今回読んだ本は、「いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」」(2019年)です。
一般人には保険って全然分からないですよね。知人や友人が話したことを真に受けてしまったり、営業の言いなりになってしまうのは避けたいです。本書には具体的な商品名も多く載っているのですが、本書を通して学んだ、保険を選ぶ際の基本をまとめてみたいと思います。
結構衝撃的だったのが、自分も100歳まで生きる可能性が高いということです。私の生まれた年(女性)の平均寿命は98.0歳で、同い年の人が半分になる50%生存年齢は101歳、1/4になる25%生存年齢は107歳でした。我が家は長寿の家系で、恐らく50%には入ると思うので、100歳を超えることを前提にしたマネープランが必要だということになります。
また、健康寿命と平均寿命には10年ほどの差があると言われ、要介護になったら…と不安になってしまいますが、健康寿命というのはかなりいいかげんな数字であることも知っておきたいです。
「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という設問に対し、「ある」と答えた人は不健康、「あなたの現在の健康状態はいかがですか」の問いに「よい」「まあよい」「ふつう」と答えた人は健康、といった主観的評価で分けたものを、各年齢の健康者と不健康者の割合から人数を推計しているということでした。
過去記事「親しい人との日常的なつながり」で書いたように、エンディングノートを書いて胃瘻などの延命治療を回避すれば、ピンピンコロリとはいかないまでも、要介護状態が10年も続くという心配はそんなにしなくても良いような気がしました。
では、保険を選ぶ際に考えるべき項目を4つまとめていきます。
①緊急性
今日・明日にでも不測の事態が起こる?
現役世代の世帯主が急に死亡した時や長期の就業不能状態になった時は緊急性が高い状態であり、それに対応する保険に入ることは適当であると考えられます。
〔必要と考える保証額〕-〔遺族年金〕-〔勤務先の保証〕-〔広義の自己資金〕で必要な金額を考えると良いそうです。
②重大性
自分では用意できない額のお金が必要になる?
子育て中の場合は、不測の事態が起きると、公的な補償があっても教育費などで1,000万円単位のお金が必要になる場合があります。この場合、何か保険を検討するということになります。
私は長男次男が双子なので、とても大学入学時のお金は貯められないと思い、誕生時学資保険に入りました。金額は増えないのですが、私が途中で死んで支払いができなくなっても、17歳で満額受け取れるという点で決めました。保険業界で学資保険は「ドアノック商品」と言われているそうで、他の商品を勧められるため注意が必要なのだそうです。
一方、ガンであっても日本には高額医療費制度があるため、自費診療を受けない限り、自己資金をある程度持っていれば問題ないのだそうです。約款は契約時と変わらないのに、医療はどんどん進歩するため、自由診療でも補償の対象になるとは限りません。
③経済合理性
安い保険料で大きな保障を持てる?
④不確実性
契約内容が時代の変化に合わなくなってない?
経済合理性と不確実性はトレードオフの関係にあります。中年以降に手厚い保証を求めると、発生頻度が高いため(不確実性は下がる)、経済合理性は下がってしまいます(保険料は上がる)。一方、若いころから老後に備える場合は、保険料は抑えられたとしても不確実性が高まることになってしまいます。著者さんは60代だそうですが、「健康保険だけでいい」と断言されており、何にでも使える手元のお金を持っておくことが大事だと強調されます。
また、保険やマネープランに困った時に相談に乗ってくれるのがファイナンシャルプランナー(FP)ですが、保険代理店をされているFPさんには注意が必要だそうです。保険商品を売りたくて、無料相談を行っている場合もあるそうです。
私も離婚前にFPさんに相談に行きましたが、ちゃんとお金を払って、保険代理店をされていない個人のFPさんに相談しました。おかげで、今のところ本書に書かれているような、必要な保険のみに入れているのかなと思います。FPさんのアドバイスでiDeCoやNISAも始めましたしね。
著者さんは手元のお金を持っておくことが大事だと何度も言われるのですが、貯金ってすごく難しいです…。目に見えるとつい使ってしまうので、やっぱり手数料は取られても保険と言う形で天引きしてもらって、全く引き出せなくすることが必要な人もいるんじゃないかなと思いました。
だとしても、人の不安感に付け込んだ、高額で無駄な保険には入りたくないものです。浅く広く、様々な分野について学ぶことが大事だなとつくづく思いました。