歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

クルマの未来

今回は、電気自動車の新産業革命(2022年)と自動車(クルマ)が家電になる日2030年―これ1冊で「モビリティ革命」の全容がわかる!(2019年)を読んで、自動車の未来について考えたので、まとめたいと思います。

 

 

 

 

電気自動車は本当にエコか

 

これは、ニュースでも時々話題になる話ですが、「新産業革命によると、日本におけるバッテリーの製造、走行、発電時の排出を含めるバッテリー車のCO2排出は、効率の良い内熱自動車と同程度だそうです。CO2排出の面で言うと、バッテリーの製造にも走行にも電力が使われる訳で、例えば電力を石炭で作るとCO2の排出量は増加してしまいます。電力自体の脱炭素化も1つの課題だということでした。

また、本書では触れられていませんでしたが、EV車はタイヤの摩耗が大きいというのも聞いたことがあります。また、ググっているとリチウムイオンバッテリーにはコバルトやニッケル等の鉱物採掘に関する問題や廃棄する際の土壌や水質汚染問題もあることが分かりました。

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電気自動車が本当のエコカーになるためには、自然エネルギーを使った効率の高い電力づくりバッテリーのリサイクルに関する技術発展が必要なようです。

 

 

自動車の家電化

 

「自動車が家電になる日」では、クルマは「家電製品化」すると予想していました。家電メーカーが電気自動車に参入するのは実はそれほど難しくなく、自動車部品もエンジン車の2/3と少ないのだそうです。実際、ダイソンが電気自動車に参入することを発表し、ヤマダ電機も小型電気自動車を販売する計画があるということでした。そして、クルマが家電化すると白物家電と同じように故障しても修理に回すのではなく買い替えるようになる、スーパーやホームセンターで車を買える時代が来ると述べられていました。

 

しかし、Webを見に行ってみると、ダイソンはすでに電気自動車から撤退しており、ヤマダ電機も最近再販売を始めたものの、修理、点検、車検など車のアフターサービスの連携がうまくいかず、三菱自のEV「アイ・ミーブ」の販売をとりやめていました。

また、近年の環境保全に関する関心の高さとバッテリーのリサイクルが難しいことから、クルマを家電のように買い替えるという時代は当分来ないのではないかと思いました。

 

 

運転する楽しさ < 快適な移動時間

 

自動運転は以下の5つのレベルで段階的に進むと言われています。

レベル0:運転自動化なし

レベル1:運転支援(自動ブレーキなど)

レベル2:部分運転自動化(常にドライバーの監視が必要)

レベル3:条件付き運転自動化(緊急時はドライバーが運転操作)

レベル4:高度運転自由化(システムが自動運転の主体)

レベル5:完全運転自動化(ドライバーは不要)

私の今乗っている車はレベル2ですが、レベル2でも高速道路を使った長距離移動では本当に便利で、時速を設定したらアクセルペダルを踏まなくて良いのでとても楽だなと感じます。近年よく話題になっている高齢者の逆走問題やペダルの踏み間違え事故も、レベル4まで行けば問題ではなくなりそうです。

クルマの価値や役割というのは、かつては「ステータスシンボル」でしたが、「生活必需品」となり、今後自動運転のレベルが上がれば「移動する箱」へと転じていきます。車に求められる機能も「運転する楽しさ」よりも「車内空間の快適さ」に変化していくということでした。

 

 

クルマの未来

 

20代でMTのオープンカーに乗っていた(笑)私としては、「運転する楽しさ」というのは今後も、一部で確実に求められるのではないかと思っています。子どもは動く乗り物、とりわけ自分で動かせる乗り物が大好きですが、それって大人になっても変わらないと思うんです。ゲームでは味わえない五感を使った楽しみってありますよね。

私も災害対策の面から電気自動車を本気で検討し、色々と試乗もしましたが、多分2030年になってレベル5が達成されても、自分で運転できる機能を残しているクルマを選ぶと思います。その時には、ドライバー運転が可能なエリアが決められていて、有料道路のようにお金を払わなければ走れないのかも知れませんけどね。

また、レベル5が達成されればドライバーという仕事は必要なくなりますが、人と人とのコミュニケーションの価値は今より大きくなると思います。過去記事「本当に良い会社の見分け方」の事例の中にも、あえて会社にコピー機を1台しか置かず、コピー機に並ぶ間に他部署とのコミュニケーションが行われているというものがありました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

自動運転車を使って畑に集合し、みんなでワイワイ言いながら畑を耕し野菜を育てるといった、人と人が交流するためのあえて手間や時間のかかる作業をするために自動運転車が使われる未来が来るのではないかなと思いをはせました。

 

 

まとめ

 

AIの進展もすさまじいですが、クルマも今後どうなっていくのか楽しみですね。以前読んだどうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる(2023年)において、高齢だからといって運転免許を返納しなくてもいいと述べられているのですが、私はこれには絶対反対です。

 

 

今の自動運転システムでは、80歳を超えて事故を起こしそうな運転をする人は他人を巻き込む事故を起こす前に免許を返納したほうがいいと思います。車の多い都心部に住んでいる場合はなおさらだし、車の少ない田舎でもレベル2以上の車に乗ることが必須ではないでしょうかね。

地球環境にやさしい本当のEV自動車の開発や自動運転技術の発展を期待したいです。