今回は、「82歳の認知症研究の第一人者が毎日していること」(2025年)を読みました。
著者さんは、あの有名な認知症治療薬アリセプトを作った研究者さんで、認知症についてメチャクチャ詳しい方になります。私も高齢者向けの講和をするので、勉強になったことをまとめておきたいと思います。
1日の歩行時間が1時間以上の人たちは、30分未満しか歩かない人たちに比べて認知症になる割合が28%程度低くなるのだそうです。(2018年、東北大学の研究)1日の歩行時間が長いほど、認知症発症のリスクが下がる傾向があるということですが、1日1時間歩くって…なかなかですね。

また、どういう速さで歩いても、血流が増えることに変わりはない一方、早く歩くと著しく血圧が上昇するということで、(高齢者は)ゆっくり歩きましょうということでした。
睡眠についても、入眠困難や途中覚醒、早朝覚醒などがあり睡眠が不安定な人は、睡眠が安定している人に比べてアルツハイマー認知症の原因物質となるアミロイドβの蓄積が5.6倍も高くなるという報告があるそうです。(2013年、ワシントン大学の研究)
私も講和の中で、セロトニンの話を入れたりするのですが(セロトニンは夜メラトニンに代わり、睡眠を助ける/朝日を浴びる・リズム運動によりセロトニンが増える/よく噛むこともセロトニンを増やす)、やっぱり睡眠は大事だな~と再認識しました。
栄養については、ポリフェノールが良いということです。カレーに含まれるクルクミンには、アミロイドβの凝集を抑えたり、すでに凝集したものを分解する作用があるそうですし、お茶に含まれるカテキン、赤ワインに含まれるアントシアニンなんかもポリフェノールです。特に、赤ワインにはレスベラトロールというポリフェノールが含まれ、カロリー制限で活性化されるといわれている長寿遺伝子を、カロリー制限なしに活性化するそうです。
赤ワインを飲もう!と思いました。
また、歯周病もアルツハイマー型認知症との関連が指摘されています。アルツハイマー病を発症するマウスに歯周病菌を感染させると、脳の記憶をつかさどる海馬のアミロイドβの量が、歯周病ではないアルツハイマー病のマウスの脳と比較して、約1.4倍に増えていたのだそうです。(名古屋市立大学の研究)
歯周病菌の内毒素(LPS/リポ多糖)は、炎症を引き起こし、全身のあちこちに影響があるというのが分かってきています。

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一方、同じLPS(リポ多糖)でも、玄米や全粒粉、根菜や海藻類から摂取するリポ多糖は、歯周病と同じく細菌由来であるにも関わらず、「免疫ビタミン」と呼ばれ、免疫細胞を活性化し、免疫力を高め、感染症や生活習慣病を予防したり、アンチエイジング効果が期待できるのだそうです。
これは意味が分からない!と思って調べてみたところ、直接血管に入った場合と、消化管を通して摂取した場合では、身体の反応が全く違うということのようでした。直接血管に入ってくる歯周病菌のリポ多糖は、全身に強い反応が出るため恐ろしいということですね。
著者さんは、認知症の根本治療薬を開発するため、今でも研究を続けており、GT863という化合物を開発し、そのタンパク質凝集抑制効果は、ALSの治療薬にも応用できるかもしれないということでした。いや、すごいですね。さらに、俳句や剣道といった趣味を今も続けており、自分が認知症になることはないそうです。
そりゃそうでしょうね。本書を読んで、認知症というのは、本当に生活習慣病なんだなということが分かりました。
