歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

エグゼクティブコーチング

これまで、企業の経営者というのは「人格」が大事だというのを学んできて、そんな人物ばかりではないという内部のゴタゴタ劇も見てきました。そんな中、未来を共創する経営チームを作る(2020年)を読んで、やっぱり会社というのは社長も大事だけど、経営チームの一人ひとりが一丸となってチームとして機能すること、そして、そのためのコーチングが有用なんだなと分かったので、ご紹介します。

 

 

 

経営チームのメンバー

 

やはり、本書においても良好な経営チームのを作るのはとても難しいと結構なページを割いて書かれています。経営チームになるメンバーというのは、0.25%の選ばれた人たちであり、全員が本田圭佑のようなものです。それぞれに自分の確固とした考え方や信念があるというのは想像できます。そして、特に日本企業は社長→会長となり経営に口出しできる立場にとどまるので、新社長はやりにくくて仕方ないという訳です。社長と会長のお家騒動は日本あるあるなんですね。

良い経営チームを作るのは難しいのだけれど、チームが同じ方向を目指して進み始めると、1人では成せないようなすごい力を発揮することも明らかです。では、どうしたら良い経営チームを作ることができるのか、まとめてみたいと思います。

 

 

チームの目標

 

まずは、組織の存在意義と自分の存在意義を接続することが大事だそうです。チームの目標を明確にし、この組織が何を目指すのかを共通理解した上で、各メンバーが理想のチームとはどのようなものか、どう進化させることができるのかを考えていかなければ、良いチームにはなりません

個人のエゴやチームのエゴ、つまり自分のチームだけ良ければいい、社員は経営チームの言うことを聞けばいいといった考え方は排除し、会社の一機能として自分は、チームは何をすべきかを常に考えるというマインドが必要になります。

メンバー同士の対立はむしろチームの進化には必要で、エゴをむき出しにした対立から創造のための対立に進化していくことが求められます。

 

 

縦のコミュニケーション

 

縦のコミュニケーションとは、社員と役員のコミュニケーションのことです。良い経営チームには、軍隊式の社長→役員の命令ではなく、社長⇔役員の双方向でのコミュニケーションが求められます。会社の未来についてお互いに話し合うことが、経営チームをチームにするための土台になるのだそうです。

 

本書ではCEOが役員と「1on1ミーティング」をすることで縦のコミュニケーションを図ったケースが紹介されていました。過去記事「チームの心理的安全性」でもGoogleで行われている「1on1ミーティング」が紹介されていましたが、歯科医院内でも絶対必要だよな~とずっ~と思っています。

 

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横のコミュニケーション

 

縦のコミュニケーションができるようになったら、横のコミュニケーションを構築します。自分の役割は自部門を発展させることだと思っている役員は、役員間でのコミュニケーションの必要性を感じられないと言うかも知れません。そんな場合は事業部間の役員間で一緒にできるプロジェクトを作ると良いということでした。

 

お互いにどんな人生経験や価値観を持った人間なのかを知れば、さらにチームとして進んでいけるため、お互いを知る機会を設けるのも効果的かも知れません。

 

特に日本の行政は縦割りで、横の連携がない組織だなと思います。また、役員間で年齢差がある場合、日本では年功序列の精神が強すぎて、何でも言い合える関係になることはかなり難しいのではないでしょうか。前頭葉が弱くなってくると、更に難しいよねと思いました。

 

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フィードバックを受ける

 

これらの超・難題をクリアするため、CEOや各役員向けのエグゼクティブコーチンというものがあるそうです。一人ひとりに付いて定期的にコーチングを受けることで、役員が会社全体のことを考えて意思決定できるよう後押しします。外部の視点からフィードバックを受けることは、会社の一機能として自分は、チームは何をすべきかを考えているか、会議での発言はメンバーにどのような影響を与えたかなどを客観的に考えることに繋がります。

 

人生経験もプライドも高く高~く積み上げた人たちにコーチングをするのは大変そうですが、多くの社員を抱え、社会的役割のある企業だからこそ、資金面でもエネルギー面でもコーチングに注力することって大事なんじゃないかなと思いました。それこそ、日本の政治家には全員コーチングを受けて、自分の行動・発言の振り返りを毎日して欲しいですよね…。

 

 

まとめ

 

人間ってどうしても視野が狭くなりがちで、自分は間違っていないと信じがちで、他人から指摘されるのを怖がってよりガードを強固にしがちですが、コーチングを通して他者から「問い」を投げかけてもらうだけで、それらが霧散する(ブレイクスルー)ことってありますよね。マルクス・アウレリウスのように毎晩自省したり、「脳内トークを使って自分で自分に問うことができれば良いですが、大事な場面であればあるほど難しいのではないかと思います。

 

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相手を否定せず、判断したり、選択を誘導したりしない、本当のコーチが日本に沢山いて活躍すれば、もっと良い世の中になっていくのではないかなと思いました。