今回は、「人口は未来を語る 「10の数字」で知る経済、少子化、環境問題」(2024年)を読みました。
私は少子化にはずっと興味があって、本書では世界的な出生率や死亡率から人口がどうなるのかを説明しており、とても勉強になったので、まとめたいと思います。
サハラ以南のアフリカのほとんどの国は、人口転換の初期段階にあるため、今世紀末ごろまで急激な人口増加が続くと考えられるのだそうです。2100年には3人に1人以上がアフリカ人になるという予想なのだそうで、すさまじいですね。

そこで問題になるのが食糧問題ですが、人類は様々な技術開発によりこの問題を克服してきました。空気中の窒素から肥料となるアンモニアを取り出したり、携帯電話は農業従事者に教育手段を提供し、市場情報を提供し、マイクロインシュアランス〔発展途上国の低所得者層向けの小規模保険〕への加入を可能にすることで、農業の生産性向上に役立っているそうです。
2016年時点で、アフリカにはどうやら歯ブラシよりも多くの携帯電話が行きわたっていたというのには、驚きです。
農村の過疎化はループしながら強化されます。村の人口があるレベルを下回ると、学校が閉鎖されます。すると、子どものいる家庭は入って来ず、今いる家庭も出ていきます。すると、路線バス、食料品店といったインフラが減っていきます。日本の過疎地でも見られるように、公共サービスも縮小したり、手を引き始めます。
とりわけ深刻なのはロシアだそうで、すでに2万の村が完全に放棄され、それ以外の3万6千の村々も人口10 人を切っているそうです。また、お隣の中国でも多くの村が消滅しつつある状況であり、中国の人口は2022年から減少に転じているということでした。
人々が家族の形成よりも個人の自己達成を優先させるようになると、合計特殊出生率が恒久的に下がります。そして人々が結婚や出産に消極的になると、伝統的な生活様式が崩壊し、別の選択肢が普及します。人口減少とともに高齢化が進み、労働力不足は移民で補われ、社会は大規模な民族的変化を経験します。これは、第二の人口転換と呼ばれるそうですが、移民に関しては問題も多くありますよね。
出生率の高い国から移民を受け入れると、出生率は一時的に上がりますが、移民の出生率はかなり急速に受け入れ国の出生率に近づいていってしまうそうです。しかし、西欧諸国やアメリカ、カナダ、日本などは、移民を呼び込まなければ人口減少が止められない状況です。移民を呼び込むことで民族構成が激変してしまうというリスクとどう折り合いをつけていいくのか、悩ましい問題です。

そして、面白かったのが中高年層が増えて、年齢中央値が上がるほど社会が安定する傾向がみられるという話です。生物学的にも、衝動的で性急な判断をする可能性が高くなりますし、その他にも様々な理由がのべられていました。とにかく、人口が若いと戦争に突入しやすく、革命を起こす可能性が高いということで、確かに、今の日本の大学で大学紛争が起きることはないだろうな~と、納得してしまいました。
日本の少子化については過去記事「将来の日本」でも学んでいましたが、世界的に見ると3人に1人はアフリカ人、つまり黒人になるというのには驚きました。2100年には純粋な日本人は絶滅危惧種に近くなっているのかもしれませんね。
そして、世界中でゆくゆくは少子高齢化が進んでいくということは、争いが減り、平和になっていく可能性もあるということで、まあ、そんなに悪いことでもないのかもしれないと思いました。とはいえ、建国から2700年も続く日本の文化は、ちゃんと守っていきたいなと思う今日この頃です。
