今回は、「人を襲うクマ 遭遇事例とその生態」(2021年)を読みました。
以前、アイヌの熊猟師については読みましたが、本書ではクマ被害の詳細な状況を報告書や取材を通してまとめたもので、一般人がどうクマに対処できるのか考えさせられる本でした。
特に覚えておきたい内容を整理したいと思います。

ヒグマは主に北海道に生息し、オスの成獣で200㎏、メスは100㎏程度です。しかし、オスで400㎏を超える個体も記録されているそうです。一方、ツキノワグマは本州に生息し、オスの成獣で60~100㎏、メスで40~60㎏程度だということで、人間と大きく変わりませんね。
しかし、どちらも鋭い爪と犬歯を持ち、爪で引っかかれたり、噛みつかれれば大けがしてしまうのは間違いありません。特に、ヒグマに出会ってしまった場合は、ツキノワグマよりも死亡率が高くなります。
なお、九州のツキノワグマは絶滅したと判断されており、四国も危機的な状況だということでした。
クマの食性は、雑食性になります。過去記事「アイヌの話」でもあったように、基本的には人を避けて生活しています。しかし、過去記事「林業」でもあったように、人間がクマの餌となるブナやクヌギ、コナラなどの落葉広葉樹林を杉に変えてしまったために、冬眠するための十分な脂肪を蓄えることができないでいるそうです。
そうなると、不作の年には冬眠を前にしたクマが餌を求めて広く移動し、人里に降りてきたり、冬眠できずにウロウロしてしまうのだそうです。
そういえば、「林業」の中でクマの話はでてきませんでしたね。やはり、この山では生きていけないということで逃げていったのかもしれません。
本書では、クマとの遭遇事例がいくつも紹介されているわけですが、ほとんどが突然のエンカウントにより事故になっています。山菜、キノコ、タケノコ採りなどに夢中で、至近距離でクマと遭遇し、身構える間もなく襲われていました(クマも突然人間が近くいてびっくり!というパターンです)。また、餌があると学んだクマがテントを襲ったりもしています。

これらの事例で分かったのは、クマはまず顔を攻撃してくるということです。鋭い爪で頭部を攻撃されれば、気絶してしまったり、目が見えなくなったりと、反撃しようにもかなり不利な体勢になります。やはり、出会わないことが一番だと思い知らされました。
クマに出会わないためには、クマよけの鈴が一番に思い浮かびますね。
本書でも、鈴を持っていたのに車内に置いてきてクマとエンカウントした例もありました。その他にもクマ撃退スプレーなんかもありますが、すぐに取り出して使えなければ意味がありませんね。ほとんどの遭遇事例が突然、至近距離で遭遇していることを考えると、武器も欲しいとことです。なたをバックに下げるようにしているという被害者もいて、咄嗟にカッターで竹やりを作って応戦したという例もありました。
クマもびっくりして興奮しているため、大声を出しての威嚇などは効果がないようです。クマは死んだ動物を食べるため、死んだふりもダメですよ。ツキノワグマは木登りも得意ですし、走っても追いつかれます。目を離さずあとずさりが正解のようです。
最近もクマによる被害報道を見ましたが、山に入るときには、クマに遭遇することを想定した準備、心構えが大事なんだということが分かりました。また、人里におりてきて食べ物があると知ったクマは、危険を冒しでても人里に出てきます。ゴミの管理や柿の木など樹木、農作物を守るための対策も必要になっているということが分かりました。さらに、人食を覚えたクマについては、過去記事「アイヌの話」と同様、個体を特定して殺処分しなければいけません。クマと人との共生について考えさせられます。
今年の冬は、本州にスキーに行く予定なので、冬眠している時期だからと過信せず、クマよけ対策も考えていこうと思いました。
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