→必ずします

 

また、「がんばります」と言うのをやめるとお金が貯まるのだそうです。自分が「がんばります」と言った時って、本当の言葉の意味は、「いつになるか分からないけど、きっとしますよ。あはは~」なのではないですか、ということです。

著者さんは、感情のこもっていない言葉を使う必要はないと思い、封印されたそうです。そして、「がんばります」ではなく「必ずします」と言うようにしたところ、「責任感」が芽生え、仕事を期日までに完遂し、人から信頼されるようになり、預金残高が増えたということでした。

言霊と言いますが、言葉には力が宿りますよね。私も過去記事「スモールビジネス」で「頑張ります」を使っていたなと反省しました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

これからは、私も「必ずします」を使っていきます。

 

 

まとめ

 

双子の子育てだけでも本当に大変なのに、3つ子を育てるなんて想像を絶する大変さではないかと思います。腕は2本しかありませんから、2人までは捕まえられても、もう一人は取り押さえることもできないですよね。私自身も子育てを通して成長したなと思うところが沢山ありますが、本書を読んでいても様々な失敗や苦労を通して学んでこられた方なんだなということが良く分かりました。

本書を読んで、自分のネガティブな面にも目を向けて良いんだ、自分らしく生きていいんだということを学びました。

シングルの生き方

今回は、「選択的シングル」の時代 30カ国以上のデータが示す「結婚神話」の真実と「新しい生き方」(2023年)を読んで、シングルの生き方を肯定的に説明したい!という執念のようなものを感じましたのでご紹介します。

 

 

 

 

シングルとは

 

本書ではシングルを以下の分類しています。

未婚の人(同棲経験あり・なし)

離婚した人(子どもあり・なし)

配偶者に先立たれた人(子どもあり・なし)

※単身世帯…出稼ぎもありうる

これだけシングルを幅の広いものとして考えると、同じカテゴリーには分類できない、それぞれ違った人生を歩んでいるのではないかと想像されます。

 

 

結婚神話

 

世界には、結婚が義務である宗教もありますし、日本でもそうですが、ある年齢を過ぎると周囲の人から「結婚はまだなのか」とせかされたり、言葉以外での圧力(偏見やプレッシャーなど)を感じるようになります。

「結婚すべきだ」という神話を一つ一つ、データや研究結果を用いながら崩していくという構成になっています。世界中で結婚という制度や習慣を放棄し、シングルとして生きる人が増えていると強調されていました。

 

 

 

中でも、結婚による幸福度は高いが、離婚や死別によってシングルの人よりも幸福度が下がると力説します。シングルは、長い時間をシングルとして過ごすため、シングルとしての生き方(休日の過ごし方、家事、人付き合いなど)を時間をかけ築き上げることができます。

しかし、シングルには社会制度でも、会社の役割分担でも不利益があることを説明し、マイノリティーへの対策と同じように、シングルに対してもウェルビーイングを高める政策・研究をすべきだと主張します。

 

 

子育て

 

本書を読みながら考えたことは、生物学的に考えると、子孫を残すことが人間の生きる目的だよねということです。人口増加、食糧不足の問題があるので、増えることが最善だとは言えないのかも知れませんが、子育てという仕事を結婚関係の中やシングルとしての生き方の中から排除しているのではないかと感じました。

また、政治的に見ると、子供が減れば税収が減り、運営が難しくなります。社会制度が子育て世帯に優遇する理由の一つは、そのためではないでしょうかね。

シングルにも権利を!という話ばかりでシングルの子育てには一切言及しておらず、3人子育て中のシングルママとしてはちょっと不満でした。

 

 

まとめ

 

冒頭にも書きましたが、本書にはシングルに対する執着・執念のようなものを感じました(引用数も尋常じゃない)。シングルが増えているので、シングルに対する政策や住居物件を充足させるべきだという主張にしても、シングルが増えれば資本主義の見えざる作用によって必然的にそうなると思います。そして、私もシングル(離婚した人)の一人ですが、シングルだろうと、パートナーがいようと、結婚してようと、その人が選択すればいいのではないかなと思います。つまり、それぞれが自分軸で生きれば良いのではないかと言うことです。

自分を幸せにすることはできるのは自分なので、自分を大切に生きることが大事だなと感じました。

コーポレートガバナンス

今回は、決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8ヵ月(2022年)を読んで、コーポレートガバナンスというものについて学び、色々と考えたのでまとめたいと思います。

