歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

量子コンピューター

どの国にも銀行にも所属しないお金というところに魅力を感じ、日本に何かあった時のためビットコインをちょびっと持っているのですが、量子コンピュータビットコインの暗号技術を破ってしまうのではないかという話を聞いたことがありました。

 

量子コンピュータ

量子力学については以前、物理学の先生の本を読みましたが、今回は、「驚異の量子コンピュータ 宇宙最強マシンへの挑戦」(2019年)を読んでみました。2019年出版の本なので、今はもっと技術は進んでいるのだと思います。

 

 

 

ddh-book.hatenablog.com

 

 

本書には、コンピュータの歴史から量子力学と情報処理がどのように結びついたのかなど詳しく書かれています。難しくて、理解できない部分も多かったですが、量子コンピュータのすごいと思ったところをご紹介したいと思います。

 

重ね合わせ状態で計算する

古典コンピュータが0,1の数値を用いて計算するのに対し、量子コンピュータ確率振幅に従って動きます。重ね合わせという状態で、0でもないし1でもないという曖昧な状態を意味しています。確率振幅の二乗が結果の確率になるそうです。量子は見ていない時は波の状態でどこにでも存在し、見た時に場所が決まるので、ややこしいですが、どっちもアリという状態のまま計算できるということになります。確率振幅を使ってシュミレーションができるのが、量子コンピュータの強みということです。

 

テレポーテーション

離れていても双子の量子は同じ状態になるというテレポーテーションの性質があり、電話などのアナログな通信と合わせることで、物理法則によって守られた究極の暗号になるのだそうです。量子は見ると確定しますが、見てない状態は神様でも分からないので、鉄壁と言えますね。

 

量子ビットが増えると、指数関数的に計算力がアップする

量子ビットがN個ならN二乗、2個なら4、10個なら1024、50個なら約1000兆のパラメータ(確率振幅)が増えます。古典コンピュータで表現すると、2個なら64バイト、20個なら16メガバイト、40個なら16テラバイト、50個になると16ペタバイトになり、スーパーコンピュータを凌駕して古典コンピュータで約3600万年かかる計算が、量子コンピュータでは約42分になってしまうそうです。スパコン京は1.26ペタバイトということなので、すごさがよく分かりますね。

 

2019年にGoogleが53量子ビットを搭載したシカモア(Sycamore)を開発

これがビットコイン大暴落の原因になったニュースです。この量子コンピュータの出力はランダムなビット列であり、役に立つような規模の問題を解くために必要な量子誤り訂正機能も搭載することができておらず、実現するには10年、20年必要だろうと述べられています。一方でライト兄弟の初の有人飛行のようなものだとも述べられています。

 

まとめ

量子コンピュータが発達すれば、恐ろしいほどのシュミレーション能力で触媒や薬、エネルギーなど様々な分野に影響があると考えられるそうです。個人的には、人のように考えるAI(人工知能)も可能になるのでは?と思ってしまいましたし、地震予知に多大な貢献をするんじゃないかなと思いました。

 

各国が企業と連携して競い合うように開発しているそうなので、スマホのように1人一台量子フォンを持つ未来も、もしかしたら、生きている間に見れるかも知れませんね!長生きしましょっ♪