今回は、「できるリーダーになれる人は、どっち? 話し方・考え方・聞き方……「ここ」で差がつく! 」(2023年)を読みました。
できるリーダーは「メタ認知スキル」が高いのだそうですが、誰でもいきなりリーダーになれる訳ではありません。ビーフストロガノフを見せられて、「はい、今から作ってください」なんて言われても無理な話です。リーダーになる前からリーダーとしての視点、考え方(お料理で言うところのレシピと手順)をちゃんと学んでからリーダーになるべきだと分かりました。
本書はリーダー育成をされている方の視点で、できるリーダーになるための準備について説明されています。
会社は誰の満足のために仕事をしているのか?
リーダーになるには、当方相手方ともにどのような利益相反関係があるのか、その関係性をよく知っておく必要があります。過去記事「コーポレートガバナンス」でもありましたが、株式会社は株主の満足のために仕事をしています。
ここを押さえた上で、私が考える理想の上司ポイントをまとめたいと思います。
リーダーになるというのは、陸上競技からサッカーに急に変わるようなものだと説明されています。サッカーの監督は、さまざまなポジションの選手たちが各自の仕事を全うできるように采配をふるい、選手が能力を最大限発揮できるように見守ります。
これは、一人ひとりの強みや弱み、キャラや性格を知っていないとできないことだと思います。部下を本人以上によく知っていて、適材適所、それぞれの力を引き出してくれる上司のもとで働きたいなと思いました。
「人間は感情の動物」と言われますが、できるリーダーは自分の感情を客観視することができます。怒りの感情が湧き起こっても、それをそのまま相手に向けることはありません。冷静に、一歩引いた表現で自分の感情について語ることができるということです。
私も上司に何度となく怒られましたが、ただ感情をぶつけられた時ほど不快なことはありません。何に怒っているのかさえわからないと当惑するばかりですよね。感情を伝える時でも、客観的事実+それに対する上司の感情で伝えてくれる上司がいいなと思います。
できるリーダーは、自分の意見を主語を省略せずに伝えたあとで、周りの意見も聞く姿勢を示すそうです。
やっぱり、心理的安全性の高い環境が働きやすい職場の条件だと思います。一方、私は過去記事「リクルートを作った男」を思い出しました。
江副氏の「君はどうしたいの?」「それで?」と誘導していき、「じゃあそれ、君がやってよ」と当事者にしてしまうというやり方悪くないと思うのです。上司が先に自分の意見を言ってしまうと、場合によっては忖度してしまうと思いました。
できるリーダーは優れた脚本家なのだそうです。どう伝えると相手のYESや望む返答を引き出せるのか、どういう会話のデザインをすれば、相手も自分もハッピーな結末を迎えられるのか、逆算して会話を組み立てる、つまり、シナリオを作ることができます。
これには、普段から部下とコミュニケーションをして、一人ひとりの性格や目標などを把握しておく必要があると思います。そして、もし上司が部下をコントロールしようとする態度を見せれば、部下もそれを敏感にキャッチして反発しますよね。純粋に部下に興味を持ち、部下のためを思ったシナリオ作りができなければいけないと思いました。
本当に職場というのはリーダー次第でガラッと変わりますよね。モラハラ、パワハラはもってのほかですが、自分のことしか考えていない自分第一主義上司、話しかけるなオーラを常時発動している上司、意見を言うと不機嫌領域展開する上司とは仕事したくないです。
本書を読んで、理想の上司はメタ認知が高く、部下のことを一生懸命考えてくれる人だと分かりました。一方、部下もメタ認知を高くして、上司の視点で物事を見る練習をしておかなからばいけないということを学びました。