 

 

 

 

 

コーポレートガバナンスとは、「企業経営において公正な判断・運営がなされるよう、監視・統制する仕組みのこと」を言います。経営者が株主利益の最大化を図って運営しているかを監視する仕組みとして、社外取締役監査役および委員会の設置、取締役と執行役の分離などを行います。

LIXILのガバナンス体制_イメージ図


2021年の日本経済新聞社の調査では、LIXILの「ガバナンス」偏差値は77.5で最上位だったのだそうですが、これは、2018年に起きたガバナンスを巡る壮絶な戦いの成果であり、それをまとめたものが本書になります。(上図は本書に書かれていた内容を抽出したイメージを勝手に描いただけであるため、必ずしも正しいものではありません。LIXILでは社外取締役の半数は女性が占めるのだそうですよ!)

 

 

LIXILの社長交代劇

 

それはおかしい!と私も叫びたくなるような勝手な社長解任劇だったのですが、それを覆すには壮絶な苦労がありました。

社長交代の経緯を簡単に時系列に沿って概要を示すと、以下の通りです。

 

【2018年】

10月19日 トステム創業家出身で取締役会議長であり指名委員のメンバーでもある瀬戸氏と現社長兼CEO潮田氏が会食
人事に関する話は一切なし

  ↓

10月26日 指名委員会 開催

潮田は委員に「瀬戸が辞任を表明した」と説明

「瀬戸の意思を確認した上で」という条件のもと、潮田と山梨(指名委員会委員長)を瀬戸CEOの後任とするという決議が行われる

  ↓

10月27日 潮田より瀬戸に「指名委員会の総意で辞めてもらう」という電話がある

  ↓

10月31日 2度目の指名委員会

瀬戸の意見を確認する予定だったが行われず、瀬戸のCEO退任、潮田のCEOと山梨のCOO就任が承認される

  ↓

10月31日 取締役会で瀬戸のCEO退任、潮田のCEOと山梨のCOO就任を決定

 

 

言った言わない論争

 

瀬戸CEOは、一時は指名委員会の総意なのであれば…とCEO退任を受諾しますが、指名委員会のメンバーの複数から「瀬戸が辞意を表明したため委員会が開かれた」と聞かされます潮田は10月19日の会食で瀬戸が急に辞めると言ったと主張し、瀬戸は言っていないと主張し、取締役会は言った言わないの争いで紛糾しました。

監査委員長の提案で第三者に経緯をまとめてもらうことになりましたが、「調査報告書」とは内容が明らかに異なり、潮田が正しいという内容に改竄された「調査報告書要旨」を潮田CEO(当時)は公表しようとします。

最終的にはLIXILグループは、メディアや機関投資家から「会社にとって都合の良い「報告書要旨」を出した」と猛烈な批判を招くことになったということでしたが、ガバナンスの正反対である経営者の暴走、忖度、不正がまかり通る状況だったということが良く分かります。この後も色々とあるのですが…

 

 

株式会社とは

 

株式会社を「所有」の視点で考えれば、「会社は株主のもの」となります。今回のLIXILの争いでは、最終的に株主総会が最終決着の舞台となりました。会社側(執行側)があーだこーだ言っても、株主の賛同を得られなければ実行することはできないということが良く分かりました。

しかし、株主は持ち株比率によって権利の範囲が異なるため、今回のような大企業であれば臨時株主総会の開催に必要な3%以上の株式を持つ株主を集め、賛同を得るのは大変なことです。そのため、情報、コネ、人脈が要であり、弁護士やコンサルなどを雇う必要もあって、莫大な費用がかかるのだということも分かりました。

と、いうことは、小さな会社では経営者による独裁や私物化が横行しやすい反面、意思決定はスピーディーだということですね。

 

 

アクセルとブレーキ

 

企業のガバナンスが大事だということはとてもよく分かるのですが、日本はまだまだ充分ではないなと思いました。それは、ビジネスシーンだけでなく、教育や政治やいたるところでそう思います。

