今回は、「目に見えないけれど、人生でいちばん大切なこと」(2018年)を読んで、見えないけれど、大切なものってあるなと気づいたので、ご紹介します。
本書の著者さんの一人である、木村秋則氏はNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介された農薬も肥料も使わないリンゴ栽培に成功したリンゴ農家さんです。映画化もされたそうです。
もうお一人の鍵山秀三郎氏は、イエローハットの創業者で、掃除で会社を大きくされたと言っても過言ではない方です。毎日自社のトイレ掃除をして、他社まで掃除に行く「掃除の神様」とも言われる人物です。以前講演会をまとめた書籍を読んだことがありますが、ご本人だけでなく社員一同そこまでするか!というほどの徹底ぶり関心したのを覚えています。
無農薬りんごの秘訣は土だった
一つ目の目に見えない大切なものは、土の中にあります。無農薬のリンゴを栽培しようとしたとき、様々なものをリンゴの木に吹きかけてみたそうですが、害虫は全く減らなかったそうです。そして気づいたのが森の土と土の中にいる微生物でした。
私もダンボールコンポストをしていますが、微生物が順調に生ごみを分解している時は中がホカホカになります。
鍵山氏も掃除で出た枯れ葉などのゴミは燃やすのではなく、堆肥にしているということでした。目に見えない自然のパワーを感じますね。人間でも、幼いうちに菌に沢山触れると病気やアレルギーになりにくいという話を思い出しました。
植物やモノの心
二つ目の目に見えない大切なものは植物やモノに宿る心です。立派なクルミの木が実をつけないので切るしかないと話をし、チェーンソーを持って来ると、奥さんから急ぎの用事を言われ、翌日以降もなんだかんだと1年切れないでいたら、翌年には沢山実をつけたという話が印象的でした。まるで、さるかに合戦じゃないか!と思いました。植物だけでなく、トラクターや掃除用具などのモノにも声をかけ大切にすると必ず答えてくれるということで、忘れないようにしたいと思います。
早速、ベランダの枝豆ちゃんとしょうがちゃん、庭のトウモロコシちゃんに毎日話しかけます。
実をつけ始めたベランダの枝豆ちゃん
掃除の功徳
三つ目は掃除の功徳(くどく)です。お釈迦様は以下のように仰られたそうです。
一 自心清浄
…自分の心が清らかになる二 他心清浄
…他人の心も清らかにする三 諸天歓喜す
…すべてのものが喜び、イキイキとする
四 端正の業を植ゆ
…すべて(心や物事)が整う
五 命終の後まさに天上に生ずべけん
…死後、必ず天上に生を受ける
本書でも、町を掃除して治安が良くなったり、トイレ掃除をして謙虚になれたりと実際に起きた変化についても書かれています。ついつい後回しにしてしまいがちなので、すぐする、心をこめてするを意識したいです。
また、どんなに隠そうとしてもその人の心が顔に出るという話は、以前から私も感じていました。かわいいお祖母ちゃん(私の目標)になるためにも、利他の精神で生きていきたいと再確認しました。
まとめ
ピアジェの認知発達論によると、自己中心的な考え方を抜け出し、共感力を持つようになるのは、7歳~11歳頃の具体的操作期だそうです。小学生の間に植物を育てたり、モノを大事にしたり、掃除をするというのは大事な経験になると本書を読んで思いました。
今の家に引っ越してからは、地域の一斉清掃に参加するようにしていますが、おじいちゃん、おばあちゃんばかりで子育て世代はほとんど参加していません。正直、途中で子供が飽きたり、面倒なのですが、功徳を胸にこれからも参加していこうと思いました。
世の中には目に見えない大切なものがあることを子ども達に伝えていけるといいですね。