今回読んだ本は、「 無意識のすごい見える化 「脳内の親」から解放されれば未来は思い通り!」(2021年)です。
実はこの本、このブログを始める前に一度読んでいるんです。表紙ではそれに気づけず、読み始めて気づきました。2年ぶりにもう一度巡り合ったのには何か縁を感じますね。
本書に書かれているメタ無意識の12パターンについては、うまくいかない時に自分の考えを振り返り確認するのにとても参考になるので整理しておきたいと思います。
やろうと思ったらすぐ行動する、主体的に考えながら、それどころか考える前に動くのが主体行動型で、うまくいくか調べたり、分析したり、周りの様子をうかがってからやるかやらないかを決めるのが反映分析型です。主体行動型で考えて行動する時、脳は「この言葉、本気だな。じゃあ早く、現実のものにしよう!」と考え、潜在意識が動き出すのだそうです。
主体行動型の時に出てくる言葉は、
「(自分が)お客さんを呼び戻して満席にしよう」であり、「お客さんが戻ってきて、満席にならならないかな」ではありません。
2014年のサッカーワールドカップで日本代表のキャッチコピーは「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」でした。この問題回避型のキャッチコピーが連呼された結果、惨敗となってしまいました。「負けられない戦い」という言葉は、そもそも「負け」を前提にしてしまっています。「シロクマのことをイメージしないでください」の例のように、脳は否定語って理解できませんよね。
目的志向型は、起業家にとって不可欠の要素であり、「自分たちの価値を売っていく」というビジョンやパーパスが大事になってきます。
他者基準の人は、他人が認めてくれたら「うまくいった」と判断します。一方、自分基準の人は私がやりたいからやる、うまくいったかどうかは自分で判断すると考えます。
2019年のフィギュアスケート世界大会において、1位のチェン選手は「フィギュアを極めたいだけ」と語り、2位の羽生結弦選手は「とにかく、チェン選手に勝ちたかったんです」と語ったそうです。羽生結弦選手が自分基準で戦っていたら、結果は違っていたかもしれませんね。
「なぜ」という言葉は、過去に焦点を当てる言葉です。「なぜうまくいかないのか?」と考えている時は過去基準でものごとを考えてしまっています。未来に焦点が当たる発言をさせると脳が活性化するという研究もあるそうです。なので、うまくいかない時こそ「なんのために」を使って、将来の目的を基準にした未来基準の思考をしていきましょう。
何かをやろうとするとき、うまくいく方法を誰かから与えられることを望むタイプはプロセス型です。過去の正しい方法やうまくいくやり方にこだわるため、過去基準にもなりやすいタイプです。一方、何かをやろうとするとき、実現させる方法や選択肢、ルールを自分で編み出したいタイプをオプション型といいます。
裁判官や教育者などプロセス型のほうが良い職種もありますが、起業家は、もちろんオプション型のほうが成功します。「私は○○を実現したいから起業しました」と言えることが大事ですね。
何かをやろうとする時、体験中の感情といった人間的な感覚を重視するタイプを人間重視型といい、達成後の物質的、タスク的なことを重視するタイプを物質タスク重視型と言います。
ソチオリンピックでフィギュアスケートの浅田真央選手は試合前に「自分の演技がしたいです」と発言しました。結果は総合6位でメダルを逃してしまいました。しかし、その後の世界フィギュアスケート選手権の大会前は「やりきったと言えるように終わりたいです」と彼女は記者に答え、見事優勝しました。ソチオリンピックでは試合中の感覚を重視してしまっている人間重視型であったのに対して世界大会では達成後のイメージが鮮明に見えています。過去記事「ブレイントレーニング」でも、すでに達成した状態をイメージすることが大事だと学びましたよね。
目的基準と体験基準は生命力を分けます。最終的な目的、生きる目的を達成することに喜びを感じる目的基準では、アウシュビッツ収容所の生還者のように生き抜く力を得ることができます。
一方、体験の途中に生きる目的を置いてしまうと、その体験が辛く苦しいものであればあるほど生きる意味を失ってしまいます。
新型コロナウイルスに見舞われたダイヤモンド・プリンス号で、重症化していく夫は「もう俺はダメだ」と言い、無症状のまま陰性になる妻は「なんとかなるわよ」と笑い飛ばしているという光景が見られたそうです。笑うことでNK細胞が活性化するというのは有名な話ですよね。過去記事「天風哲学」で中村天風先生も絶対積極だと言っていました。
何かをやろうとする時、世の中の常識や、外部の権威、理性や理論に頼ろうとするのを分離体験型、生きる目的に基づいた自分の信念や価値観に照らし合わせるのを実体験型といいます。実体験型の人は「これは私がやりたいことです」「これは私がやりたくないことです」「私はこれをやります」とはっきり言うのに対し、分離体験型の人は「これは自分のやりたいことなのかなあ……」などと他人事のように言います。学説や専門家の名前を引き合いに出すのも分離体験型の特徴です。
分離体験型の人の発言は、「自分には価値がない」と繰り返し自分に言っているようなものであり、病気になりやすいそうです。注意したいですね。
何かの行動をする時、「やらなきゃ」「やるべきだ」という義務ではなく、「やろう」「やりたい」といった欲求で動くと、脳の報酬系が動き出し、良い結果に近づきます。義務だと感じて頑張れば頑張るほど脳の苦痛系が動き出し、潜在意識は事故や病気などを引き寄せ、行動にブレーキをかけてくるそうです。アクセルとブレーキを同時に踏んだ状態になってしまいます。
自分は劣っている、自分は価値がない、自分は欠けているという感覚がある場合を限定的自我といいます。「お金が稼げない自分はダメだ。(お金があれば私はOK)」「病気の自分はダメだ。(健康なら私はOK)」など、条件が揃わないと自分はOKではないという感覚です。
一方、何かうまくいかないことがあっても自分には価値がある、自分は完璧だなど、そもそも自分はOKなのだという場合は絶対的自我といいます。
芸能人が薬物使用で逮捕されたりするのは、「私はこんなに表舞台で活躍するような人間ではない、だから表の自分を壊さなければ」という限定的自我からくる無意識の働きによるものだそうです。「今日も私は完璧!」と思ってできなかったことよりもできたことを数えて自分を褒めていきたいですね。
条件がそろうことを期待して、条件がそろったら行動に移そうとするのが結果期待型、まず条件をそろえようと行動を起こすのが結果行動型です。
「100万円たまったらお店を開こう」と言う人ではなく、「お店を開くために貯金しています」と言う人の方が脳が本気なのだと理解して、潜在意識が動いてくれるそうです。
本書をもう一度読んでまとめてみて、上記12個のパターンはそもそも多すぎて覚えられないよ!と思いました。何となく内容が被っているところもあるし、言葉(型名)と内容がしっくりこないものもあるなと思ったので、自分が分かりやすいようにまとめてみるのも良いかも知れませんね。
それでも、人生の中で何かうまくいかないなと思った時は、見返すと何か良いヒントが見つかると思います。時々見返して、チェックしたいです。