歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

遺伝子の話

今回は、「初歩から学ぶ生物学」(2019年)を読み、遺伝子について知らないことがあったので、整理しておきたいと思います。

 

 

 

遺伝子は生命の設計図?

本書によると、遺伝子が生命のすべてを決定しているわけではないそうです。細胞の中で遺伝子が機能しない限り発現はせず、システムが違えば、同じ塩基配列でも違うものになるそうです。

遺伝子

例えば、「パックス6遺伝子」は様々な生物に見られますが、哺乳類では眼を作り、昆虫でも眼を作っているばかりか、眼のないサナダムシにもあるのだそうです。マウスのパックス6遺伝子をショウジョウバエに入れるとショウジョウバエの眼(複眼)を作ったそうで、その遺伝子情報をどのように使うのかはシステムに依存しているということでした。

 

 

人間とチンパンジーのDNAは98.77%同じ

人間とチンパンジーはDNAがほぼ同じでも恐らく、使い方が違うのだろうということです。1万人規模の親会社が9,877人の社員を引き連れて別の会社を作ったとしても、業種やシステムが違えば違う会社になるとの同じだと言われて、納得しました。

 

 

カバとクジラは近縁

遺伝子解析によると、クジラはカバや牛、豚などの偶蹄類(ぐうているい)の仲間で、その中でもカバに最も近縁であるらしいということでした。

生物は、飢餓などのストレスに晒されると、そのストレスを回避するために突然変異をたくさん起こすのではないかということで、同じ仲間でも全く違う形になってしまう場合もあるようです。また、同じ形質を発現させるのに、違う遺伝子を使うこともできるそうで、単純に見た目だけでは近縁なのか、遠縁なのか見分けるのは難しいということでした。

人とチンパンジーが近いのは分かりますけど、カバとクジラが近縁だったとはびっくりです。ということは、イルカとカバも近いってことですよね…

 

 

まとめ

本書を読んで、遺伝子だけで生命は作れない、生体のシステムに依存しているのだということに驚きました。

生物はすべていい加減で、しかも、したたかである。ルールに従っているふりをして、一貫性があるふりをする(厳格なルールや一貫性がない)というあいまいさのおかげで、環境変化に対応し、生き残ってきたのだということがよく分かりました。

人は沢山のルールを自ら作って、それらを守って生活してきましたが、もう少しいい加減に生きてもいいのかも知れませんね。