今回は、「長生きしたけりゃ 小麦は食べるな」(2020年)を読みました。
糖質制限や少食についてこれまで読んできているので、小麦を食べないことの効果と重なる部分が多く、小麦のことだけについて書かれているため、本当に小麦が原因かな?と疑問に残る部分も多々ありました。
しかし、小麦のグルテンが副腎に与える影響のメカニズムについては勉強になったので、整理しておこうと思います。
本書で小麦のせいで起こると言っている症状は、【肩こり、しつこい疲労感、肌荒れ、めまい、むくみ、生理不順、性欲の減退、更年期障害、アレルギー、アトピー、喘息、腸の炎症、便秘、下痢、吐き気、頭痛、湿疹、関節炎、気管支炎、不眠、肥満、メタボ、鬱病、メンタル不調、ADHD(注意欠陥多動性障害)、学習障害、高血圧、低血圧、高血糖、脂質異常、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、線維筋痛症、腎結石、自己免疫疾患、脳梗塞、がん、その他難病】だそうです…。

全身の炎症によるのだそうですが、よく読むとエビデンスのないものや推測の域のものも含まれていて、他の影響を無視して全て小麦のせいだと断定するのは疑問が残りました。
本書によると、小麦を食べると小麦のグルテンを形成する糖タンパクであるグリアジンによってゾヌリンという物質が分泌されるそうです。ゾヌリンが多量に分泌されると、腸の細胞と細胞の間が開きっぱなしになった状態となり「腸もれ症候群」となってしまいます。本来はタイトジャンクションで守られている腸の細胞間から細菌や毒素、未消化の食べ物が入ってきてしまい、炎症を起こしてしまいます。

さらに、ゾヌリンは脳にいたると血液脳関門も開きやすくし「脳もれ」までも引き起こします。脳もれは脳の炎症を引き起こし、認知機能を低下させるそうです。
ゾヌリンをWebで検索してみると、ゾヌリンの分泌を促す腸内細菌もいるそうで、小麦だけのせいという訳ではなさそうです。また、ゾヌリンの検査をしてくれる医療機関もあり、結構なお値段でしたが検査も受けられるようでした。
さらに、炎症が起きるとそれを抑えるために副腎から「コルチゾール」が分泌されます。コルチゾールは抗ストレス作用、糖新生、脂肪分解、抗炎症作用・免疫抑制作用を担う生命を維持するために欠かせないホルモンです。身体が炎症だらけになると、炎症を抑え込もうとコルチゾールはどんどん分泌され、副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)になってしまいます。

副腎疲労は以下の3つのステージがあるそうです。
ステージ1(軽症)
コルチゾールの分泌過剰により、お腹が出てきたり、顔がむくんだり、高血圧、高血糖、脂質異常になり、抑うつ状態が出ることがある。
ステージ2(中等度)
コルチゾールの分泌量が落ち、正常と変わらなくなる。
ステージ3(重症)
コルチゾールが出なくなり、体内の炎症に対応できなくなる。極端に疲れやすくなったり、激しい便秘や腹痛、吐き気、皮膚炎などが出る。
この段階になると、治癒するまでにおよそ1年~1年半ほどかかるそうです。
さらに、副腎から出るホルモンは人体にとって優先順位が高いため、他の大切なホルモン、例えば甲状腺ホルモンや性ホルモンが作られにくくなってしまうのだそうです。
副腎疲労は小麦を食べたから起きるのではなく、身体に慢性炎症があることで起きます。つまり、歯周病でも副腎疲労が起きる可能性が考えられますね。
他にも、小麦にはカビ毒の心配があるということでした。カビ毒とは「マイコトキシン」と呼ばれるカビが作り出す化学物質です。これは特に脳の認知機能に悪影響を及ぼすのだそうです。海外から輸入された小麦やコーン、ナッツ類、ドライフルーツなどに多く含まれているそうで、ジャンクフードにはカビ毒がくっついていると考えた方が良いということでした。
少しWebで調べてみると、一般的にマイコトキシンは熱に強いものが多く、一般的な調理方法では完全に分解することはできないそうです。玄米やリンゴジュースからも検出され、日本では食品衛生法に基づく基準値などが設定されているそうです。湿潤かつ温暖なわが国の気候はかびの生育に適した環境であり、気象条件や生産、貯蔵時の管理や取扱などによっては、農産物に健康への悪影響が無視できないかび毒汚染がおこる可能性があるということで、海外のものだから危険、国内のものだから安全という訳でもなさそうでした。
結局、どんな食べ物も食べ過ぎは体に毒なんだと思います。人の体質はそれぞれでしょうし、同じ遺伝子を持っていても発現するかは個人により異なり、環境の影響も大きいことと思います。つまり、特定の食品を食べすぎるのではなく、様々な食品をまんべんなく食べること、体に必要な量以上食べないことが大事だということだろうなと本書を読みながら考えました。
しかし、真偽やエビデンスはともかく、3週間グルテンフリー生活をやってみるのはいいかもしれないと思います。もし、本書の体験者さんたちのような結果が得られたら儲けものですよね。ただ、今夏休みで三食ご飯を作らないといけなくて、麺類が好きな子どもたちに小麦なしの食事を毎日考えるのは大変なので、まずは、ゆる~く気を付けてみたいと思います。
