歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

ルネッサ~ンス!

今回は、ルネサンス 歴史と芸術の物語(2012年)を読みました。

 

 

これがとても面白くて、続編とも言える ルネサンス 三巨匠の物語~万能・巨人・天才の軌跡~(2013年)も読みました。

 

 

ヨーロッパには行ったことが無く、ルネサンスと言ってもダヴィンチとミケランジェロの名前くらいしか知らない超・芸術音痴の私ですが、本書を読んで本物の壁画や絵画を生で見てみたいなぁ~と思いました。そこで、面白いなと思ったものと見るべきポイントをまとめたいと思います。

 

 

マザッチョとマゾリーノ
@サンタ・マリア・デル・カルミネ教会

 

マザッチョとマゾリーノはルネサンス初期の画家ですが、サンタ・マリア・デル・カルミネ教会にある2人の壁画を見れば、ルネサンスの神髄とも言える「空間性」「人体理解」「感情表現」が全く異なることが分かります。マザッチョは27歳という若さでペストにかかって急逝しますが、最初に透視図法を使用し、絵画に消失点などの概念を導入した画家であり、後にミケランジェロもデッサンした革新的な絵を描いた人物でした。

 

また、マザッチョが亡くなった時、マゾリーノは45歳でしたが、マザッチョによってもたらされたルネサンス遠近法」をその後7年かけて完璧に修得し、カスティリオーネ・オローナの礼拝堂でその壁画を見ることができるそうです。

 

美術館に行っても、立ち止まってじっくり見るなんてしたことない私ですが、これはぜひじっくり見てみたいなと思いました。

 

 

ロレンツォ・ギベルティ
@サン・ジョヴァンニ洗礼堂

 

キベルティもマザッチョの革新性を採り入れて自らの作風を変えていった一人です。ギベルティは、洗礼堂北扉の青銅レリーフ(浅浮彫り)パネルを二十年以上かけて制作し終わった頃、マザッチョの作品が発表されました。北扉に描かれた「最後の晩餐」は登場人物がぎゅうぎゅうに画面に押し込まれているのに対し、続けて制作された東側の扉では遠近法が用いられ、秩序正しい空間が描かれています

著者さんも同じ作者によるものとは分からないほどの違いだと述べており、平面に描く絵だけでなく、レリーフ・パネルにも用いられているというのがルネサンスの革命をよく表しています。

 

これも、見比べてみたいです。

 

 

フィリッポ・ブルネッレスキ
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

 

礼拝堂のドーム型の屋根をクーポラと呼びますが、それまでは、石橋を作る要領で木枠を置いて石を並べた後に木枠を抜くという方法でアーチを造っていました。しかし、この方法では、大きなクーポラを建設することはできません。そこで、フィリッポは古代ローマの工法から、大きな足場を必要としないクーポラ建設を考案しました。環を造ってはその上に環を新たに積み重ねていくパンテオン式で、重さを減らして、荷重を分散させるために二重構造になっています。これにより、木枠を組まずに作られた史上初、かつ当時世界一のクーポラを建設し、 フィレンツェ一の建築家となったそうです。

 

これは、ぜひとも一目見ながら、当時の建築の様子を肌で感じてみたいと思いました。

 

 

ラ・ジョコンダ
ルーヴル美術館

 

「ラ・ジョコンダ」というのは、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「モナ・リザ」のことです。これはルーブル美術館に展示されているそうなので、絶対に見たいですね。

f:id:ddh_book:20240503143741j:image
モデルについては、謎に包まれているものの、最初はリザ・デル・ジョコンド肖像画として始められ、何らかの理由により契約が無効になった後、手もとにおいて手を入れていくうちに、彼の女性の理想像となっていったのではないかということでした。

レオナルドは、自然に存在する事物に輪郭線などないという真理から、ぼかし技法を使っているのだそうです。これも間近でよく観察してみたいです。

尚、レオナルド最大の絵画で珍しく完成させた(彼の作品には未完成が多い)作品である「最後の晩餐」も一生に一度はホンモノを見てみたいですね。

 

 

ラファエッロ
バチカン宮殿

 

ラファエッロは、レオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロとともに、盛期ルネサンスの三大巨匠と呼ばれ、ラファエッロの亡くなった年にルネサンスが終了したと教科書に書かれるような人物です。かなり多くの作品を残しており、どこかで見たことのあるものも多いのですが、レオナルド・ダ・ヴィンチの家で「モナ・リザ」を見て、彼が肖像画を描く時は、「上半身」で「手を合わせる」「坐像」でやや斜め前を向く「四分の三正面観」を基本に描いたと言われています。

膨大な注文をこなすために分業制を導入しており、バチカン宮殿の「火炎の間」では4場面のうち「ボルゴの火炎」が最もラファエッロの関与が高く、それ以外の三場面は下絵以外は弟子たちの手によるものなのだそうです。

 

その散漫な構図と艶のない色彩をみるかぎり、ラファエッロと弟子たちの差があまりにも大きいこともまた明らかである。

 

なんて書かれたら、実際に見てみたくなりますよね。

 

 

まとめ

 

本書を読んで、ルネサンスという時代というものを随分知ることができた気がします。古代ローマ多神教一神教であるキリスト教をどのように絵に融合さようとしたのかや、ペストの流行など当時の衛生状態、絵画から分かる女性の教育(識字率)、メディチ家の話など、本当に面白かったです。

12時間も飛行機に乗ってヨーロッパに行くなんて、無~理~と思っていましたが、機会があればヨーロッパに行ってみたいなと思うようになりました。宝地図にヨーロッパの写真も貼ろうかな!ただし、エッフェル塔の前で塔ポーズだけは絶対にしませんけどね(笑)

 

ddh-book.hatenablog.com