歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

人を幸せにする経営

今回は「日本でいちばん大切にしたい会社3~7」(2013~2020年)です。

 

 

 

 

 

過去記事「本当に良い会社の見分け方」で一度書いているので、本当は書くつもりはなかったのですが、これは絶対に書いておきたい!と思ってしまいました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

私はいつも、家事や土いじり、ランニング中などにイヤホンをつけて読み上げで読むのですが、もうずっと涙が止まらなくて、汗と涙をボロボロこぼしながら鍬を振っていました(笑)

人を幸せにする経営について、過去記事「本当に良い会社の見分け方」では書き足りなかったことを含めてまとめたいと思います。

 

 

本社規模は小さい

 

良い会社の特徴の一つに、本社の規模が小さいというものがあります。実際に訪れると、この従業員の規模でこの人数?というほど人数も少なく、建物も古く小さいところが多いそうです。

従業員や顧客を喜ばせるために立派で大きな本社は必要ないということですね。また、経理や管理といった人は最小限で、行政のように無駄な仕事を作り出すための仕事なんてものもありません。

 

 

食堂やトイレがキレイ

 

著者さんが企業訪問をするときは、食堂(休憩室)やトイレをチェックするそうです。従業員を大切にしている会社では、決して地下の狭い空間を休憩室にしたりはしません。1番日当たりがよく、見晴らしの良い場所に食堂を設けているのだそうです。

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私も歯科衛生士の実習を見に行く時にバックヤードやスタッフルームを見る機会もあったのですが、ロッカーは狭く、不要な荷物が積み上げてあったり、狭くて暗かったりで、 Googleなど大きな企業でない限り、どこでもそんなもんなのかなと思っていました。社員がイキイキと働けて居心地の良い職場というのは、顧客には見えない部分にこそ現れるのですね。

 

 

離職率が低い

 

大企業では新卒の3割は離職すると言われますが、良い会社の離職率は3%以下なのだそうです。また、会社も社員を絶対に解雇しませんので、長く働く人が多く、親子兄弟で社員になっている会社も紹介されていました。

歯科でも大体3年で職場を変えると言われており、同じ歯科医院に20年も勤める歯科衛生士というのはかなりレアです。「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」になった歯科医院では、10年間離職ゼロだったということで、これは納得の表彰だなと思いました。

 

 

残業が少ない

 

さらに、良い会社は残業が少ないのも特徴です。社員を大切にする会社では、勤務時間を短くしたり、残業を禁止しても生産性は落ちなかったそうです。独自の休暇制度を設けたり、子どものイベントなど社員同士で声を掛け合うという風土もできています。

社員間で業績を争わせるようなことはせず、社員は仲間であり、お互い様という気持ちで助け合えるから、高い生産性を維持しているのだと思いました。

 

 

社員の子どもの数が多い

 

著者さんが調査した51社の社員の子どもの数の総平均は、1.90人もいたそうです。 1人の女性が産む子どもの数の指標となる出生率は2023年の日本は1.20と、過去最低を記録しています。都道府県中最低だった東京は1を下回って0.99です。

最も子どもの数が多い会社の社員1人当たりは2.33人で、2.0人以上の会社が全体の3分の1を占めていたと言うので、子どもを産み、育てることのできる環境・風土が整っているのだと思います。

 

 

会社のイベント参加率が高い

 

これはやっぱりねと思ったのですが、社員の愛社心や満足度は離職率や育児休暇後の復帰率だけでなく、会社主催の親睦会行事への参加率に現れるそうです。 「この参加率が70%以下の会社は、社員の会社に対する不平・不満・不信感がうっせきしていると思ったほうがいい」ということでした。

以前、歯科衛生士として勤めていたところが社員運動会をしていると聞いた時、「うわぁ〜迷惑」と直感的に思ったのですが、そういうことですよね。本書に載っているような社員や社員の家族を心から大切にしている会社であれば、日頃のお礼を伝えに家族総出で参加しようと考えると思います。また、そういう会社の方も、日頃家族が皆に頼りにされ、頑張っている姿を見せるようなイベントをしていて目頭が熱くなります。

 

 

女性や高齢者、障害者が活躍

 

本書では、ほとんど障がい者で運営し業績を上げている株式会社や女性や高齢者が活躍している会社も多く紹介されています。営利企業なのに障がい者雇用率70%を長期間維持している会社もあります。どの会社の話も心が熱くなり、涙が止まりません。それぞれに合った働き方を提供していて、ちゃんと収益を上げている、弱者と呼ばれ、これまで支援を受けて生きてきた人たちがあなたが必要だと言われながら働いている。本当に素晴らしいです。社会的な弱者にとって、最高の幸せは働くことだと著者さんは述べます。ぜひ、本書の事例を全て読んで欲しいです。

 

 

感謝の手紙がたくさん届く

 

会社から大事にされている社員は、返報性の法則なのか、顧客に誠心誠意尽くし、地域のボランティアにも積極的に参加します。本書でも数多く会社に届いた感謝の手紙が紹介されていますが、良い会社では月に何十通も感謝の手紙やメールが届くそうです。

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そして、それを社員全員で読んで士気を上げ、この会社で働いて良かったと感謝し、と、良い循環しか生まれませんよね。

 

 

まとめ

 

著者さんは、日本の企業の多くは間違いだらけであり、大企業と中小企業では生きる世界が違うのだと言います。そして、このような社員を大切にする良い会社は全体の1割程度なのだそうです。

このような人を大切にする歯科医院がもっと増えたらいいなと思ったし、歯科でも歯科衛生士が長く勤められて、障がい者、高齢者を雇用できるところが増えるとといいなと思いました。

過去記事「ザ・資本主義」でも書いたような、資本主義に絡みとられない豊かな生き方というのは、こういう生き方なのでしょうね。

 

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このブログを始めてから読んだ本は1000冊近くなりますが、まだこんな素敵な本に出会えるなんて、世の中はまだまだ広い!と思うばかりです。