歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

特殊詐欺

今回は、「ルフィ」の子供たち(2024年)を読みました。

 

 

大きなニュースとなった、ルフィという特殊詐欺グループの事件について、実行犯や掛け子、指示役の生い立ちやどのような経緯で犯罪に手を染めるようになったのかを取材しまとめた本です。私はテレビを見ないので、どのような犯罪だったのかすら知らなかったのですが、ほんの小さな足の踏み外しで闇バイトに加担するようになったというのが興味深かったので、まとめたいと思います。

 

 

フィリピンの牢獄から犯罪を指示

ルフィ広域強盗事件は、2022年(令和4年)5月から2023年(令和5年)1月にかけて日本各地で発生した同一グループによる連続強盗事件。「ルフィ事件」「ルフィ強盗事件」などとも呼ばれる(Wikipediaより)

ということで、 フィリピンに収監されていた4人が、闇バイトを通じて集めた人々に複数回強盗させ1人を殺害、複数人を負傷させたという事件です。

 

 

幹部の女性

 

フィリピンの獄中に大金を運んでいたのが、幹部と呼ばれていた柴田という女性です。都内の繁華街でキャバクラ嬢として働いていましたが、泣かず飛ばずでいつのまにか20代後半。キャバクラの元同僚から 「フィリピンにいる知り合いの実業家が、現地で働ける人を探しているみたい」と声をかけられ、渡航。リーダー格の渡邉と男女の仲になり、もっと渡邉に貢献しようとリクルーターとして受け子や出し子を募集していたそうです。

彼女は不仲な家で、ネグレクトに近い状態で育ったそうで、他者から認められ、褒められるという状況が彼女にとって、とても甘美だったのだろうと想像できます。過去記事ネットワークビジネスの高揚感を思い出します。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

 

ミスコンの落とし穴

 

地元の名士と呼ばれる家で育った熊井の話も印象的でした。フィリピンでのリゾートバイトという言葉に騙されて渡航しているのですが、彼女、高校まではいたって普通の女の子なんです。幼少期から英語教室に通い、海外にホームステイに行くなど、大人しく真面目な子だったそうです。二浪して多摩美術大学に入学したのですが、全国の大学生で「日本一の新入生を決める」と銘打たれたミスコン、通称「フレキャン」に応募したことが転機になりました。SNSパパ活の類の連絡が来るようになり、ブランド物を持つようになったと思ったら、いつの間にか退学していたそうです。

フィリピンでは、監禁に近い状態で、脅されながらかけ子をさせられていたそうで、そこで知り合った同じ境遇の男性と付き合い始めます。ルフィたちが捕まると、出頭はせず、その男性と逃避行しており、捕まった時には妊娠していたそうです。

 

 

実行犯は使い捨て

 

最初はオレオレ詐欺で、フィリピンでかけ子が電話をかけ、日本で集めた受け子と出し子でお金を集めていたのですが、オレオレ詐欺が周知され、あがりが減ってくると強盗へと犯罪が凶悪化していったということでした。実行犯は使い捨てであるため、捕まっても何も知りません。ルフィたちですらもっと大きな、闇の組織の使い捨てのコマのひとつだったようで、彼らが捕まっても同様の事件が起き続けているということで、電話だけでなく、SNSからの連絡にも注意が必要です。

どんどん手口が変化し、巧妙になっているため、息子たちが巻き込まれないよう、よく話して聞かせないといけないですね。

 

 

闇バイト名簿

 

このような闇バイトでは、身分証を押さえられます。それをもとに、家族に危害を加えると脅されるだけでなく、裏の名簿として売られるそうです。悪事に手を染めた人の名簿は高く売れるそうですよ…

かけ子たちが電話の会話の中で得た情報も名簿になり、売られているそうで、知らない人に色々と喋ってしまないよう、両親にも言っておきたいです。

 

 

まとめ

 

柴田の裁判で、裁判官は「公判を通じて感じたがあなたは高い能力を持っている。それを社会で活かしてほしい」と語ったそうです。本当に、ちょこっと足を踏み外しさえしなえれば、有能で魅力的な人が、ふとしたきっかけで闇バイトに取り込まれてしまっているというのをとてもよく理解できました。

また、トカゲの尻尾切りを繰り返し、絶対に捕まらないところにいる闇組織。会社組織だけでなく、犯罪組織もグローバル化しているんだなとつくづく感じました。