今回は、「肥満の科学 ヒトはなぜ太るのか」(2024年)を読みました。
本書では、ネズミさんが多いのものの、肥満に関する様々な研究について分かりやすくまとめてあり、目から鱗の内容でした。結局のところ、終着点としては、砂糖は良くなくて、野菜など色々な食材をまんべんなく食べたほうがいいし、運動しようねという、いつものパターンなのですが、肥満の機序についての解像度が上がったので、まとめたいと思います。

熊が冬眠に入る前、柿を大量に食べますが、果糖には肥満スイッチ(本書では、サバイバル・スイッチと説明)をONにする働きがあるようです。ラットの研究では、効果的に肥満が誘発できるのは、果糖を餌に加えたときより、飲み水に混ぜて与えたときだったそうで、一度に大量に砂糖(砂糖はブドウ糖と果糖が結合したもの)を摂ると、スイッチがONの状態になります。
肥満スイッチが入ると、体を省エネモードにしつつ、脳には栄養を届けるために、インスリン抵抗性の状態、つまり前糖尿病状態になります。これは、危機に備えて脂肪を溜め込もうというモードであり、食欲が増していくら食べても満腹感を感じにくい状態になってしまいます。さらに、果糖が代謝されるときには、痛風の原因となる尿酸を作るそうです。
では、果糖の摂取を制限すれば痩せられるのかと言うと、確かに効果は見られるのですが、全く効果のない人々が現れます。その人達はなんと、体内でも果糖を作っていたそうなのです。
果糖は体にストレスがかかった以下のようなときに、ポリオール経路によって産生されます。
- ブドウ糖のレベルが高いとき(たとえばコントロール不良の糖尿病)
- 体が脱水状態にあるとき
- 血圧が低いとき
- 血液供給が損なわれたとき(心臓発作時など)
- 酸素濃度が低いとき(高地など)
- 尿酸値が高いとき
- 果糖を摂取したとき
ブドウ糖でも太るし、アミラーゼによりブドウ糖に分解される炭水化物、特に高GI炭水化物でも、果糖に分解されてスイッチが入ってしまうということのようです。

さらに、脱水状態はポリオール経路を活性化します。塩辛いものを食べると、血中の塩分濃度が高まり、脱水状態を作り出すことができます。
マウスの実験では、高塩分の食事を数ヶ月続けると、餌に果糖がほとんど含まれていなかったにもかかわらず、肝臓と脳で高レベルの果糖が検出されたそうです。
悲しいことに、グルタミン酸、アデニル酸、イノシン酸といった旨味成分も肥満スイッチをONにします。しかも、グラム単位で見ると、糖や塩より強力な肥満原因になると言うのです。
グルタミン酸を与えられたマウスは食欲のコントロールを失い、急速に体重を増加させ、腹部脂肪の増加、インスリン抵抗性を生じたばかりでなく、アデニル酸、イノシン酸のみでも同様の結果だったそうです。
もう、涙しか出てこない状況ですが、若い頃はラーメンを食べたり、ビールを飲んでも太らなかったですよね。健康なミトコンドリアを持つ運動能力の高い人は果糖の影響に比較的強いことも分かっているそうです。
果糖を摂取すると尿酸が産生され、尿酸はエネルギー工場であるミトコンドリアに酸化ストレスを与え、酸化ストレスはATPの産生を低下させ、カロリーを脂肪に振り向けます。つまり、酸化ストレスをブロックするビタミンCを摂取し、ミトコンドリアを増やして活性化させれば、肥満スイッチはOFFになるということです。
では、どうすれば健康なミトコンドリアを増やせるのかというと、少なくとも1時間継続し、最低でも週に3、4回運動を行なう必要があるそうです。1回30分未満の運動ではほとんど効果が得られません。運動の強度は強すぎても弱すぎてもダメで、安静時と変わらない会話や呼吸ができない程度だけど乳酸はたまらない程度、「ゾーン2」と呼ばれる強度になります。
週に3,4回、1時間以上はなかなかの運動量ですよね。過去記事「自由で快適な未来よりも気になった”違和感”」の勝間さんを見習わないとです。
本書には肥満スイッチをOFFにする食事についても詳しく書かれていますので、気になる方は読んでみてくださいね。太る原因だとうすうす分かっていたことですがw、ジュース(果糖)、ラーメン(塩分とうま味と炭水化物)、ビール(アルコール(脱水)とうま味)が肥満スイッチをONにするという仕組みが本当によく理解できました。
でも、甘いものはやっぱり好きだし、一度きりの人生楽しみたいので、今はまだ週に2〜3回30分未満しかできていない運動を、週に3,4回、1時間以上にしていこうと思いました。
ぺにょは、ココナラで歯科イラストを描いています!⇓⇓チェックしてね☆

