今回読んだのは、「かもの法則―脳を変える究極の理論」(2015年)です。
この本を書いたのは、過去記事「ブレイントレーニング」と同じ方になります。

否定的な「かも」とは、「ムリかも」 「やっぱりダメかも」 「どうせうまくいかないかも」といったネガティブな「かも」のことです。特徴は、他責です。自分の仕事がうまくいかないのは、「不況のせいだ」「円高のせいだ」「政府の無策が一番の原因だ」と思ってしまいます。悪い未来を想定しているので、いつも自分を守りたくなるのです。誰かを責めたり、何かを批判したりしながら悪いイメージを反復し、望ましくない未来の「かも」にますます支配されていくという悪循環に陥ります。

逆に、肯定的な「かも」の特徴は、自分ではなく他の誰かを守ろうとするところです。商売が「うまくいくかも」というイメージには、お客様の喜ぶ顔が見えています。どんな状況に置かれても、「できるかも」 「やれるかも」 「うまくいくかも」 「ツイているかも」と感じられる人には未来を変える力があるというとでした。
また、肯定的な「かも」は単なるプラス思考の楽天家ではありません。いつも前向きで自信に満ちた危機管理能力のない行動力は、オオカミの怖さを知らずに深い森に入っていく赤頭巾ちゃんに過ぎません。

一度成功できたとしても、同じ方法がいつまでも通じるなんてことはありません。スポーツの練習では、基本的に最善をイメージしながら、最悪を想定して行われます。つまり、どんな場面にも的確に対応でき、降ってわいたピンチもチャンスに変えられる、危機管理の「かも」も心に飼っておかなければいけないということです。
著者さんは、マイナス思考を考えないようにしたり、プラス思考に変えようとしなくても良いと述べます。マイナス思考は、放っておくに限るのだそうです。
「ポケットの中のダイヤモンド: あなたの真の輝きを発見する」(2021年)でガンガジも、不幸せ、怒り、悲嘆を感じる瞬間もありますし、さまざまな気分が通り過ぎはしますが、どんな気分を恐れることも、どんな瞬間を避ける必要もない、ただ感じ、掘り下げていけば良いと述べています。
自分にマイナス思考が立ち現れても、ただ眺め、もしそこに失敗があったのであれば「なぜ?」ではなく「どうしたらうまくいく?」と自分に聞けばいいということでした。
悪い予感は現実化します。悪い予感が浮かぶときは書き換える、打ち消し「がも」を召喚しましょう。「もしかしたら、できるかも」というのは、可能性がゼロではないため、脳は否定することができません。また、脳は現実とイメージを区別できないし、同時にポジディブなイメージとネガティブなイメージを作ることもできません。(過去記事「無意識思考は存在しない」でもあったように、一瞬一瞬で切り替わるために同時に考えていると錯覚しているだけです。)
何か実現したい未来があるのであれば、悪い予感の「かも」をそのまま脳に放置しておくのは非常に危険です。ガン細胞のように増殖する前に、打ち消し「がも」で悪い予感を一つひとつ潰していきましょう。

今よりももっと幸せになりたい、もっと成長したい時は、イノベーションを起こすゆさぶりの「かも」の出番です。「今のままではまずいかも」 「このままではいけないかも」を大事にしましょう。
「移動力」(2019年)では、何も考えなくても勝手に職場に着いてしまうのが当たり前になってしまっていることが一番怖いと書かれていましたが、私もそう思います。
ゆさぶりの「かも」が常に心の中にいるというのはさすがに落ち着きませんが、同じ毎日に気づいた時には出してみるといいですね。
絶対に成功する、必ず上手くいくと断言はできなくても、「かも」ならウソではないのでいくらでも言い聞かせることが可能だなと思いました。また、過去記事「ブレイントレーニング」の時には、ネガティブ思考が出てきたら、1点を見つめたり具体的な対処法が書かれていましたが、本書では「放っておく」になっているのも印象的でした。
私も頭の中に常に肯定的なかもを飼いたいなと思いました。


