今回は、池上彰の「社会に出るあなたに伝えたい なぜ、いま思考力が必要なのか?」(2022年)に言霊信仰について書かれていたのでご紹介します。
言霊
「言霊」は江原啓之さんがよく使われる言葉で、東京FMの「おと語り」でもよく取り上げられているので気になってしまいました。
本書から引用すると、
もともと日本には、言霊信仰というものもありました。言霊信仰は奈良時代までの歌を収めた現存する最古の和歌集『万葉集』にも登場する、古くからある日本人らしい考え方です。
ということで、古くから日本人に染み付いている考え方だということが分かりました。
「失敗した時は…」と言えない日本人
言霊信仰がある日本人は「不吉なことを言うと、それが実現してしまう」という考えから、万一に備えるという話を出せなくなる傾向があり、それが無謀だと分かっていた第二次世界大戦へ突き進んだ要因の一つではないかということです。
不都合なことは考えたくない、失敗したらなんて考えたくないという日本人に共通する信念が、合理性に欠ける「思考停止」を引き起こすというのは、社会生活を送っているとあるなぁ、分かるなぁと思いました。
良い言霊を使う
となると、日本人の言霊信仰を消し去ろうとするのではなく、悪い点を理解して、良いところを伸ばすよう意識し、良い言葉を選んで発する必要がありますね。
夢ノートや引き寄せの法則、思考は現実化するといった、自己啓発やスピリチュアルに近い話に近づいていくことに気付きました。
日本とイギリス
本書では、2022年度から変わる高校の社会科についても取り上げられており、イギリスとアメリカの関係、日本とアメリカの関係についても分かりやすく説明がされていました。この頭にスッと入る説明は、さすが池上彰さんです。
先日「大英帝国の衰退」について読んだばかりだったので、また違った視点からイギリスの歴史について見た感じでした。本当に一つの視点から見ただけでわかったと思うのは危険ですね。
まとめ
本書の主題は「思考力」であり、これまでも何度出てきた自分の頭で考えること、原因は一つではなく様々な原因が織り混ざっていることを常に忘れないことが大事だよねと再認識できました。私も日本人として、良い言霊を意識して使っていきたいです。