今回は、「「幸せをお金で買う」5つの授業」(2014年)を読んで、自分のお金の使い方について考えたので、ご紹介します。
本書では、さまざまな事例や研究を紹介しながら「物」、例えばプール付きの豪華な家や高級車を買うよりも「経験」を買うことの方が幸せになれると解きます。経験的な買い物に対する満足感は時が経つにつれて増していく傾向があるのに対し、物質的な買い物に対する満足感は減少する傾向があるという研究結果もあるそうです。
確かに、「物」は手に入れた時はテンション上がりますが、しばらくすると慣れてきて幸福度は続かないかもしれません。ハッピーセットのおもちゃなんか、まさにコレですね。それよりも、旅行などの経験の方がいつまでも幸せな気持ちにしてくれるので、費用対効果では経験を買う方がお得だと思いました。
〜幸せにしてくれる経験〜
- 社会的な繋がりが生まれる経験
- 思い出になりそうな経験
- 理想の自分に結びつく経験
- めったにないチャンスを与えてくれる経験
一方、本書では触れられていませんが、明確な比較対象(経験)がある場合は「物」も幸せにしてくれるのではないかと考えました。私は車が好きなのですが、仕方なく軽自動車を運転していた時(半年くらい)は走りの悪さに毎日毎日イライラしていたので、今の愛車(スバル)に乗るたび幸せな気持ちになり、ありがたいなぁと感じています。これは、経験を買ったということになるのでしょうか。
消費を先送りにすると楽しみが増すことが分かっているそうです。先払いも有効で、先に払ってあとで消費する、例えば、旅行の予約をしたり、CDを予約注文することで待っている間の楽しみと、手に入れた時の喜びを味わうことができます。
チョコレートの実験で、おあずけされたグループはよりチョコレートを美味しいと感じたということで、そりゃあそうだろうと思いました。大好きなものはいつも手に入る状態にするのではなく、ご褒美にすることでもっと幸せになれそうですね。
一方、ネットショッピングではクレジットカードなど後払いですぐに商品が届きますが、幸せを味わうためにネットショッピングを止めようとは思いません。便利なのはもちろん、お店に探しに行く時間や手間を考えると(何件も梯子したとしても欲しい物があるとは限らない)十分幸せを買っていると思いますし、届くまでの時間も楽しみだと思います。
そして、他人のためにお金や時間を使うと、より幸福な気持ちになるそうです。本書の事例を読んでいて、「認知的不協和」により脳の認識が書き換えられているなと思いました。お金がない、時間がないという認識を持っていたとしても、他人に寄付するお金がある⇒自分は十分なお金を持っている、他人に奉仕する時間がある⇒自分は時間に余裕があると認知を書き換えることで、矛盾を解消していると考えると納得がいきます。Googleのボーナスを同僚にあげることができる制度「ピアボーナス」も良い制度だなと改めて思いました。
お金の使い方は人それぞれですが、どのように使うと幸せになれるのかは(本人の納得如何に関わらず)知識として知っておくと良いなと思いました。全てのお金を経験に使う訳にはいきませんが、物を経験にしたり、税金を寄付だと考えたり、考え方次第で幸せになれるということも分かりましたので、今度から、お金を使う機会では幸せになれる使い方なのか?と意識していきたいです。