これまで、ポジティブ心理学についての本は何冊か読んでいたのですが、正直、うつ病の人のためのものかな?と解釈していました。VIA強み診断テストもしてみたのですが、「私の一位は「誠実さ」なのかぁ~」止まりでした。
翻訳書って大体そうですが、何だか分かりずらいし、頭にスッと入ってきませんよね。ところが、今回は、日本人の方が書かれた「世界に通用する子どもの育て方」(2019年)を読んで、あぁ、ポジティブ心理学って子育てにこんな風に使えるのかと分かったので、ご紹介します。
ポジティブ心理学とは
Wikipediaによると、
ポジティブ心理学(ポジティブしんりがく、英語: positive psychology)とは個人や社会を繁栄させるような強みや長所を研究する心理学の一分野である。精神疾患を治すことよりも、通常の人生をより充実したものにするための研究がなされている。
現代のポジティブ心理学は、1998年にマーティン・セリグマンが、アメリカ心理学会の会長に選ばれた際に、任期中の課題としてポジティブ心理学の創設を選んだことにより、新しい領域として開始した。
と書かれており、「ポジティブ心理学の挑戦”幸福”から”持続的幸福へ”」(2014年)の中に詳しく書かれています。
自分の強みを育てる
ポジティブ心理学では、VIA性格診断により「24の性格の強み」の中から自分の強みを知り、効果的に使うことでより幸福になれるということで、「強みの育て方」(2021年)ではひとつ一つの強みをどう伸ばすことができるのか、また、強みを強く出し過ぎるとこうなるから気を付けてねといったことが書かれています。
子育てへの活かし方
上記2冊を読んでも、一人ひとり違うということしか分からず、どう活かせるのか全くピンときませんでした。しかし、本書の著者さんは臨床心理士で二児のママでもあり、これまでの心理学研究の成果を上手く踏襲しながら子育ての場面でどう使うのか説明されており、ポジティブ心理学の使い方が少し理解できた気がします。
以下に私が理解したことを大事だなと思った順番にまとめたいと思います。
1.親自身の心が安定して、幸せになる
本書を読んで、何より大事だと思ったのがこれです。セルフコンパッション(大切な人を思いやるように、自分を思いやること)とも言います。自分自身が幸せだと、周囲も幸せにするという研究結果も紹介されていて、アニータさんがYouTubeで語っていた、ミラーボールのように輝くということと頭の中で一致しました。子育てするには、ママが幸せで、感情をコントロールできる(こころが安定している)こと、これが何より大事だと思います。
2.無条件に愛していることを伝える
「伝える」ことと「伝わっている」ことは違います。本書では6つの方法が紹介されていてすごく参考になりました。
- 傾聴と非言語的コミュニケーション
- 肯定的な言葉
- クオリティタイム(一緒に過ごす共同活動の時間)
- タッチ(スキンシップ)
- サービス(食事をつくる、保育園の送り迎え、家の掃除、お風呂に入れるなど)
- ギフト(お祝い)
私はここに「目を見て3秒以上笑顔で見つめる」を追加したいですね。
3.子どもをコントロールしようとしない
支配型の親よりも、支援型の親の方が子どもは幸せになるそうです。親は子どもの安全基地であり、自立性を妨げてはいけません。子どもの自立性を伸ばすには、下記のようなコミュニケーションの取り方をすると良いそうです。
- まずやりたくない気持ちに共感し、その気持ちを認める
- なぜそのことが大切なのか、合理的な理由を説明する
- 圧力を最小限にしたいい方や質問の仕方で伝え、選択の余地(自己決定)を与える
そして、何か問題が起きた場合は「誰の課題なのか?」を考えます。これは、アドラー心理学の考え方ですね。
4.自己効力感を高めるしなやかマインドセット
子どもが社会に出た時、上手くいかないこともあると思います。そんな時は自己効力感(自分はできる)を高めるしなやかなマインドセットを持たせたいです。能力は伸びることを伝える、行動やプロセスをほめる、親が失敗を悪いものとして扱わないというアプローチが有効だということでした。
5.子どもの強みに注目する
子育てをしていると、どうしても子どもの欠点にばかり目がいきますが、欠点も見方によっては長所になります。子どもの強みに注目し、強みを使うよう励ましたり、強みを使う機会を一緒に考えることも意識していきたいですね。VIA強み診断テストには子どもバージョンもあるので、強みを見つける参考にしたいです。
まとめ
この前読んだ子育て本には行動に対する報酬は効果があると書かれていて、今度読んだ本では報酬も罰もダメだと書かれています。きっと、一人ひとり違うのだろうなと思いながらも、本当に難しいなぁと思います。
できるだけ子どもの欠点ではなく強みに気づいてあげて、それを使えるようにサポートしていきたいですね。まずは、VIA強み診断をさせて子どもの強みを見つけようと思います。