歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

脳科学からみた赤ちゃんの発達

今回は、パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学(2020年)を読みました。

 

 

私たちが当たり前に出来ることでも、子どもの発達や脳の発達から見ると、ものすごい出来事なんだなと知ることができる本でした。子供達が赤ちゃんの頃に読みたかったし、女の子の話なので、この著者さんには男の子を育てて本を書いて欲しかったな〜と思いつつ、勉強になったことをまとめたいと思います。

 

 

赤ちゃんの脳が受け取るピピピ信号

 

脳は頭蓋骨の中にあります。全身の神経から怒涛のように送られてくる電気信号を、赤ちゃんの脳は、必死に学習しているそうです。新生児の目はまだ見えてないと言われますが、厳密に言えば、網膜で受け取った光が、ピピピ信号となって確かに脳に届いているということでした。

これを読んで、以前読んだ「ボーダー 移民と難民」(2022年)の話を思い出しました。

入国管理局に何年も閉じ込められると、入管は色がないため、外のいろいろな色を見ただけで具合が悪くなるのだそうです。スリッパしか履かないために、うまく歩くこともできないそうで、外の世界に慣れるまで最低カ3,4か月はかかるということでした。

生まれたばかりの赤ちゃんにとって、外界に出ることで、ピピピ刺激が洪水のように流れ込んできている状態だというのがよくわかりますね。

 

 

脳の刈り込み

 

そして、赤ちゃんは、生きる上で必要な回路を作っていきます。ヒトの神経細胞はもともと持っていた数を100%とすると、3歳までの間に70%が減り、約30%が残るのだそうです。これを、刈り込みと言い、『三つ子の魂百まで』と言われるのもこれですね。

どの神経細胞を残すかが決まるのが3歳までであり、幼児教育の根拠と言われるのですが、著者さんは幼児教育には懐疑的でした。子どもが興味を持つように温かく導きつつ、興味を持ったタイミングを見逃さないように、普段から目を光らせておくと良いということでした。過去記事「モンテッソーリ教育」の考え方と同じですね。

ddh-book.hatenablog.com

 

 

適当な脳

 

また、興味深かったのは、脳の適当さです。

モズのはやにえ

トリの記憶力はびっくりするほど正確で、写真に撮ったかのように風景を正確に覚えているそうです。そのため、景色が変化すると別物だと認識してしまい、「百舌の速贄:モズが捕らえた獲物を枝などに刺して保存しておく」なんて現象が起きます。一方、ヒトは、少し歪んだ正三角形を眺めてもらい、1ヶ月後に「あのとき見た図形」を思い出して描いてもらうと、歪みのないきれいな正三角形を描きます。

また、チンパンジーでは、「AならばB」と教えると、Aを見てBを選ぶようになりますが、その逆は学習しません。しかし、ヒトは「AならばB」ができれば、教えなくても「BならばA」もできるそうです。

これらは、脳の適当さが成せる能力になります。

 

 

メンタルローテーション

 

「メンタルローテーション」とは、頭の中で自由に物体を回転させて眺める能力のことです。これは、認知の基礎とも言える能力であり、メンタルローテーションができないと、ある人を別の角度から眺めたときに同一人物であると認識できなくなります。「他人の視点」に立って考えることも、メンタルローテーションの能力の1つであり、大体1歳半頃に獲得するそうです。

そう言えば、1歳半健診では積み木のテストがありますよね。積み木や立体パズルは、には、「想像」「計画」「実行」「内省」という順次ステップを踏む遊びであり、メンタルローテーションの学習に有効なのだそうですよ。

 

 

トラウマボンディング

 

虐待についても驚きました。虐待をしている親は「自分が虐待している」という事実に気づきにくいだけでなく、虐待された子はかえって養育者に好意を示すことがあるのだそうです。虐待された幼児は、ときに大人になっても虐待者の特徴(例えば体臭など)を好きであり続けるそうで、これは、トラウマボンディングと呼ばれ、進化の過程で培われた動物の本能なのだそうです。育児放棄の気配を察知したときには、生き延びるために、幼児のほうから積極的に養育者に愛着を示すという自動プログラムが発動するということですね。

ちなみに、「虐待を受けた子は、将来、虐待する親になる」という、虐待の世代間連鎖については、現在では、統計学的に否定されているそうです。

 

 

まとめ

 

本書の著者さんは、10年以上子宝に恵まれなかったということで、かなりのイクメンぶりです。とりわけ、声かけなど、脳に良いと思われることを何でもしていて、その成果か、4歳のマシュマロテストではバッチリ、大好きなみかんゼリーを食べずに待てました。素晴らしい!

でも、最初にも書いたんですけど、著者さんのお子さんは女の子なんですよね。様々なエピソードで、男の子の生態と違うな〜と感じます…うちの息子たちって、そもそも落ち着きがなくて、話が聞けないし(聞く気がない?)、(いまだに)会話にならないんですよね(T_T) やっと会話が通じた!と思ったのが小4ですからね。

私の子育てに問題があったというのも否めませんが、本書の男の子バージョンがあれば、男の子の生態と対策を学ぶためにも、ぜひ読みたいです。