歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

ジャーニー型のビジネス

今回は、「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」(2019年)を読みました。

 

 

ChatGPTとかAIロボットがすごいなぁなんて思っていたら、中国のアリババや平安保険グループなどのオンラインをベースにオフラインを考えていくOMO(Online Merges with Offline)という思考法がもっとすごいぞと思ったので紹介します。

相も変わらずkindle unlimitedで読むので、ちょっと遅れていること、次書が発売されているだろうことをご容赦ください。。。

 

OMOとは

オンラインとオフラインとが融合し、一体のものとして捉えた上で、これをオンラインにおける戦い方や競争原理として捉える考え方を意味しています。

と言うことですが、これは平安保険の話がとても分かりやすい例だと思いました。

 

平安保険グループの話

「平安グッドドクターアプリ」という医療系無料アプリを開発し、アプリ上で開業医に無料で問診ができたり、医者のプロフィールや空き状況を見て予約できるようにしたそうです。中国では病院にかかるのが大変だというニュースは見たことがありますよね。さらに、歩くとポイントがたまるシステムで、ユーザーが毎日アクセスする仕組みを作ったそうです。

約2億人のユーザーが毎日アクセスするので、広告打ち放題ですね。また、保険営業員が保険を買ってもらえそうにないときは無料アプリを紹介して入れてあげれば、ユーザーはその便利さにとても満足します。平安保険側はアプリの利用状況をもとにユーザーの行動を分析して、適切な時に営業トークではなく、「病院受診の日、時間があるのでお子さんをみておきますよ」なんて提案するのだそうです。

これには、私も簡単に落ちるなと思いました(笑)

 

バリュージャーニー

「平安グッドドクターアプリ」は、すぐに売り上げにつなげるのではなく、平安保険を好きになってもらい、ずっと寄り添うことを重視するという企業戦略があるのだそうです。この体験寄り添い型のビジネスは、顧客の体験(=ジャーニー)に沿った組織構造になっている必要があるとのことです。製品や店舗、オンラインとオフラインを区別する必要はありませんが、常に顧客の情報を集めて、分析することが求められます。

つまり、今後は顧客のリアルタイム情報を集められない企業は衰退していく可能性が高いということですね。

 

人と人とのつながり

先ほどの平安保険グループのやり方で見たように、中国で成功しているのは人と人とのつながりを大切にしている企業だそうです。無人コンビニで何気ない会話をする店員を置く、荷物を届ける少し前にゴミがあれば帰りに捨てるからまとめておいてなんて電話をくれる配送業者など、AIで便利になった先に人が求めるのは、人の温かみだったというのは納得できる気がします。

 

まとめ

政治体制や文化が違うので、日本で同じようにしようとしても難しい面もあると思いますし、個人情報ダダ漏れというのもやはり抵抗感があります。一方で、リアルタイムでかゆいところに手が届くサービスを提供してくれるのであれば、日本でも当然伸びると思いますし、そうなって行くんだろうなと思いました。現に、アマゾンさんからはしょっちゅうオススメmailが来ていますしね。

本書を読んでいて考えていたのは、統計に外れ値があるように、評価の設定を誤れば、佐々井さんのようなぶっ飛んだ将来の偉人を排除してしまうことにもなりかねないのではないかということです。

ddh-book.hatenablog.com

 

ユーザーとしては、悪用できたり、選民的なものにならないことを願いたいです。