歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

人生に夢は必要?

今回は、ドリーム・ハラスメント 「夢」で若者を追い詰める大人たち(2020年)と 人生の目的が見つかる魔法の杖(2014年)を読みました。

 

 

人生の目的が見つかる魔法の杖

人生の目的が見つかる魔法の杖

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ドリーム・ハラスメント

 

ドリーム・ハラスメントを書かれたのは、大学事務をされている方だそうです。夢がないと言う学生さんからぜひ書いてほしいと言われ、出版社に持ち込んだものの、何度も出断られたということでした。著者さんの主張としては、夢を持つのは良いことだけど、夢を持てと強制するのはハラスメントであると知ってほしいということです。

著者さんの主張になかなか納得できずにいたのですが、確かに、幼い頃から将来の夢を言うことを強要され、夢がないから頑張れないと罵られ、大人を満足させるために夢を捏造する子どもがいるというのは理解できました。

 

 

人生の目的

 

一方、人生の目的が見つかる魔法の杖を書かれたのは過去記事「ブレイントレーニング」「2羽のかも」でも紹介したアスリートのメンタルコーチや経営者のコーチングをされている方です。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

ddh-book.hatenablog.com

 

そして、彼もまた人生には目的はない。「人生の目的」は、あるとかないとかいうものではなく、それを感じるか感じないかの問題だと述べています。「自分を喜ばせる幸せ」か、「自分以外を喜ばせる幸せ」か、人生の目的も、結局のところはこの2つの幸せのどちらかに行き着くのだそうです。

 

 

目標と目的

 

「自分を喜ばせる幸せ」というのは、人生の目標にはなっても、人生の目的にはなりません。自分の利益だけをモチベーションとして戦っていると、どういうわけかマイナス感情がわいてくるのだそうです。おそらく人間が社会的動物であり、関係性の中でしか生きられないからだろうということでした。

確かに、ビルゲイツも慈善家になりましたし、過去記事「謝罪ができない人」で紹介した稲森和夫もJALの会長を無償で引き受け業績回復を果たしましたよね。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

目標は左脳(理屈で考える脳)が考える、会社のために働かなければならない、家族を養わなければならない、親孝行しなければならないという義務感が出てきがちになります。医者になりたい、弁護士になりたいといった夢も目標に当たります。

一方、目的はと言うと、自分は何を最高の価値として生きるかの問題であり、目標を具体化した、快=幸せを追求したものです。つまり、医者になって患者さんを苦しみから救いたい→患者さんや家族、そして自分も幸せ、というのが目的だということです。

 

 

夢と目的

 

これらのことから、大人が子どもに求める「夢」というのが目標なのか目的なのかと考えると、目標に近いものではないかと思いました。つまり、2人の著者さんはアプローチは全く違いますが、無理に夢(目標)を持つ必要はないと言っています。夢(目標)なんか持つよりも、目の前のことに一生懸命取り組み、その中にある楽しい気持ちや幸せな気持ちにフォーカスして、自分の幸せ(メンタルヴィゴラス状態)を追求していくことが大切だということです。

そして、それが「自分を喜ばせる幸せ」だったとしても若いうちはそれでOK。きっと大事な人ができたり、自分にとって大切な人の存在に気付いたとき「自分以外を喜ばせる幸せ」があることに気付くことになります。

 

 

まとめ

 

ドリーム・ハラスメントを読んで、自分も保育園の息子に「将来何になりたい?」と聞いていたのはハラスメントだったかもしれないと気づかされました。先日、「ほめ育」というのを知ったのですが、子育てにおいても親自身が自分をほめて、自己実現していること、つまり親がいつも楽しい気持ちでイキイキと生きていることが子どもの子育てにおいて最も重要だということでした。私もねばならないではなく、〜したい、幸せ!で生きていきたいです。

本書を読んで、誰でも最初は夢や目標なんて持っていない。目の前のことに一生懸命取り組んでいるうちに自分にとっての幸せに気づいていき、いつの間にかこうなりたいという夢や目標が浮かんでいるだけなのだということを学びました。