今回は、「エンジェルフライト」(2014年)を読みました。
いや、この本はやばいです!(語彙力w)ずっと涙が止まらなくて、家事の間や運転中に読める本ではありませんよ。もしも自分が、家族が海外で死んだら、どうなるのかを考えさせられる本だったので、勉強になったことをまとめたいと思います。
国際霊柩送還士というのは、海外で亡くなった日本人のご遺体や、日本で亡くなった外国人のご遺体を、国境を越えて遺族のもとへ搬送・送還する専門職です。空港の貨物として扱われるご遺体を尊重し、ご遺族が最期のお別れができるよう、防腐処理や手続き、航空輸送を手配するプロフェッショナルとされており、本書で詳しく書かれています。Amazonでドラマ化、映画化されているようですね。
海外から送られてくるご遺体というのは、その国により状態が異なるようです。エンバーミングの先進国はアメリカであり、アメリカから送られてくるご遺体はとても綺麗な状態ですが、インド、ネパール、スリランカなどは、宗教的な考え方もあるのか、ドライアイスを入れるだけなど、処置そのものがおざなりなことが多いのだそうです。皮膚が腐って水疱になっていたり、緑色に変色していることもあります。また、機内の気圧により、ガスが膨張し、体液が漏れるのだそうです。
そんなご遺体を家族に会わせる前に綺麗に整えているのが国際霊柩送還士です。火葬の前のひと時、家族がお別れをするためだけに、化粧をして生前の状態にもどします。出続ける体液をひたすら脱脂綿でぬぐったり、腐敗した皮膚や怪我で陥没した顔をパスポートの写真を見ながら修復したりと、それはそれは大変な作業だと思いました。しかも、時差があるので、24時間、夜中でも連絡が入ります。
国際結婚をして、日本で赤ちゃんを産んだものの、幼くして亡くなってしまった娘さんをフランスの祖父母に会わせるという話では、今でも思い出して涙が出るくらい号泣しましたし、きちんとお別れをすることの大切さを感じました。
本書で取材している 株式会社エアハース・インターナショナルはこの分野の先駆けであり、ニュースになるような事件・事故の遺体搬送では必ずと言っていいほど関わっているそうです。しかし、その存在は表に出ないばかりか、事件後、時がたつと関係者ですら記憶に残らないようでした。
「私の顔を見ると悲しかった時のことを思い出しちゃうじゃん。だから忘れてもらったほうがいいんだよ」
忘れられた方がいいお仕事…なんだか切なくなりますね。
本書を読んで、海外旅行や仕事でどの国に行くのかというのは少し考えさせられましたね。海外で火葬してから戻る場合も、火加減を伝えておかないと何も残らないそうですよ。また、国内で死亡した外国人の方を送り出す時には、相手方の宗教儀礼を知っておく必要があるし、書類も様式や言葉までもそれぞれ違います。海外とのネットワークやコミュニケーションも必須で、国際霊柩送還士というのは、本当に専門性の高いお仕事なのだということを学びました。
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