歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

食品添加物とどう付き合うのか

先日、WHOが人工甘味料アスパルテームを発がん性のある可能性のある物質としてリストアップされたことが話題になりましたが、今回は、「食品の裏側2 実態編―やっぱり大好き食品添加物(2014年)を読んでみました。

 

 

商品添加物はいたるところで使われているのは知っていますし、分かってはいますが、生活の中からぜんぶ排除するなんて無理だしね、と正直知らないふりをしてきました。

 

 

なぜ添加物が入っているのか

  1. 安い(増量、置き換え、フェイク・もどき食品で単価が下がる)
  2. 簡単(調理の面倒さを解決する)
  3. 便利(保存性といますぐ欲しいという要求を同時に満たす)
  4. きれい(見た目を美しくする)
  5. オイシイ(濃厚な味をつくる)

鶏肉や大豆たんぱくだけで牛ひき肉で作ったハンバーグのような味や色にするため、豚肉に水分を注射してハムの量を傘増しするため、もどき商品を作って安くしたりカロリーハーフにするため、などなど、消費者の満足度向上のために入っているとわかりました。

 

 

添加物表示には抜道がある

また驚いたのが、添加物を確かに使っていても、書かなくても良いと言うルールが存在するのだそうです。一括表示、キャリーオーバー、加工助剤などにより、実際の品目が表示されないばかりか、製造者(詰め合わせ、小分け、バラ売りも含む)と販売者が同一の場合は、表示ラベルは不要という法律があるのだそうです。外食、持ち帰り弁当、店内調理のハンバーグ、ホテルのレストラン、デパ地下やスーパーのバラ売りがこれに該当するため、お惣菜の添加物には何が入っているのか消費者には分かりません。もし、表示があれば、その会社の善意だということですね。

 

 

TPPで安易に認可されている

TPPとはWikipediaによると、

環太平洋パートナーシップ協定(略称: TPP)は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポールベトナムアメリカ合衆国の間で2016年2月4日に署名された経済連携協定 (EPA) である。 2017年1月、アメリカ合衆国は、TPPから離脱した。

ですが、このTPPによって今まで許可れていかなかった食品添加物がどんどん許可されていっているのだそうです。それはもちろん、輸出入に影響があるからです。

歯科の分野でも、これまで歯磨き粉のフッ素含有量は1,000ppmまで(1ppm = 0.0001%)とされており、歯科からどんなに上限を上げて欲しいと訴えても上限1,000ppmのままでした。しかしTPPにより秒で1,500ppmまで認可(笑)という話もあるので、まぁそうだろうと思います。

※ちなみに、フッ化物にはむし歯予防効果があります。歯科医院で行うフッ素塗布は9,000ppmのものが使われます。海外ではむし歯になりそうな歯のある患者さんには5,000ppmの歯磨剤を処方できるそうですが、日本では上限が1,500ppmなのでできません。なお、小学生未満のお子さんは1,500ppmの歯磨剤は使わないようにして下さいね。

 

 

ドレッシングもソースは男性が作る

ドレッシングやソースには添加物盛りだくさんなのだそうです。出汁やスープ、ドレッシング、ソースはその日に使う分だけを手作りしたほうが良いということでした。また、それは手間がかかるので、女性が料理をしている間に男性が作ってはどうか?という主張でした。こちらに関しては意見が分かれそうですよね…。

 

 

全ては資本主義の代償

本書を読んで、食においても科学技術を駆使した研究がさかんに行われた結果、食品添加物がどんどん開発されているのだということが分かりました。シャキシャキしていて色のキレイなカット野菜や水漏れしないお惣菜など、いつまでもきれいなもの、おいしそうなものを追求して何としても買わせたいという資本主義的追及が食品添加物として私たちの体にも影響を与えているのかも知れないということです。

一方で、フルタイムで働くワーママとしてましては、お惣菜やお弁当、冷凍食品なしにはもはや生活できません。これも資本主義社会の代償とも言えますが、体に悪いと信じて生活すれば、それが現実になってしまいそうです。適度に成分表をチェックして商品を選び、美味しいな、有難いな、と思いながら頂いていきたいなとも思いました。

 

 

まとめ

安いものには訳がある。そのことがとてもよくわかる本でした。

最後の方には野菜のことについても書かれていました。私も今年初めて家庭菜園をはじめて、先日、とうもろこしを収穫しましたが売り物のように実はきれいにつかなかったし、虫食いもありました。でも、採れたてのお野菜はとってもおいしくて、ハムスターも大喜びでした。やっぱり、きれいすぎるお野菜も化学肥料や農薬がたっぷり使われているのだろうなと思います。

ただ安いものを選ぶのではなく、良いものを見極めていかないといけないですね。