歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

営業テクニック_4つの壁

今回は、クラクションを鳴らせ!変わらない中古車業界への提言(2023年)を読みました。

 

 

 

ビックモーターの元幹部

 

本書は、不正で有名になったビックモーターの幹部として以前(不正前に)働いていた著者さんが自身の営業テクニックと起業した会社について書いている本ですが、書いている途中でニュースが出て大騒ぎになってしまい、内容を(恐らくタイトルも)変更して書かれた本です。高校を中退してがむしゃらに頑張って、トップセールス→店長→部長→起業して社長と成りあがった著者さんのサクセスストーリーと自慢の営業テクニックを余すことなく書いた本になるはずだったのが、暴露本の様相に変わっていったんだろうなというのが読んでいて伝わってきました。

 

とはいえ、本書に書かれている営業テクニックは、歯科衛生士にとっても学びになるなと思ったので、まとめたいと思います。

 

 

4つの壁

 

営業において、成約を得る際に破壊しなければならない4つの壁というのがあるそうです。



①信用の壁

初対面の印象はとても重要ですよね。著者さんは営業には 以下の3つがマストであると説明していました。

  1. どうしようもないくらい明るく、感じがいい
  2. とても自信がありそうで、安心感がある
  3. プロフェッショナルだろうという雰囲気が溢れ出ている

そして、そのような人物になるためにはYouTubeで営業動画等を見て、身振り手振りや佇まい、話し方や間の取り方、声の大きさや高さ、抑揚の付け方まで徹底的に真似ることができるように練習すべきだということでした。

特に、最初のアイスブレイクは相手の緊張をほぐしてスムーズにコミュニケーションできる状態にする、つまり信用の壁を破壊するのにとても大事なスキルになります。自分のビデオを撮って見直し、鬼のように練習しろということでした。

 

歯科衛生士の教科書でもラポール(信頼関係)の形成が重要であること、傾聴やオープンクエスチョンで会話の中から情報を得ていくことなど書かれていますが、実習でもここまで真剣に、何度も練習はしません。しかし、このスキルは誰でも練習すれば得られる技術であり、もっと歯科衛生士も練習して出来るようになるといいなと思いました。

 

 

②競合の壁

次の競合の壁を打ち破るために重要になってくるポイントは、自分のお店の強みが何なのかという事です。そして、最安値ほどの強烈な差別化をしても、「安心」の観点からライバルと差別化できていなければお客様に逃げられてしまいます。

ここですべきなのは、以前買ったお店より「安心」して任せられそうだなと思わせる事であり、流れるように前回買ったお店と自社の比較で話を進めることになります。自社のデメリットをこちらからうまく伝える事で誠実さも伝わり、そのデメリットと比較してメリットの方が大きいと感じてもらえるということでした。他社の悪口は言ってはいけませんので注意しましょう。

 

著者さんの会社では、入社時に社長が直々にこの部分のロールプレイをして徹底的に叩き込むそうです。歯科医院でこのような練習をするというのは聞いたことがありません。自分たちの強みを言語化するところから始めないといけませんね。

 

 

③欲望の壁

第三の壁は、欲しい!と思わせるという事です。商品を買ったら「自分の生活がどのように豊かになるか」をイメージさせる言葉かけが重要になります。中古車販売で言えば、今のクルマにはなくて、新しいクルマにある装備、この違いを軸に商談していくということになります。

そして、ユーザーは誰でも、商品を見比べるのが大好きです。しかし、変数が多すぎると、今日はもういいやとなってしまうため、効果的に変数を減らしつつ流れるように選んでもらうことが大切になります。

 

歯科医院でも自費にするのか、保険にするのか選んでもらう場面があります。自分の生活がどのようになるのかをイメージしてもらうことができる説明ができるようになるといいですね。

 

 

④時期の壁

これは、いわゆるクロージングになります。ここでは、契約を迫るのではなく、それまでに顧客の違和感を全て取り除き、顧客自身が選んだ1台にしておくことが大切です。それができれば、そしてお客様から「買います」と言われて契約するという流れにできます。第四の壁は、ちゃんとこれまでの壁をクリアしていれば、どの壁よりも簡単に破壊できるということでした。

 

 

まとめ

 

歯科衛生士は学校でコミュニケーション技術は学びますが、営業テクニックを具体的に学ぶことはありません。しかし、過去記事「コールドリーディング」のように、どんな分野であれ一流の技術を知るというのは自分の分野にも活かせる点が多いなと思いました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

そして、営業職の人たちは何を大事にしていて、どんな訓練をして商談に臨むのかというのを知って、やっぱりプロだなぁ〜と思ったし、勉強になりました。