歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

リクルートを作った男

元旦から風邪をひいてしまい、何日も寝込んでいて、更新を飛ばしてしまいました…(涙)ようやく元気になって、本も読めるようになりました!

 

というわけで、今回は、起業の天才!江副浩正 8兆円起業リクルートをつくった男(2021年)を読み、リクルート事件の中心人物がどのような人だったのか、分かったことをまとめたいと思います。

 

 

 

祖父の言葉

 

江副浩正は幼い頃から祖父に、

「浩正、おまえは軍人か、(中略)検事になるか、名前が新聞に載るような人間になれ。少々悪いことでも構わん。ただし、刑務所に行くようなことは絶対にしてはならん」

と言われて育ったそうです。倫理的に悪いと思われることでも、法に抵触しなければOKという土台は祖父の言葉から培われたのだと分かります。稲盛和夫は「お天道様が喜ぶ判断をせよ」というタイプなので、第二電電創業メンバーから江副を外す決断を稲盛がしたのも頷けました。

 

 

先見の明

 

江副は東京大学新聞で採用情報を掲載してから、採用情報誌を作りましたが、紙の情報はネット化すると確信し、先述の第二電電への出資など早々に動き始めます。Googleよりも15年早く、オンラインの中古不動産情報サービス「住宅情報オンラインネットワーク(JON)」(1983年)をサービス開始し、Googleマップの20年前には、日本版Googleマップをやろうとしていたのだそうです。結局、法律や(元)国営企業に阻まれますが、大企業を引っ張る人というのは、先見の明に優れているなと感心します。

Facebookメタバース(3次元仮想空間)の覇権を狙い、社名をMetaにしましたが、今江副さんが生きていたらメタバースに夢中だったかもしれませんね。

 

 

人材採用

 

江副は、日本のアンドリュー・カーネギーなのだそうです。カーネギーの墓には以下のような墓碑銘が刻まれていますが、江副も優れた人物の採用には並々ならぬ力を注いでいました。

「自分よりも優れた者に働いてもらう方法を知る男ここに眠る」

かつての慣習であった教授のコネ採用を横からさらったり、地方の優秀だけど大学進学できなかった学生に声をかけたり、海外研修中の日本人を引き抜いたりと、敵を作ってしまうような手段でも優秀な人材をどんどん採用しました。

 

 

「君はどうしたいの?」

 

そして、社員には自ら考え行動する文化を植え付けていきます。江副は決して社員に「こうしろ」とは言わず、「君はどうしたいの?」「それで?」と誘導していき、「先生! おっしゃるとおり。さすが経営者ですねえー!」「じゃあそれ、君がやってよ」と当事者にしてしまうのだそうです。

また、就活で差別されて悔し涙を流した女子学生、在日コリアン(在日韓国・朝鮮人)の若者にも同じ機会を与え、年功序列企業ではできないような仕事をどんどん任せるので、企業全体に活気がみなぎり、どんどん前に進んでいく企業文化が培われていたことが分かりました。

 

 

まとめ

 

最近も自民党の政治献金が問題になっていますが、当時から政治とお金の問題は企業活動とも密接に関連しているんだなと思いました。政治家はお金持ちのために政治を動かしていて、今も昔も国民のために仕事してないんだねとなんかガックリしました。

江副さんは法律や政治的圧力に仕事を邪魔された経験から政治家を味方につけようとしたのだと思います。同じことを繰り返さない仕組みをどうにかできないものなのでしょうかね…