歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

謝罪ができない人

今回は、「謝罪の作法」(2014年)を読みました。

 

 

私が人生で一番印象に残っている謝罪は、二十歳を超えて父と大喧嘩した時に実家から出ていけと言われた際、「ごめんなさい。一緒に住ませてください。」と言えたことでしょうか。私も父も頭に血が上っていましたが、今すぐ出ていくことも叶わない、私が折れるべきだと頭のどこかで冷静に判断したのをよく覚えています。

 

謝罪ができない人

本書には謝罪の作法として段階を追って注意事項が細かく書かれており、全体を読んで私の頭に浮かんだ言葉は、稲森和夫が経営破綻したJALの会長となり、役員たちに語った「人間として正しいことを追求する」でした。

 

 

そして、本書を読んで特に印象深かったのが、「謝罪ができない人」についてです。謝罪が出来ない人は年齢を問わずおり、近年増えていると感じるそうです。

 

感情に拘束される

「謝罪ができない人」の特徴として、自分の感情に強く拘束されていて、客観的判断ができないことが常態化している人だと述べられていました。また、感情のコントロールとは、「いったん、脇に置く」ということであり、感情を忘れようとしたり、なくすことは不可能だそうです。プライドや恥意識も謝罪ができない人によく見られます。

過去記事でメタ認知について書きましたが、感情から離れて、自分を客観的に見ることができる人は、きちんと謝罪ができる人になれるということですね。

ddh-book.hatenablog.com

 

価値の置き方を修正する

「プライドの置きどころ」がずれてしまったために謝罪ができない人は、自分のプライドとは何か具体的に書き出してみると良いそうです。

  1. 誰に詫びるか
  2. なぜ詫びるか
  3. いつ詫びるか

という3つの要件が満たされてない場合、その謝罪は失敗してしまいます。

特に2の「なぜ詫びるのか」をしっかりと価値の中心に添えて、自分の感情やプライドは脇に置いておくことが必要なのだということが分かりました。

 

謝罪を乗り越えた先に見えるもの

きっと、著者さんはとても苦しい局面を何度も乗り越えてきたのだな、ということが文章の端々から感じました。

構造的に取り組んでいる謝罪のプロセスを、組織上位者が破壊することがあります。

…あったんですね(>_<)

奴隷よりまし。それが筆者の送るメッセージです。

…かなり辛い思いを経験されたんですね(T_T)

謝罪の先にある青空の下、栄冠を得られることを祈ってやみません。

…成し遂げた人間にしか見えない景色が想像できますね。

 

まとめ

日本人は失敗に対して最悪を想定することが苦手なのだということは、過去記事「言霊信仰」で学びましたが、事件・事故が起きた後の謝罪法についてもあまり向き合ってこなかったのではないかと思います。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

インターネットやSNSで切り取られた情報が拡散してしまう現代の状況を踏まえ、謝罪対応においては、構造的に、かつチームで対応することが必要であり、シュミレーションをしっかりしておく必要があるということが分かりました。