歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

ユニバース25実験

今回は、それでも今の居場所で良いですか(2023年)を読みました。

 

 

本の内容としては、今自分のいる環境が人生を左右するよねということなのですが、最後の章に書かれていたアメリカで行われたマウスを使った実験の内容が衝撃的でとても興味深かったので、ここは原本を是非読んでみようということで、「Death Squared, The Explosive Growth and Demise of a Mouse Population」を検索してみました。PDFが出てきたので、Google翻訳して読んだ内容をご紹介します。

 

 

ユニバース25実験

 

アメリカの動物行動学者ジョン B. カルフーンは、UNIVERSE 25 』と呼ばれるマウスを使った実験を1968年から1972年にかけて行いました。2.7m×2.7m高さ1.4mの空間に256個の巣箱があり(1つの巣箱で15匹が快適に過ごせる)、餌は外からくまなく与えられ、3800匹以上は暮らせる環境に男女4匹ずつのネズミを放ち、どのように増えるのか観察するものです。

約4~8週間ごとにすべての巣箱と床が清掃され、実験に使うハツカネズミも国立衛生研究所の繁殖コロニーから入手した感染症のないマウスで、空調の管理された室内での飼育のため、病気による絶滅は考えにくい環境に設定されています。

 

 

フェーズA(最初の子が産まれるまで)

 

 

ハツカネズミ 4 ペアが、離乳後 21 日間隔離された後、1968 年 7 月 9 日に 『UNIVERSE 25 』に投入されました。縄張りや巣を作り、最初の子が生まれるまでには104日間かかりました



 

フェーズB(急速な成長期)

 

1匹目の子どもが生まれた後は、爆発的に数が増えました。55日間で指数関数的に倍増します。支配的なオスが中心の最も活動的なグループでは南西の餌箱を食料源とし、252 日間で111匹の子どもが産まれました。一方、北東の餌箱を食料源とする支配力の低いオスのグループは13匹の子どもしか産まれず、餌箱の位置(縄張り)と生まれた子供の数には左右対称性が見られました。

 

 

フェーズC(停滞期)

 

若者が異常に増えると、自分の役割を得られなかったオスが引きこもりになります。引きこもったオスは中心にあつまり、他の引きこもりオスによる攻撃で怪我だらけなのが特徴です。引きこもりオスのパートナーのメスは、他のメスが好まない巣箱に引きこもります。

一方、支配的だったオスも自分の縄張りを守れなくなり、授乳中のメスがオスの役割を引き継ぐように攻撃的になりました。そして、この攻撃性は、自分の子どもにも向けられるようになり、子どもを巣から追い出したり、移動時に遺棄したりしました

受胎の減少、胎児の死亡率の増加、および離乳前の死亡率の増加により、人口増加率の急激な低下が起こります。

 

 

フェーズD(滅亡期)

 

600日目の最後に生き残った出生時を超えると、妊娠の発生率は非常に急速に減少し、生き残る子供はいなくなりました。

 

生まれたマウスのほとんどは、生殖能力のない引きこもりのメスと「美しいマウス(オス)」になってしまいました。

「美しいマウス」とは創造性が失われ、困難の下では生きることができない個体です。 彼らは食べること、飲むこと、寝ること、身だしなみを整えることを繰り返すだけで、女性に対して性的なアプローチをしたことはなく、戦いをしたこともなかったので、傷や瘢痕組織はありません。文字通り美しかったそうです。

 

1780日目、最後のオスが死亡し、最盛時に2200匹を記録したユートピアは全滅しました。

 

 

マースデン博士の実験

 

フェーズDの途中、マウスの小グループを別のユニバースに移して、ゆったり広い環境であれば繁殖し始めるのかを実験しました。しかし、彼らは自分たちの社会を作ろうとしたり、生殖活動をする能力をほぼ完全に喪失しており、適切な生殖行動が保持されている兆候もほとんど見られなかったということです。

つまり、こちらも全滅したということですね。

 

 

ストレス測定

 

ストレスの指標であるカテコールアミンを調査すると、「引きこもりマウス」は高い生理的ストレスを抱えていることが分かりました。一方、「美しいマウス」は「縄張りマウス」と同等という結果でした。

 

 

何を学ぶのか

 

この研究から何を学ぶのか、人それぞれだとは思いますが私なりに考えてみたいと思います。

マウスのような単純な動物の場合、最も複雑な行動には、求愛、母親の世話、縄張り防衛、階層的なグループ内およびグループ間の社会組織が相互に関連することが含まれます。 これらの機能に関連する行動が成熟しない場合、社会組織の発達も生殖もありません。(中略)人間のような複雑な動物にとって、同様の一連の出来事が種の絶滅につながるはずがない論理的な理由はありません。

論文より(Google翻訳)

 

このマウスの実験は、どうしても今の日本の問題と重ねて考えてしまいます。超高齢化、少子化、引きこもり、虐待、、、上記の考察と重ね合わせて考えると、以下のような学びがありました。

 

  1. 人間も自分の社会的役割がなければ引きこもりになる
    自分の社会的役割があれば、引きこもってなんかいられませんよね。もし、自分の役割が見つからない場所にいる場合、引きこもるのではなく、環境を変えて自分の社会的役割を実感できるところに行くべきだと思いました。

  2. 他者との付き合い方、振る舞い方は、親が教えなければならない
    マウスの実験では、親に追い出されたマウスは社会性を獲得できず、引きこもりになるか「美しいマウス」になってしまいました。子どものうちに外での振る舞い方についてちゃんと教えてから社会に出すというのが大切なのではないかなと考えました。子離れできない親にはならないと決めていますが、放り出せばよいというものでもないなと思いました。

  3. 縄張りマウス(強い男性)が減ると、女性の攻撃性が増す
    江原啓之さんはよく「女性らしくは、女性はそもそも強いから弱いものを助けようっていうスローガン」なのだと言っていますが、私もできればもっとおしとやかな女性になりたいと思っていて(笑)、ナヨナヨした男性ばかりだから強くなっていくのか!と納得しました。女性強すぎ…とか言っているそこのあなた、そういうところですよwww。

 

 

まとめ

 

少子化が問題になっていて、子どもを産まない女性が増えていますが、もしかすると日本は『UNIVERSE 25 』のような状況になっているのも一つの要因かも知れません。人口の爆発(団塊の世代)→少子化→「美しいマウス」の増加→…?

私はあまりテレビは見ないのですが、最近はやたらと美しい男性アイドルや俳優さんが多いですよね…

世界的に見れば人口増加が問題になっていますが、長~い目で見ると、人間は地球上で増えすぎた結果、繁殖を忘れ、滅びてしまうのかも知れませんね。