今回は、「何歳からでも結果が出る 本当の勉強法」(2023年)を読みました。
本書は、様々な研究論文を引用しながら、どのように勉強すると良いのかまとめてあります。項目別で分かりやすく、引用文献の雑誌名や公開年までしっかりと載っていて、私好みでした。
さて、歯科衛生士だけでなく、様々な医療職の国家試験が年明けにあります。また、あと数年で息子たちも受験生になります。最適なサポートができる人間になるため、参考にしたいなと思ったところをまとめたいと思います。
本書によると、一夜漬けはNGで、隙間時間を使って、コツコツ、毎日決めた開始時間から勉強を始めると効果が高いのだそうです。
「短時間で頻繁な学習セッションは、長時間で頻度の少ないセッションよりずっと効果が高い」ということは、移動時間に問題を解いたり、トイレに問題を貼ったり、いくらでも工夫ができそうですね。25分+休憩5分のポモドーロ・テクニックも使っていきたいですね。
今から口酸っぱく、短い時間でコツコツ勉強するよう伝えていきたいと思います。
また、ノートにまとめる時は、下手でもいいのでイラストを使うこと、蛍光ペンは2回読み直すまで我慢する、「AときたらB(A→B)」というシンプルなかたちで、覚えたいことだけをまとめることが良いようです。
認知症の患者に行った記憶実験が印象的でした。
スタッフが読み上げた60個の単語について、
【Aグループ】単語を文字でメモ書きをする
【Bグループ】単語のイメージをイラスト化してもらう
に分かれ記憶してもらいます。その後、単語を出題して、それが前に読み上げた中にあったか否かの記憶判別テストをしたそうです。結果としてテストの正解率が高かったのは、イラスト化したBグループだったということです。
落書き程度のイラストでも、ノートには図やイラストを描くべきですね。
レミニセンス現象とは、「再学習しなくても、なぜか思い出せる」現象のことです。ディビッド・ペイネは「人は想像力を刺激されるものに接すると、強制しなくても無意識に記憶したり(保存)、思い出したりする(検索)学習機能がある」と言っているそうです。
これを勉強に使わない手はないです!
被験者に60枚のスケッチ画を覚えてもらった実験では、時間が経つにつれ正答率が上昇し、4日目には1.4倍に正解数が伸びたのだそうです。一方、単語で同様の実験を行った場合は伸びなかったそうです。
以上により、著者さんは何かを学ぶときは、文字だけのテキストに入る前に、図解の入門書や学習漫画を読んでみる、つまり、知識を文字で学ぶ前にできる限りその知識に対応したビジュアル素材を見ておくことで、レミニセンス現象を起こせるかもしれないと言います。
私も、生理学を勉強する時はまず「はたらく細胞」を漫画でもアニメでも良いので見るよう勧めていましたが、やっぱり良い勉強法だったなと思いました。
一方、見ただけで満足してしまう学生さんもいて、見た後は必ず教科書を読んで、問題を解くことをセットでしてもらわないと、問題を解けるようにはならないよ~と伝えています。
- 1日トータル何時間勉強しなきゃいけないのかを考えて決める
- ○○の時、○○の後など、隙間時間に勉強をすると決める
- アニメやYouTube動画など、まずはイメージで概要を捉える
- その分野の問題を解いてみる(全然わからなくてOK)
- 教科書を2回読んで、大事なところにマーカーを引く
- なるべく図やイラストを使ってまとめる
- 関連する問題を解く
- 間違った問題をなぜ間違ったのかを考え、復習する
人によって、視覚優位の人もいれば、聴覚優位の人もいるので、自分に合った勉強方法を見つけることが一番大事なのかなと思います。しかし、そもそも勉強しなければ解けるようにはならない訳で、問題が解けなければ合格もできない訳で、まずは勉強をしようとしていることが大前提なんですよね…。息子よ、、、勉強してくれ!