以前、大英帝国の衰亡について読みましたが、今度はローマです。
自省録
ローマに興味を持ったきっかけは、マルクス・アウレリウスの「自省録」を以前読んで、この王様すごいなぁ~、こんな王様が納める治世はどんな治世だったのかなと思っていました。そして、もう一度「自省録」を読みたいなと思っていた時に、「テルマエ・ロマエ」の映画を久しぶりに見て、ローマについて知りたいと思ったのがきっかけです。(顔の濃い日本人を集めて配役しているのが面白いですよね)
マルクス・アウレリウスの治世
「ローマ帝国衰亡史」(2022年)によると、マルクス・アウレリウスは「ローマ五賢帝」と言われるネルウァ/トラヤヌス/ハドリアヌス/アントニヌス・ピウス/マルクス・アウレリウス・アントニヌスのうちの最後の皇帝に当たります。ストア派哲学に精通し、哲人賢帝とも呼ばれています。
「国民の福利」ということが統治の唯一の目的であった時代はマルクス・アウレリウスと先帝のアントニヌス帝の時代のみだったということで、思った通り、素晴らしい治世を行った王様だったようです。
マルクス・アウレリウスの欠点
しかし、
疑うことを知らない善良さによって、生来のすぐれた判断力に影がさすことが少なくなかった。
とも書かれてしまっている通り、マルクス・アウレリウス没後のローマは衰退の一途を辿ります。
1番の失策は、後継者を息子にしたことでしょう。「自省録」にも息子の素行の悪さについての悩みが書かれており、マルクス・アウレリウス本人もある程度分かっていたと思うのですが、、、本書によると、書くのを憚るほどのやばい奴だったようです。
もしかしたら、強いコンプレックスだけでなく、軽度の発達障害なんかもあったのかも知れませんよね。子育ては一卵性の双子でも性格や行動、反応が違うので、とても難しいです。親の眼鏡は曇りがちだ、ということを心しなければなりませんね。
ローマの衰退
ローマ帝国が衰退したのは、様々な要因が言われていますが、私が注目したのはキリスト教の信仰です。もともと、ローマ人は日本人と同じ多神教で、他の宗教にも寛容だったのが、一神教であるキリスト教の普及により排他的になったというところです。宗教戦争は現代でも続く問題だと思います。
また、ローマ帝国が繁栄し過ぎた為に自分たちが元来優れた民族だと思い込み、他部族に対して傲慢で不誠実な態度を取ったために反撃にあったという点も見逃せません。
まとめ
日本にも戦国時代がありましたが、人間というのはいつも領土や利権を奪い合い、戦争しているし、優れた人間がトップに立つのはとても稀なことだということが分かりました。
また、マルクス・アウレリウスのように優れたリーダーであっても息子はとてもヤバい奴だった訳で、日本の世襲議員も問題アリアリだなと感じます。
せめて、自分の眼鏡だけは毎日きれいに磨いて、おごりや思い上がりがないか、いつもセルフチェックしておかなきゃいけないなと思いました。