歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

仮説は良い「観察」を生み、良い観察から「問い」が生まれる

春休み、本は読んでもブログを書く暇がない…息子たちに振り回されております(T_T)

さて、今回は、観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか(2021年)を読みました。

 

 

著者さんは、マンガ編集者として会社を立ち上げており、一流のクリエイターがどのように世界を観察しているのかについて漫画家さん向けのスクールを運営しているということでした。そうやって物事を考えていくんだということを学んだので、まとめたいと思います。

 

 

仮説を立てる

 

良い観察は問いが生まれ、その問いから観察が生まれるということで、著者さんは「仮説」を起点にすることで、「仮説」を検証したいという「観察」が生まれ、必然的に「問い」が生まれると述べます。

これは、目から鱗が落ちました。確かに、(事実かは分かりませんが)ニュートンはリンゴの木を観察して重力の存在を発見しましたが、それまでにも、誰でも物が落ちるという現象は観察していたわけです。ただ見ているだけでは何も新しい発見や仮説は生まれませんよね。

 

 

絵画の見方

 

本書で腹落ちしたのが、では、どうすれば「仮説」が生まれるのかという部分で、絵画の見かたを例に説明されています。「仮説」は言葉から生まれるそうです。なので、まずは、愚直なディスクリプションを行う、つまり見たものを言葉にすると良いそうです。目に入って、印象に残ったものを順番に言葉にしていきます。以下にフェルメールの「牛乳を注ぐ女」の例を引用します。

絵の真ん中にメイドの女性が立っていて、台座のようなテーブルに置かれたずんぐりとした陶器に、両腕を使って牛乳を丁寧に少しずつ注ぎ入れています。テーブルにはエメラルドグリーンのテーブルクロスがかけられていて、様々なパンが載っています。ちぎれたような小さなサイズのものもあれば、バスケットの中に大きなサイズのパンもあります。また、銀製のポットのようなものも置かれています。

ディスクリプションでは、主観的な感想を排して、できるだけに客観的に、事実だけを説明することが大事だそうです。また、他者のディスクリプションや仮説を見て、他人の視点から見るというのも良いということで、その際にはその解釈に反論や賛成をする論拠を探しに行く姿勢で見ると良いということでした。

 

 

認知バイアス

 

この「観察」を阻む3つの要素として「認知バイアス」「身体・感情」「コンテクスト」の3つがあり、著者さんは「メガネ」と呼びます。このメガネの存在を意識できるかどうかで、観察の結果が変わってしまうそうです。そして、この中で特に観察を歪ませるメガネが「認知バイアス」になります。

確証バイアス

自身の仮説を補強する情報ばかりが目に入り、それ以外の情報を排除しやすくなるバイアス

ネガティビティバイアス

人はポジティブな情報より、ネガティブな情報に注意を向けやすく、記憶にも残りやすい

同調バイアス

自分の持論に反したとしても、「みんながそう言っているから」と大生の意見を支持する

ハロー効果

偉い人や有名な人を前にすると、自分の意見よりも相手の意見が正しいんじゃないかと思いこんでしまう

生存者バイアス

成功した人や組織の経験・事例ばかりに着目して、失敗した人の経験・事例が見えなくなること

根本的な帰属の誤り

本当は人格の問題ではなく、別に問題があるはずなのに、問題の原因ををの人の性質に求めてしまう

後知恵バイアス

物事が起きてから、それが予測可能だったと考える傾向

正常性バイアス

異常事態になった時に、パニックになるのを防ぐために予期せぬ出来事には鈍感に反応する

 

認知バイアスっていうのは、本当にやっかいですよね。私もこれらの認知バイアスによって歪まされたなと思い当たる経験がたくさんあります。自分を疑い続けるのも苦しいですが、このような認知バイアスによってメガネをかけた状態かもしれないと常に考えておくことは大事なのではないかと思います。

 

 

まとめ

 

歯科衛生士の教員をしていた時、実習先などから実習生からの「質問がない」とよく言われましたし、授業をしていても、何も疑問がわかないのかな?と感じていました。本書を読んで、学生さんたちは習ったことを全部受け入れるだけ、ただ見ているだけで、「仮説」が生まれていなかったんだということが良く理解できました。実習指導者さんからは、「何も質問がないのは、あなたは全部わかっているってこと?」なんて言われてしまったりもして…(T_T)、関心があればもっと質問が出るはずなんて考えていましたが、言語化のトレーニングをすればよかったのか、と今なら思います。

本書を参考に、私も日常生活の中でディスクリプションして、もっと観察力を鍛えていきたいと思います。ひとり美術館にも行ってみたいですね。

 

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