今回は、「前頭葉バカ社会 自分がバカだと気づかない人たち」(2023年)を読みました。
本書の著者さんは高齢者専門の精神科医です。つまり、認知症や脳の機能低下にかなり詳しい方ということですね。バカバカ言われるのはちょっと気分悪いですが、そこは頭を軟らかくしてお付き合いください。
著者さんは誰もが前頭葉バカに陥る危険があると言います。前頭葉は、思考力、判断力、集中力、創造性、意欲、感情のコントロールをし、変化に対応するための重要な役割を果たしています。前頭葉を甘やかしていると、変化を嫌がり、成長する意欲をなくした大人になってしまいます。
前頭葉バカは治せるので、新しい理論や知識を柔軟にとりいれながら、日々学び続けることが大事だということでした。
- 過度の一般化…意見が合わないことが一度でもあると、「あいつはもう仲間ではない、敵だ」と決めてかかる
- 選択的抽出…相手に悪いところがひとつでもあると、「あの人はダメだ」とすべてを決めつける
- 肯定的な側面の否定…他人に対しても、自分に対しても否定から入る
- 読心…相手の気持ちや行動を勝手に決めつける
- 破局視…「もう自分は終わりだ」と考える
- 縮小視…自分の良い面を過小評価する
- 情緒的理由付け…感情によって事実を歪めて判断する(気分によって考え方や判断が異なる)
- ~すべきという考え方
- レッテル貼り
- 自己関連付け…成功すると「自分のおかげ」と考え、失敗すれば「自分のせい」と人一倍激しく落ち込む
8は出た〜!と思わず声に出してしまった、私の一番嫌いな思考パターンです。著者さんは、これらの思考パターンを持っていると幸せにはなれないと説明しています。
結構いると思いますよね。このような思考パターンが出た時は、前頭葉が使えていないんだということを知っておくだけでも良いと思いました。
①変化を楽しむ
②自己モニターをする
③アウトプットする習慣をつける
④「より現実的な議論のしかた」を身につける
⑤前頭葉を元気にするために「ただ動く」
前頭葉バカになると、感情的に推論してしまう傾向が高くなるそうです。つまり、キレる高齢者のことですね。新しいものにチャレンジできない、慣習にこだわるというのも、そうすることで前頭葉をあまり働かせずに済ませようとしていると考えられます。そんな人が複数集まれば、そりゃあ変化を提案する人を排除しようとするだろうねと納得してしまいました。
自分が間違っているかもしれないという謙虚さ、つまり過去記事「無知の知」を知ることと、「試してみなければわからない」というチャレンジ精神を持つこと、つまり過去記事「コンフォートゾーン」から出ることが大事だと分かりました。
前頭葉を鍛えるには、色々な人と会話を楽しむ、運動する、新しいことにチャレンジする、つまり他の人との交流が大事だということです。過去記事「親しい人との日常的なつながり」では、コミュニケーション能力が必要なのではないかと考察しましたが、一致する部分も多いなと思いました。
私も前頭葉バカにならないために、自分を常にモニタリングして、いつも新しいことに楽しみながらチャレンジしていきたいです。