歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

ラテラルシンキング

今回は、「ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門」(2014年)と「 THIRD WAY (サードウェイ) 第3の道のつくり方」(2019年)を読みました。

 

 

 

どちらも二元的な考えではなく、もっと他の道がある可能性を考えてみませんか?という本です。「ずるい考え方」はその具体的な方法や事例について、 「THIRD WAY」はブランド創業者としての実践について書いてありました。

 

 

ラテラルシンキング

 

ラテラルシンキングとは、 問題を解決するために固定観念や既存の論理にとらわれず、「物事を多角的に考察する」「新しい発想を生み出す」ための思考法のことです。 水平思考とも呼ばれます。

コンサルタントさん達が好きなやつですね。

そして本書によると、このラテラルシンキングには3つの力が必要なのだそうです。

  1. 疑う力〜固定概念を打ち破る〜
  2. 抽象化する力〜物事の本質を見抜く〜
  3. セレンディピティ〜偶然の発見を見逃さない〜

 

 

固定観念を打ち破る

 

固定観念にとらわれると、ありきたりな発想しか浮かばなくなります。自動車事故が多発する「魔のカーブ」でセンターラインを消し、ガードレールを無くしたら事故が減ったと言う話は聞いたことがあります。

できるだけ多くの異世界」の人と対話したり、物事にわざと制約を設けてみたり、もともとあった制約を外したりすることで、ユニークな発想を引き出す思考トレーニングができます。着ぐるみを着るように他人の視点になりきると、意外な発見が見つかるかも知れません。リフレーミング固定観念を打ち破るのに良さそうだなと思いました。

 

 

物事の本質を見抜く

 

抽象化は、対象の特定→抽象化→具体化で行います。ヘンリーフォードは、当時はまだ一部の富裕層の持ち物だった自動車に注目し、馬車(対象の特定)→速く移動するもの(抽象化)→自動車(具体化)のように物事の本質を見抜き、大成功をおさめました。

本質を見抜く時は、「○○するもの」の「○○」に何が入るかを考えてみると良いそうです。例えば、新聞を「物体」としてとらえるか、「情報」としてとらえるかで、対象の本質は変化します。NASAが莫大な費用をかけて、宇宙空間でも使えるボールペンを開発した 一方、ソ連は鉛筆を使っていたというのも聞いたことがあります。要は紙に文字を書くものが必要なのであり、ボールペンである必要はなかったということですね。

 

 

 

偶然は発明の母と言われますが、わたしたちの身のまわりにあるものは、偶然から発明されたものばかりです。パンもワインも電子レンジもそうです。ポストイットや過去記事「ナノカーボン」もそうですよね。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

「偶然」とは、何か特別なことが起きた瞬間ではなく、日常の出来事の中からすくいとるものです。何でも当たり前だと考えるのではなく、当たり前のことにこそ驚くクセをつけましょうということでした。

異質なもの同士を組み合わせる思考練習や、目に入った商品やサービスがどんな影響をもたらすのか先読みイマジネーションのトレーニンをすると、感性も高まりそうです。

 

 

第3の道

 

「THIRD WAY」の著者さんは、マザーハウスという 「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げ、 2006年にバングラデシュからスタートしたバックやアクセサリーのブランドの創業者です。 途上国5カ国で生産・国内外38店舗展開しているそうです。Webを見に行ってきましたけど、シンプルで素敵でしたよ!

本書では、デザインか経営か、個人か組織か大量生産か手仕事かといった二項対立の起きる場面を経験し、どのように第3の道を見つければ良いのか悩み奮闘した内容が書かれています。著者さんは「掛け合わせる」という表現を使っていますが、私は読んでいて「両方を行き来しながら、考え続けるだなと思いました。脳内に対立する二人がいて、話し合う?言い争う?感じです。

要は、簡単に答えは見つからない、でも、探し続ければ必ず見つかるということですね。

 

 

まとめ

 

本書の気づきは、白か黒かの二元的考えに陥った時は、一度考え直してみようということです。過去記事社会学の古典を学べ」にあった、「人間や社会は複雑微妙である」というのを思い出します。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

私には私の見え方が、他の人には他の人の見え方がそれぞれあり、白黒つけられることなんてこの世にないとわかっているだけで、ラテラルシンキングの最初の一歩を踏み出せるのではないかなと思いました。とはいえ、判断が遅いとそれはそれで鱗滝さんに怒られてしまうので(笑)、悩みすぎないようには気をつけたいですね。