最近は養老孟司先生の「壁」一気読みをしていました。(もちろんkindle Unlimitedで読める分だけ。)
その中で特に印象に残ったものを紹介していきたいと思います。
共同体感覚
まず、「死の壁」(2004年)に書かれていた、日本人の共同体感覚になるほどと~思いました。
日本人は死ぬと共同体からから脱退するので、名前は新しくなり(戒名)、死体は土葬しても火葬しても誰も何も文句は言わない、一方、他の国ではそのような考え方はないので、墓石には○○年~○○年・本名と記され、イスラム教では火葬が許されないのだそうです。武士の切腹も、共同体から脱退するためのに行う方法と言えるそうです。
他にもお腹の赤ちゃんは共同体のメンバーどころか人とは見なされていなかったり、共同体感覚には共同体の暗黙のルールがあったりと、共同体感覚という視点から日本で議論される様々な問題について考えると面白いなぁと思いました。
一元論
どの本でも一貫して出てくるのが一元論です。Wikipediaには以下のように説明が書かれています。
一つの実体から現実が成り立っていると主張する形而上学の諸学説を指した用語である。
養老先生は2元論で考えるべきだと主張されていましたが、私は歯周病のように、世の中にはもっと多くの原因が複雑に入り組んで原因となっているのではないかという多元論で考えた方がいいのではないかという立場ですね。
自然体
「超バカの壁」(2006年)以降の本では、現代化により人間が自然体を忘れていっていること、都市化の悪影響について危惧されていたのが印象に残りました。子どもは自然体であり、子どもらしさを認めない現代の風潮は、私も何か違うのではないかなと思います。養老先生の言う「参勤交代」は現実化することは厳しいと思いましたが、子ども達と死に触れる機会や自然の中で過ごす時間を意識して排除しないようにしていきたいです。
=(イコール)が分かるのが人間
算数に出てくる=(イコール)ですが、人間がこの符号(=)の意味が分かるから等価交換ができるし、文字も生み出すことができたのだそうです。「遺言」(2017年)は唯一自分で書いた本で(他は語りおろし)、80歳になり、ぼちぼち死んでも当たり前の年齢になったから言い残したことを書いておこうということのようですが、次書を出されたところを見ると、遺言4.0くらいは出せそうです。
まとめ
養老先生の壁一気読みをしてみて、こんなに沢山本を出されてネタが尽きないのがすごい、反論を恐れずに何でも言いたいことを言っているなと思いました。
私も、自分の頭で考えて、自分の意見をしっかり持って行動したいと思います。