歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

シャーデンフロイデ:他人の不幸は蜜の味

今回は、茂木健一郎先生の「意思決定が9割よくなる 無意識の鍛え方」(2022年)を読み、シャーデンフロイデという言葉が頭に残ったので、ご紹介します。

 

 

 

シャーデンフロイデ

人の不幸を喜ぶ心理状態を、認知科学用語でシャーデンフロイデと言うそうです。タイトルにも書いた通り、他人の不幸は蜜の味ということですね。これには〝幸せホルモン〟と呼ばれるオキシトシンが深く関わっていて、他者への嫉妬や他者の不幸を喜ぶ感情に関係するそうです。

過去記事でオキシトシンは愛着ホルモンであることを学びましたが、家族(愛着)以外は排外的になる側面もあるということです。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

まさに、愛と憎しみは紙一重ですね。

 

 

かつての村社会

昔の閉鎖的なコミュニティでは、恋のライバルが不幸になれば確実に自分が有利になるし、地位の高い人が失脚すれば、自分にもチャンスが生まれます。つまり、他人の不幸で自分が幸福になるケースが現実的に多かったため、脳も必然的に、そのような回路の進化を遂げたと考えられるのだそうです。

また、他人の不幸を喜ぶ心理は、出る杭を叩き共同体の均衡を維持する点で有効だったかもしれないということでした。

上記を理解していれば、自分の嫌な気持ちにウジウジ悩まなくて済みそうです。人間はそういう感情を持つものだと客観的に考えることができると思いました。

 

 

現代のグローバル社会

他者との出会いやそれによって生じる未来に無限の可能性が広がる現代社会において、「他人の不幸=自分の幸福」という単純な方程式は、もはや成立しなくなりつつある

(中略)

「他人の幸福=自分の幸福」になるケースの方が圧倒的に多いのだ。

と書かれているように、シャーデンフロイデは、現代社会では不要な感情になってきています。

シャーデンフロイデが湧き上がってきたら、今自分に有益か?と考え、誰かの成功を喜べる人になっていきたいと思いました。

 

 

まとめ

人間は進化の中で他人の不幸により良いことがあることを学んできましたが、ネットで全世界の人と繋がれる現代では不要な感情であることが分かりました。古い感情に振り回されず、人間もアップデートしていく必要があることを本書から学びました。私は、誰かの成功を妬むのではなく、喜べる人になりたいと思います。