独裁者が生まれない仕組みを作らなければいけない、私物化を防ぎ、暴走する時のためにブレーキをかけられる仕組みを作っておく必要があるのはもちろんそうなのですが、結局のところ、自分たちで自分の首を絞めているような気がしてなりません。小保方さん事件以降の研究分野もそうですが、手続きばかり煩雑になり、書類や審査、会議がやたらと増えていきますよね…

 

 

まとめ

 

瀬戸さんの座右の銘"Do the right thing"だそうですが、正しいことをすることが(日本では?)こんなに大変なのかと思いました。

もちろん仕組みづくりも大事ですが、上に立つ人には必ず心理的安全性の高い環境を整え、反対意見を聴くというマインドが必要なのではないかと感じました。常に自分に賛同してくれる人がいる環境というのはとても心地いいものですが、あえて反対意見が出る環境に身を置かなければ、気付かないうちに階段を滑り落ちることになると本書を通して改めて学びました。

ユダヤ教の教え

今回は<新版>ユダヤ5000年の教え(2016年)を読んだので、ユダヤ教について学んだことをまとめたいと思います。

 

 

基本的なユダヤ教の考え

 

  • ユダヤ教において、唯一絶対の神にして万物の創造主が"YHVH"。 
  • 金曜の日没から土曜の日没までの間を聖なる日安息日と定め、一切の「労働」が禁じられている。(文字を書いてもいけない)
  • 豚、イカ、タコ、エビ、カニ、貝類など食べてないけない食材がある。
  • 学びの民族ユダヤ教では聖書を学ぶことが神に祈ることだとされ、識字率はほぼ100%
  • 旧約聖書とタルムードは生活のバイブル、困ったときはラビ(宗教指導者)に相談する。
  • 長年迫害を受け、土地を所有することも製造業につくことも許されなかったため、商売がうまい。

 

 

お金について

 

ユダヤ人はキリスト教徒のように、金銭を罪深いものであるとは考えません。金銭は、機会を提供するものだと考えているそうです。

財産をたくさん持っていると、心配ごともそれに応じて増える。

しかし、財産が〝まったくない〟ほうが、心配ごとは〝多い〟。

 

 

お金があったほうが、人生でいろいろなことができる機会が増えるという考え方は好きだなと思いました。ほかにも沢山のお金にまつわる格言があり、ユダヤ人は幼い頃からお金の考え方について学んでいるので、お金に強いし、成功しやすいのだということが分かりました。

 

 

結婚について

 

ユダヤ教では、結婚は必ずしなければいけませんが、ラビに認められれば離婚も可能なのだそうです。息子が結婚する時にはまず母親に離縁状を渡さなければなら、妻は母親と離縁してもよいと思える女性でなければなりません。一方で、結婚は理性的なものであり、恋愛に溺れてはいけないとも教えられます。結婚指輪の習慣はユダヤ教発祥だったそうで、結婚とは始めも終わりもないほど長いことを象徴しているのだそうです。

 

嫉妬や嫁姑の問題、自由を奪われることなど、結婚についての教えについても、なかなか親の主観が入ってしまうため、子どもに伝え聞かせるのは難しいよねと思いました。これらの哲学を長い経験に基づいた教えとして学ぶため、離婚率も低いし、迫害に遭っても滅びず、子孫を残していくことができたのではないかと思いました。

 

 

笑い

 

生物のなかで人間だけが笑う。

人間のなかでも、〝賢い者ほどよく笑う〟。

ユダヤ人は、笑いには大きな教育効果があると考えているのだそうです。ジョークを理解するには、素早い頭脳の反応─連想力と、多角的な幅広い知識が要求され、絶え間のない訓練になり、多面的な視点で物事を見なければいけません。

 

どうせハムを食べるなら、〝おいしく〟食べたほうが良い。

というように、辛いこと、嫌なことがあってもポジティブに考えてしまいなさいという教えは、ユダヤ人が生き延びる糧だったのだと思いました。

 

 

まとめ

 

現存する世界最古の国家は日本で、2024年には建国2,684年になるそうですが、ユダヤ民族は5,000年にわたりその存在を維持してきました。ユダヤ教に宣教者は居ませんが、日本と関係があったかも知れないという話もありましたね。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

本書を読んで、長きにわたって受け継がれたユダヤ教の教えは人が生きる上での知恵が詰まっているのだということが良く分かりました。とは言え、今さら豚肉もエビを食べない人生なんて考えられないので、日本人でよかったなぁと思います。