歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

日本の財政破綻は起きるのか?

2024年の上半期(4~9月)に新紙幣が発行される予定で、各分野で着々と準備が進められていると思いますが、一方で、終戦直後に行われた預金封鎖財産課税を懸念する声もありますよね。マイナンバーカードで保険証や銀行口座を紐づけするのも、実はそのための布石ではないかとも囁かれています。

 

自分の頭で考えてみる

MMT理論(Modern Monetary Theory)では、日本の国債は日銀がいくらでもお金を刷ることができて返せるので債務不履行にはならないと言われているそうすが、本当にそうなのか関連する書籍を読んでみることにしました。
経済は全くの無知ですが、ウォーレン・バフェットに習って、自分で考えて自分で決めたいと思います。

 

国債の真実

髙橋洋一の「99%の日本人がわかっていない国債の真実」(2017年)を読んで、私が理解できた内容は以下の3つです。

 

 

  1. 国債は国の借金であるが、日銀は政府の子会社なので、財務状況は統合政府バランスシートで見る必要がある
  2. 日銀が国債を買うと、世の中にお金が回り、デフレ脱却、円安になる
  3. 財務省増税をしたい為に財政難を煽るが、官僚が天下り先を確保したいだけ

 

もちろん、この本は2017年に書かれている内容なので、今現在で考えるにはもう少し今のニュースや世界情勢などに照らして検討する必要があります。

 

1.統合政府バランスシートで見る

本書では、国債は悪いものではない、政府の負債は日銀の資産になるので、もっと国債を発行して経済を回すべきだと主張されています。日銀が保有する国債金利は、国庫納付されるので政府に戻ってくるし、各銀行のお金は日本銀行当座預金に入れられ、その金利日本銀行券を発行すれば良いだけです。今はマイナス金利なので、日銀は各銀行から利子を貰っている状況です。

 

2.日銀が国債を買うと、インフレ、円安になる

アベノミクスの3本の矢の一つになります。日銀が国債を買うのは、デフレ脱却の他にも国債の利回り調整があるようです。国債を買う人が少ないと金利が上がり、政府の負担が増えるので、日銀が買って調整しているとニュースに書かれていました。国債金利CDSクレジット・デフォルト・スワップ)は国家破綻の指標になるそうなので、チェックすると良いですね。

2023年1月に日銀はこれまでにないほどの国債を買ったことが報道されましたが、今はインフレに悩まされている状況なので、利回り調整が目的だと思います。でも、同時にインフレを助長する方法でもあるので、少し心配になります。

 

3.財務省天下り先確保のために増税をしたい

これは本書では何回も書かれて強調されていましたが、私としては納得できませんでした。もちろん、自分たちの利権のために動く官僚はいるとは思いますが、言い切り過ぎていて、本当にそれだけの理由なのか疑問に思いました。

 

ハイパーインフレ

マイナス金利政策が終われば、各銀行が預けている当座預金の利子を日銀が払うことになりますが、いくらお金が刷れるとはいえ、利子+国債買いオペは厳しくないですか?

財政破綻に備える 今なすべきこと」(2015年)には、日銀の国債買い入れの副作用について詳しく書かれています。

 

 

日本銀行のHPにも、中央銀行中央銀行がいったん国債の引受けによって政府への資金供与を始めると、…悪性のインフレーションを引き起こすおそれがある…国内外からの信頼も失われてしまいます。」と書かれています。国債が売れる間は問題ないですが、市場に国債が余り始めたり、大きな災害が起きて政府が国債を大量に発行すると、金利上昇に歯止めが効かず、日銀も手を出せずに政府がデフォルトを宣言するなんてこともあるのかなと思いました。政府が借金を返せないとなれば、国債は紙切れ同然になり、円の価値が下がるので、ハイパーインフレになりますよね。

 

預金封鎖、財産課税

終戦後、ハイパーインフレに対応するため、日本で預金封鎖、財産課税が行われたのは事実です。日本が債務不履行になることは無いと信じて、何も考えないのはちょっと違うかなと思いました。ちなみに、預金封鎖は2年以上も続いて、財産課税では最低でも25%徴収されたそうです。わずかな貯金からも25%も取っていったんですよ!

 

まとめ

政府が預金封鎖するために新札に変えたりマイナンバーカードを実質強制にしたりしているというというのはさすがに信じ難いですが、そうなる可能性があるというのは頭に置いてリスク対策をしておきたいと思いました。大暴落は予期せずあっという間に起きるので、災害対策と同じように、事前にできる準備はしておきたいです。