歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

お釈迦さまは人類に向けて語った

今回は、テーラワーダ仏教「自ら確かめる」ブッダの教え(スマナサーラ長老クラシックス)」(2018年)を読みました。以前読んだヴィパッサナー瞑想法」について書かれた長老さんの本です。

 

 

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日本の仏教とテーラワーダ仏教との違い

 

日本の仏教は、中国を経て伝来する過程でもともとの仏教とかなり違うということは以前学びました。仏教の経典というのはお釈迦様の言葉を弟子たちがまとめたものでした。

 

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では、テーラワーダ仏教はどのような仏教かと言うと、お釈迦様の口伝を古いインドの日常語であるパーリ語でまとめた経典(パーリ五部)を「ブッダの教え」として守ってきたということです。

本書のニュアンスから、「私たちが本来の仏教です」と言いたかったのかなと思います。

お釈迦様は菩提樹の下で悟りを開かれてから、5人の弟子に三か月かけて毎日説法を行い、瞑想を指導して解脱させました。その後、出家した55人の若者たちも完全に解脱に達し、世界中の人々に安らぎを与えるためブッダの教えを説いて回りました。その時のお釈迦様の命令に従って、テーラワーダ仏教は、今でも権力も武力も使わず人類に語り続けているということでした。

 

 

仏教は心の科学

 

一般的に宗教は民族に限定したものが多く、排他的で閉鎖的ですが、仏教は人類全体の幸福のために語られます。仏教は他宗教のように信仰する必要はなく、ブッダの道を歩めば心が自由になり解脱できるという科学のようなものだということです。お釈迦様自身が実践し、真理を体得した、これだ!と思ったものを周りの人に教え、各人が自ら確かめるよう導くだけであり、~しなければ地獄に行くといった恐怖で信仰をあおるようなことはテーラワーダ仏教(お釈迦様が説いた本来の仏教)にはないということでした。

私も日本にいるからか、特定の神だけを信仰するというのには抵抗を感じます。日本に仏教が広がったのも、(日本に来た時には変化していたとは言え)このような面が受入れられたのかなと思いました。

 

 

どうすれば解脱できるのか

 

在家と出家で違いがありますが、一般人はまずは五戒を守る事だそうです。

  • 殺生するなかれ(不殺生)
  • 盗むなかれ(不偸盗)
  • 性的に邪な行為・不倫をするなかれ(不邪淫)
  • 嘘をつくなかれ(不妄語)
  • 脳細胞をこわすアルコールや麻薬を摂るなかれ(不飲酒)

また、お釈迦様(ブッダたち)は平安と忍耐が最高の修行だと言っており、「どんなものにも波立たない落ち着いた心」「辛いことに対する忍耐をつくること」が人の道なのだそうです。

かなりのページを割いて詳しく書かれていましたが、う~ん、やっぱり修行って大変そうです。

 

 

まとめ

 

お釈迦様は「生きるとは苦」という真理を発見したのですが、弟子たちですら「苦」を受け入れられず「空」に入れ替えたというのは今回初めて知りました。本書には仏教では有名な「天上天下唯我独尊」も一切出て来ず、宗派?で全く違うんだなということを実感しました。

機会があれば、お坊さんに仏教についてじっくり話を聞いてみたいですね。