歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

質の良い雑談

今回読んだ本は、「世界の一流は「雑談」で何を話しているのか」(2023年)です。

 

 

 

 

この本を読んで、最も印象的で恥ずかしいと思ったのが、

日本のビジネスマンには、決まりきったパターンの雑談と下ネタの2種類しか雑談のネタを持っていない人が少なくありません。

です。本当にそう!!と笑いながら同意した半面、日本人が常に使う「今日は暑いor寒いですね」の鉄板ネタは私もよく使っていたので、このままではダメだ!今すぐ私も変わらなければ!!と思いました。

 

 

雑談の重要性

本書では雑談の重要性について書かれているのですが、上記にも書いた通り、日本人のイメージする雑談とは全然違います。読み進める上で、そこを履き違えて読んでしまわないように注意しないといけません。「雑談」という言葉から改めた方が良いかも知れません。

日本人は無難な会話の導入として「今日は暑いですね」といった定型文で雑談をしますが、世界の一流ビジネスマンは雑談に明確な目的があります。タイム・イズ・マネー、目的のない会話は時間の無駄なので好まれません。

本書では大きく社内での雑談とビジネスでの雑談について書かれていましたので、要点を整理したいと思います。

 

 

社内での雑談

社内では、普段の何気ない雑談だけでなく、会議前の雑談が有効だそうです。「AI分析でわかった トップ5%リーダーの習慣」(2021年)にも会議冒頭2分の雑談やリーダーが話しかけられやすいようにゆっくり歩いたりして、社内の円滑なコミュニケーションを増やすことが良い成果をもたらすことが示されています。

 

 

 

 

本書では、雑談により「1on1ミーティング」のような決まった時間のミーティングすら必要ないと述べられています。上司は相手の様子をよく観察し、時にはプライベートな相談に乗りながら、社内の情報収集、モチベーションの向上、コーチングなどの明確な目標を達成するために雑談を行います

また、特に女性に対する「ベネヴォレント・セクシズム(慈悲的性差別)」:小さな子どもがいる女性には負担の大きい仕事は任せるべきではないなどを回避するためにも、部下からも雑談を通して自分の考えを周囲にハッキリ伝える必要があるということでした。

結局は心理的安全性」がなければということになると思うのですが、仕事にプライベートな問題を持ち込んではいけない、つまり特に上司には本音を話せないといった空気が日本にはあると思います。お互いに不幸なバイアス(思い込み)を低減させるためにも、社内での雑談が円滑に行えるような雰囲気を大事にしたいですね。

 

 

ビジネスでの雑談

ビジネス場面ではアジェンダを達成するための「下準備」として雑談を活用します。ビジネスにおける雑談の目的には以下の4つがあるそうです。

「つながる」相手との距離を縮めて信用を作る

「調べる」最新の動向や現状に関する情報を収集する

「伝える」自社の意向や進捗状況などを報告する

「共有する」最新の情報を相互に確認する

特に①の信頼関係の構築が大事だと思いました。

「つながる」ためには、自己開示が大切であり、お互いに共通する「体験」や「考え方」を雑談の中から見つけていきます。相手に好奇心をもって集中することで、相手の価値観や信念などを知ることに繋がりるそうです。

著者さんのように聞きにくいようなことまでズバッと聞くことはできないよ~と思う部分もありましたが、雑談の一つ一つは短いものなので、雑談で得た情報はスマホにメモして、次の雑談に活かし、目的に向かって雑談をコントロールしていくというのは、大事なことだなと思いました。まるで、カルテや日誌みたいですね。

 

 

まとめ

本書を読んで、質の良い雑談ができる大人になりたいと強く思いました。まずは自己開示して、雑談の中で相手の価値観や信念、期待や希望を聞き出していく練習をしていきたいと思います。日本人の形式的な会話が一概に悪いとは思いませんが、中身のない雑談ではなく、相手の魅力を引き出せる雑談上手になりたいです。