歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

税と規制

今回は、税金を下げろ、規制をなくせ 日本経済復活の処方箋(2020年)を読みました。

 

 

本書は、トランプ元大統領や先日の都知事選でポスターを貼りまくって話題になった「NHKから国民を守る党NHK党)」推しの国際政治アナリスト(分析家、評論家)さんが書かれた本です。タイトルの通り、かなり押しの強い内容なのですが、税と規制の関係について学んだので、学んだことを整理したいと思います。

 

 

膨れ上がる税金の仕組み

 

本書によると、税金は他の税金を上げるために使われているそうです。そして、規制の数々も税金によって作られます

 例えば、財務省に属する財務総合政策研究所というところでは、元財務省の官僚で大学教授に天下った人などが籍を置いていて、ありとあらゆる増税方法を日々考えているそうです。

税金が増えて利権を受け取る団体が増えると、その関係者は増税に賛成します。所得税法人税、消費税をいかに増税するかの研究はもちろん、新税導入のための研究をする調査発注費や圧力団体を通じた増税のための広報費用はすべて、私たちから絞り取った税金から出ています。 一般国民や弱者を助けるために増税を行っているのではなく、政治家が自らの票田にバラ撒くために集金するシステムなのだということでした。

法人税所得税を上げて、消費税を下げれば良いという話ではなく、すべての増税に反対すべきであるというのが著者さんの意見です。財務省は「いくらでも無限大に増税できる」と思っているため「お金が足りないから増税する」と言っているだけで、国民が絶対にNOであることが明らかとなれば、歳入を絞る事によって不必要なものを削減・廃止していく方向に帳尻を合わせるよう動きだします。

 

 

税金=規制

 

役人の仕事とは、原則、増税して規制を増やすことです。そして、官僚は法律を作ると出世できるのだそうです。1970〜80年代には“立法爆発”と呼ばれる現象が起き、法律数が約1,000本から2,000本に倍増、それに伴って許認可権などの規制権限も増加して、一般会計予算も拡大を続け、さまざまな事業が新たに作られていくことになりました。

著者さんは、日本はギプスをつけた星飛雄馬だと表現しています。

 

一方、アメリカのトランプ元大統領は「二対一ルール(新しい規制を一つ作りたかったら、いらない規制を二つ廃止しろというルール)」を就任直後に発令し、アメリカ各省庁の役人に規制廃止をさせました。役人がなぜ規制を守ろうとするのは先輩の功績だからということだそうです。また、要らない規制を知り尽くしているのも役人たちです。この役人の心理を上手く使ったルールは、トランプ元大統領の最高の功績だと述べています。

 

 

無党派層はATM

 

アメリカでは増税したパパブッシュを許さず、落選させたことで 「税金を下げろ連合」が力を持っています。一方、日本では、政治家は約束してもがんばりません。延々と何年経っても「次回、がんばります」と言い続け、お気持ち詐欺を繰り返します。政治関係者(政治家・官僚)は、無党派層のことを〝いくらでも金が引き出せるATM〟だと思っているそうです。広く薄く課税し続ければ、どんなに取り上げても、「税金を下げろ」などと言ってこない、無自覚なままのATMになっているのが無党派層です。

著者さんは、彼らを目覚めさせて「税金を下げろ連合」を形成することが課題だと述べています。有権者ははっきりと主張しなければいけませんね。

 

 

まとめ

 

本書を読んで、税金と規制が「利権をよこせ連合」によりセットで作られていくという仕組みがよく分かりました。過去記事リクルートを作った男」でもあったように、政治とお金の問題は企業活動とも密接に関連しているというのを改めて考えさせられました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

何もしない、何も言わないでは日本は何も変わらない。よく政治家の発言を聞いて、実際の行動をちゃんと確認して、約束を守らない政治家は落とさないといけないなと思いました。