歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

マグロ漁船

今回は、借金を返すためにマグロ漁船に乗っていました(2022年)を読みました。

 

 

漁師さんは荒々しいのだろうなと想像はしていましたが、まるで蟹工船のようではないかとびっくりしました。(本書の内容は、30年以上前の話のようです。)

息子が釣りが大好きなので、水産高校に行って船舶免許を取っては?と話していたのですが、大丈夫なのかとめちゃくちゃ不安になりました。

 

 

水産高校はヤンキーばっかり?

 

著者さんは農林高校を1年生で中退し、実家の借金返済のため自らマグロ漁船に乗るようになりました。ヤンキーが多い地域で自分もヤンキーだったということなのですが、一緒にマグロ漁船に乗る友人というのが、水産高校出身のヤンキーばかりなんです。

殴られるのが日常のようなヤンキーの生活は、大人しくエニアグラムタイプ9(平和をもたらす人)の息子には酷です。今もそうなのか?とググってみると、今は昔ほどではないというコメントもあり、ほんの少しだけ安心しましたが。。。

 

 

借金返済のためマグロ漁船に乗る

 

マグロ漁船は闇金や裏社会とも密接な関係があるそうで、「ヤクザ経由でマグロ漁船に乗せられるという話」は今でもあると著者さんは断言します。ハワイなど遠洋で立ち寄る港では、現地との組織に関連していると思われるお姉さんたちの話も出てきました。

 

 

ブラックかつパワハラ

 

また、マグロ漁船では労働基準法は適用されず、船員法が適用されるため、とてもブラックだということでした。ググってみると、船長には強い権限が認められており、「船員の一日当たりの労働時間は、八時間以内とする。」や「休日は一週間当たり平均一日以上とする。」とある一方で、「 船長は、船舶の航海の安全を確保するため臨時の必要があるときは労働時間の制限を超えて、海員を作業に従事させることができる。」といった船長の判断次第でどうとでも解釈できそうな項目も見つけました。まぁ、海の上なので致し方ない面もあると思います。

荒っぽい船員によるパワハラもあって、作業がちゃんとできないと殴られたり、蹴られたりといった暴行を受ける様子も書かれています。覚える作業も多く、全ての作業を一人前にできなければ認めてもらえないため、港に帰るまで耐える他ないということでした。船によりますが、海の上で1ヶ月〜1年近くを過ごすため、自殺者もいるそうです。

 

 

給料少なくない?

 

過酷な労働環境と危険で高度な作業であることがヒシヒシと伝わって来ます。さぞ、給料は良いのだろうと思ったのですが、給与明細を見るととても少ない…特に仕事ができない新人は2割減だそうで、初めての約1ヶ月の航海で手取りは15万円1人前になってからの10ヶ月の航海では手取り260万円くらいでした。水揚げ高次第ではありますが、危険で過酷な割に少ないなという印象を持ちました。

 

 

まとめ

 

今は30年前とは違っているでしょうし、人によって合う合わないがあると思うのですが、、、息子をマグロ漁師にはしたくないなと思ってしまいました。やっぱり今は、プログラミングが書けるエンジニアの方が良いのではないかなぁ…(現在、プログラミングも習っている)どうしても漁師になりたいのなら、雇われる側ではなく、雇う側になってほしいです。ドローンや水中ドローンを駆使した新しい漁師もいいですね。