歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

「しぐさ」から本心を読む

今回は、「しぐさ」を見れば、相手の本心が怖いくらい読める!(2013年)と「外見・しぐさ」で相手の心理を見抜く~他人の考えが分かる実践技術!~(2017年)を読んだので、歯科衛生士が保健指導をするときに注目するべき「しぐさ」について考えていきたいと思います。

 

 

 

 

目の動き

心の動きは目に表れるそうです。右上に向くときは、それまでに見たことのない光景を思い浮かべており、嘘をつこうとしている可能性があります(左利きの場合は逆)。イメージを創造しているので、将来の話を聞いた場合も、右上を向きます。逆に、過去の体験を思い出している時は左上に向きます

「昨日、いつ歯を磨きましたか?」と聞いた時、右利きの方で目が左上に向いた場合は歯を磨いた時の情景を思い出そうとしており、右上に向く場合は、嘘をついているかもしれないということですね。

 

また、ある心理学の実験では、目を右に動かす人には「理系」が多く、左に動かす人は「文系」だったということです。目を右に動かす人には、数値や理屈を、左に動かすにとには気持ちい良い、さっぱりしたなどの感情に働きかける保健指導をすると効果的なのかもしれません。

 

 

顔を触る

顔を触るしぐさが多くなる時は、嘘をついている可能性が大きいそうです。自分の顔や体を触る行為は「自己タッチ」と呼ばれ、自分が感じている「不快」な気持ちをなだめ、「快」に切り替えようとして無意識に行うのだそうです。自己タッチは幼児期にその原型があると言われており、赤ちゃんの頃に撫でられたり、母乳を飲んでいた時の感情を無意識に呼び覚まそうとしているということでした。

初対面の方に自己タッチが見られる場合は、緊張しているのかな?で良いですが、何度もお会いする方が髪や鼻、口周りや耳をやたらと触る場合は、不安が強かったり、何か都合の悪いことを隠そうとしていると考えても良いかもしれません。

 

 

腕を組む

相手が腕を組んでいる場合は、脅威や恐れを抱いているか、引け目があることを示しているそうです。聞きたくない、あるいは同意できないという気持ちが表れているため、腕を組んでいる状態の方に保健指導をしようとしても全く効果がないでしょう。

また、腕組みをしていた人が急に腰に手を置き、「アーム・アキンボー」の姿勢になった時は、相手の心境がそれまでの逡巡から反撃に転じたことを示すそうです。

 

歯科保健指導をする時に歯ブラシや鏡を持たせたり、視覚資料を渡して説明するのは、この姿勢をとらせないためでもあります。(本当ですよ!)

 

 

身体の動き

人間は、本当に興味を持ったら前傾姿勢(フォワード・ポスチャー)を取って身を乗り出して話を聞こうとしますが、興味を失うと、体を後ろにのけぞらせる後傾姿勢(バックフォワード・ポスチャー)になります

これは、保健指導の場面で良く見られる現象です。指導中に相手の体がのけぞる時は、興味がありそうな他の話題や他の切り口からの説明を試みてみます。相手の行動をまねるミラーリングも効果がありますし、ジャパネットたかた高田社長の聞いている人を引き付ける身振りや話術は、歯科衛生士も学ぶべき点が多いと思っています。他にも、前傾姿勢を遮る荷物などは膝の上ではなく荷物置きに置いてもらい、机の上に置いた資料を指さしたり印をつけたりして前傾を誘導するテクニックも使いますね。

時計を見たり、貧乏ゆすりや頻繁に足を組み替える時は「はやく帰りたいサイン」なので、今日は話を短めに終わらせて次の機会にした方が良いなと判断します。

 

 

つま先の向き

座っている人の足の向きには本音が現れるそうす。下半身が話し相手ではなく出口を向いている場合、どんなに愛想よく、熱心に話を聞いているように見えても、本心は「早く帰りたい」と思っています。社会人としての自制心を働かせても、つま先には感情が現れてしまうそうなので、立食パーティーなどで観察してみる機会があれば面白いかも知れませんね。

歯科衛生士自身も、しっかりと相手の方につま先を向けて保健指導をしたいものです。

 

 

メラビアンの法則

メラビアンは、相手の発した言葉や表情、感情が一致しないときに、相手のどの情報を優先して受け取るのかを実験し、表情や視線など見た目や仕草による「視覚情報(Visual)」が55%声の大きさや話すスピードなどの「聴覚情報(Vocal)」が38%会話そのものの内容である「言語情報(Verbal)」が7%影響を及ぼしていることを発見しました。つまり、どんな話をしているのかよりも、表情や声が与える影響の方が大きいということです。

本書に書かれているような、非言語的コミュニケーションを歯科衛生士ももっと活用できると、さらに良い保健指導ができそうですね。さらに学んでいきたいです。

 

 

まとめ

歯科衛生士が行う歯科保健指導は法律に規定された「名称独占」業務であり、歯科衛生士の三大業務(予防処置、保健指導、診療の補助)の一つです。少しでも日本中の歯科衛生士が専門性とプライドを持って各々保健指導を行っていることを知っていただけたら嬉しいですね。