歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

アドラー心理学②課題の分離

課題の分離

今回は、アドラー心理学で謳われる「課題の分離」について考えていきたいと思います。

課題の分離とは、「物事や考えに対して、それは自分のことなのか、他人のことなのかを分離して考えること」です(アドラー心理学を実生活に取り入れてみた」(2021年)より)。

 

 

宿題は誰の課題?

先日、授業参観と学級懇談会があり、息子の担任の先生から、「○○君は宿題をちゃんとしていないので、お母さんが毎日見て、チェックしてください」と言われました。その時は「はい、分かりました」と答えたのですが、課題の分離という言葉を考えて違うんじゃないかな?と考え直しました。

アドラー心理学入門」(1999年)によると、宿題をしていなくて最終的に責任を引き受けるのは息子本人です。先生の課題でも、私(母親)の課題でもないので、本人から頼まれもしないのに手出し、口出しをすべきではないということになります。

 

 

そこで、帰宅後に「先生から宿題をチェックしてほしいと言われたけど、したほうがいい?宿題ができなくて困ってる?」と本人に聞いたら、「しなくていい」と答えました。「宿題で困ることがあったら言ってね、協力するから」と協力が必要な時は助けることを伝えて、宿題を出さない責任は本人に取ってもらうことにしました。

「学校が苦手な子どものためのアドラー心理学: どうすれば不登校傾向の子どもを勇気づけられるのか」(2022年)にも、宿題について書かれていますが、ほんと、何のためなの?誰のためなの?って思います。

 

 

 

過干渉な親

教育に携わると、子どもにとても過干渉な親に出会います。本人は歯科衛生士になりたくないのに親に言われて学校に通っている場合も多く、学ぶ意味を見出せないので成績が振るわないばかりか、問題児となり先生方を困らせます。

「勇気はいかに回復されるのか〈新装版〉 アドラー・アンソロジー(2023年)には、甘やかされた子どもはいつも注目されたいと思い、いつも何かを期待している。もしも満足を得る安直な方法を見出さなければ、そのことで何か、あるいは、誰かを責めると書かれており、全くその通りだと思いました。

 

 

しかし、課題を分離して考えるとその親子の課題なので、自分にできることはないと見切りをつけるしかありません。人格攻撃などの権力争いを挑まれても、冷静に、事実のみをお話する以外ありません。

 

人間関係の悩み

アドラーは、人生の悩みは全て人間関係の悩みだと言っているそうです。仏教の「縁」に近い考えだと思いました。一見、人間関係の悩みなんてややこしいと思ってしまいますが、複雑にしているのは自分自身で、課題を分離して考えればとてもシンプルな問題だということに気づきます。

 

まとめ

「甘やかされた子ども」という言葉には一瞬ドキッとしましたが、経験や失敗、自分で考えることを奪われた子どもなのだとわかりました。息子達を甘やかされた子どもにしないために、しっかりと誰の課題なのかを考え、自分の課題は自分で解決する力を付けさせたいと思います。