歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

神経伝達物質を極める

今回は、脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法(2016年)を読みました。

 

 

脳科学大好きの私好みの本で、脳内の神経伝達物質についてすごく分かりやすくまとめられていました。著者さんの名前はどこかで見たことがあるぞと思ったら、過去記事「感謝の気持ち」で紹介した本と同じ著者さんで、本書はその本よりも以前に書かれた本ということになります。

 

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覚えておきたいなと思ったことをメモ代わりにまとめたいと思います。

 

 

ドーパミンは目標が実現したり、仕事が上手くいったり、褒められたときに分泌される幸福物質です。ドーパミン系が担う「強化学習」の仕組みにより、人間はモチベーションを維持しより高い自分へと成長・進化しようとします。…依存症もこのドーパミンによるのですが。

ドーパミンを分泌させるには、①明確な目標を設定する、②目標を達成した自分をイメージする、③目標を繰り返し確認する、④楽しみながら実行する、⑤目標を達成したら自分にご褒美を与える、⑥すぐに新しい目標を設定する、⑦目標達成のプロセスを繰り返すと良いということでした。

過去記事「ブレイントレーニング」と言っていることが大体同じですね。

 

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運動によってもドーパミンが分泌されることから、適度な運動も有効です。また、ドーパミンを構成するためのアミノ酸である「チロシン」が豊富に含まれる食品、タケノコ、鰹節やビタミンB6を含む食品であるマグロや牛乳、バナナなどを積極的に摂ると良いそうです。

 

 

セロトニンは主に日中に分泌される神経伝達物質で、「睡眠」と「覚醒」をコントロールしています。朝日を浴びるとセロトニンの合成が始まるため、カーテンを開けて寝ると、目覚めが良く、朝から力がみなぎります。セロトニンが活性化された状態では、心は落ち着き「平常心」となります。ドーパミンの幸福感が「やった!」という強烈な達成感であるのに対し、セロトニンの幸福感は「安らぎ」といった穏やかな幸せとなります。

セロトニンを活性化させる方法は、①日光を浴びる、②リズム運動、③咀嚼です。朝から最低5分以上、30分未満の速足ウォーキングを行えば、一石二鳥でおススメです。咀嚼では、20回以上噛めばOKと書かれていますが、歯科衛生士としては『噛ミング30運動』を忘れる訳にはいきませんよ!1口30回以上噛んでほしいです。意味のない言葉の音読をしたり、感動する映画を見て涙を流すのも良いそうです。

セロトニン必須アミノ酸トリプトファンから生成されることから肉、大豆、米、乳製品の摂取も欠かせません。ドーパミンと同じくビタミンB6も摂取しましょう。

尚、セロトニン不足となると不安が現れるようになり、うつ病パニック障害になる恐れがあります。視床下部にも影響する為摂食障害睡眠障害の原因にもなります。「低セロトニン症候群」ではキレやすかったり、表情に覇気がなく体全体の筋肉が弛緩して元気がない状態になるということでした。

 

 

「眠りを誘うホルモン」であるメラトニンは、セロトニンから作られます。つまり、良質な睡眠を得るためには、日中のセロトニンを活性化させる必要があるということです。

メラトニンの睡眠に対する効果には、睡眠時間の短縮(寝つきをよくする)、睡眠効率の延長(床についている時間に対して睡眠時間の割合を延長する)、睡眠時間の延長(長く持続的に眠れる)があります。また、メラトニンには「老化防止効果(強い抗酸化作用)」「抗腫瘍効果」があることが研究で分かっているそうです。これは是非、たくさん出していきたいですね!

メラトニンを出すためには、①部屋を真っ暗にして眠る、②入眠前に薄暗い部屋でリラックスする、③入眠前に強い光を浴びない(テレビやPC、スマホを含む)ことが大事だということでした。

 

 

興奮するとアドレナリンが分泌し、交感神経優位となりますが、アセチルコリンはそれにブレーキをかけ、副交感神経を優位にする神経伝達物質です。睡眠中、特に熟睡しているレム睡眠中に分泌が高まり、脳や身体の休息を促進します。アセチルコリン海馬を刺激してシータ波を出しシナプスがつながりやすくなります。つまり、記憶が定着するということです。シータ波は好奇心をもって新たな事に挑戦したり、新しい刺激が多い環境で生活する時にも出ます。シータ波が出ている時、発想力がアップし、奇抜なアイディアが生まれやすくなるそうです。

過去記事「ナノカーボン」で、ジオデシックドームを見てフラーレンC60がサッカーボール型なのではないかと閃いた時も、アセチルコリンが分泌して、シータ波が出てたに違いないですね。

 

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アセチルコリンの分泌が減るとアルツハイマー病になるということで、アセチルコリンの原料である「レシチン」を食事から摂取することが大事だそうです。卵黄や大豆、玄米やレバー、ナッツに含まれます。

また、アセチルコリンが抑制される抗コリン作用を持つ「ジフェンヒドラミン」や「スポコラミン」といった風邪薬を安易に飲むのは注意が必要です。

 

 

まとめ

 

神経伝達物質はパフォーマンスや幸せに大きな影響があり、良いタイミングで効果的に出すためには、生活習慣だけでなく栄養、特にタンパク質とビタミンの摂取が大事なんだということが分かりました。(たくさん摂ったからと言って、たくさん分泌される訳ではないので注意。)

特にセロトニンメラトニンにもなるので、不眠症傾向の私としては、セロトニンを意識して出していく生活を心がけたいと思いました。